風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

2020年新作4…2点 (一部訂正あり)

2020年10月03日 | 仕事場
◆ 「聞き耳」 日本画 3号 28.5 × 22 cm




通算5点目の猫です。
飼い主さんの撮影された写真を元に描いたものです。

何か気になるものを感知した様子で、聞き耳を立てつつ
虎視眈々とターゲットを凝視する姿は、野生の面影を感じさせる、いかにも猫らしいものです。

私は猫も犬も同じくらい好きなのですが、どちらかといえば犬派です。
しかし、今まで犬は1点も描いたことがありません。
それは何故なのか。

猫は20歳を越えると”猫又”という妖怪に化けるという伝説がありますが
犬では、その手の伝説を聞いたことがありません。
おそらく、猫が秘めている、そういう伝説を生む要素が
絵描きの心を惹きつけるのかもしれません。






◆ 「朝影(あさかげ)」 日本画 2号程度 24.8 × 17.3 cm




イタリア・ヴェネツィアのサンタ・マリーア・デッラ・サルーテ聖堂を
大運河カナル・グランデ越しに眺めた構図で、午前10時くらいをイメージしています。

この聖堂はヴェネツィア出身のバロック期の建築家バルダッサーレ・ロンゲーナの代表作。
八角形の建物に、前後二つのクーポラ(ドーム)、後ろに二本の鐘楼という独特の構造をしています。
建設当時はペスト(黒死病)の大流行期で、ペスト撲滅が表向きの建設理由ではないようですが
サルーテ(健康)と名付けられたことからも、ペスト撲滅の願いを込めたのは確かだと思われます。

建設当時はペスト(黒死病)の大流行が収まったばかりで
それを感謝して、聖母マリアへ捧げるべく建設されたものだそうです。

この作品は、私が「ジークレー下地」と呼んでいる、デジタル・プリントを下描きとして使用したものです。
現場の写真を元にして画像編集アプリで原稿を作り、本紙にプリントして、その上に彩色しています。

私はバロック建築にはあまり興味はないのですが、これだけは別!
以前にもほぼ同じ構図で、夜景をパステルで描いていますが
今後も別の構図で描こうと構想を練っています。


------------- Ichiro Futatsugi.■

コメント (2)
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