風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

2019年 1月31日 木曜日

2019年01月31日 | 仕事場
◆ ヴェネツィアのカフェ 日本画 50号 第4回

イタリア・ヴェネツィアの中心地サン・マルコ広場。
そこに店を構える、1720年創業の老舗カフェ「カッフェ・フロリアーン」の夜景です。




前回の状態







現在の状態。

前回よりも全体の色調は赤味を抑え、黄色方向に振っています。

色調を変えるため、そして画面に厚味を持たせるために全体に色をかけましたが
そのために細部が潰れ過ぎてきています。
日除け幕は前回の状態のレベルには描き起こしていますが
カフェの壁・室内、日除け幕周辺のアーチにある装飾など、そろそろ再度の描き起こしが必要です。







◆ シロールの猫 日本画 6号 第3回

イタリア北部ドロミーティ山岳地帯の一角の
小さな街シロールに暮らす、ちょっと珍しい種類の猫です。




前回の状態







現在の状態

猫の体の大部分を占める白毛の手触り感に気をつけながら進めています。
ヒゲや耳毛も描き起こし始めています。

猫好きの間では”猫は液体である”という言い方をよくします。
入り込めそうもない狭い場所でも体をうまく変形させてスッポリ収まってしまうほど柔軟性に富んでいますので
このようにべったりと寝そべっているポーズの場合、体はかなり平べったく変形しています。
ですから、輪郭の形には神経を使いますが、解剖学的な構造や形をあまり意識し過ぎても仕方がない気がします。
実際以上に平板に見えないように、重量感が乏しくならないように描き進めています。








◆ 浜野浦の棚田 日本画 10号 第3回

佐賀県玄海町の海辺に築かれた棚田です。
「日本の棚田百選」に選ばれており、それらの中でも、ひときわ特異な景観を持っていて人気です。




前回の状態







現在の状態

棚田を囲む左右の急斜面から枝を伸ばす樹木や、畦道に生える草などを描き入れたところです。
このようなコントラストの強い逆光気味の情景では、単なる白黒の模様にしか見えないことがあります。
棚田らしさを出すには、田圃の形・畔の形・苗の列に気をつけるのはもちろんですが
樹木や草のシルエットをうまく使うことで現実味が増します。

右側上部に描き入れた樹木の枝によって、その向こうにある棚田が見えなくなってきました。
このままですと右側の暗い斜面がやや広過ぎるように見えなくもないので、今後調整が必要だと思います。


------------- Ichiro Futatsugi.■

コメント (2)
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