風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

2014年 3月26日 水曜日

2014年03月26日 | 仕事場
イタリア・トゥスカーニアのサン・ピエトロ聖堂 50号 (第5回)




前回3月8日に掲載しました、3月1日の状態です。


現在、制作は中断しています。
小品を何点か描く必要があり、この作品は個展などに出品する予定が今はありませんので
小品の目途が立つまで、しばらくの間寝かせておきます。

それでは3月1日以降の、現在までの過程を2点ご紹介して一区切りとします。




これは3月12日。





これは3月20日の状態で、ここで中断しています。

とても気に入っているモチーフで、ここまで一気呵成と言えるくらい描きましたので
一応、大筋で完成イメージに近いところまでは来ていると思います。
あとは細部の更なる描き込みや修正を残すのみとなっていますので
しばらく中断しても、スムーズに再開できるだろうと見込んでいます。
一気呵成に描いたために、多少冷静さを欠いたところもあったでしょうし
ここで少し間を置くことで、今まで見逃していたものに気づくこともあるかと思います。
それでも、気分転換を兼ねて手を入れることもあるかもしれませんので
大きな変化があった場合や、本格的に再開した折りには続きを掲載します。




イタリア・シエナのドゥオーモの夜景 20号 (第6回)

昨年の10月31日に掲載して以来の登場です。
この作品も現在は中断しています。




2013年10月31日。





2013年11月下旬。

掲載は10月31日が最後でしたが、11月いっぱいまでは制作が続いていました。
12月以降は中断していますが、時折、気づいたことがあれば手を入れています。
こちらも、また大きな変化があった場合には掲載します。

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3.11を忘れないために…ささやかなWeb展を

2014年03月11日 | 東日本大震災
あの日から3年が経ちました。

その瞬間…

  2011年(平成23年)3月11日 午後2時46分

私は思わず覚悟を決めたくらいでした。
それほどの、経験したことのない強く長い揺れだったからです。

あの日も、我が家の周辺は今日と同じように普通の日常の時間が流れていました。
テレビで次々と映し出される凄惨な状況と、窓から見える穏やかな日常風景との間にある
埋めようのないギャップをどう理解していいのか、頭の中は空回りするばかりでした。


  死者 15884人

  負傷者 6148人

  行方不明者 2633人
 
  (3月10日現在 警察庁緊急災害警備本部広報資料より)


そして、同時に起こった福島第一原発の事故によるものも含めて
3年も経った今、なお避難生活を続けている人が約26万7千人!


このような災害による被害を少しでも減らすための第一歩は、忘れないことです。
大災害の前には無力な私たちでも、このくらいのことはできるはずです。
しかし、言うは易く行うは難し。
人間の記憶は風化して行ってしまいます、確実に!




さて今回は、いつもの重た~い作品ではなく、パソコンで作った軽い画像を何点かご紹介します。
私は作品の構想を練る時パソコンを使うことが多いのですが
その際に息抜きも兼ねて、半分遊びで作ったものです。
ハガキなどに使うことが多いのですが、こういうものが新たな作品のヒントになることもあるのです。





 「篝火」(6号 2007年)の下描きにPCで淡彩風に彩色






 「月夜見」(50号 2005年)の部分を年賀状用にトリミングして加工






 「二人の空」(4号 2012年)の下描きにPCで彩色と加工






 「ティーカップ」(4号 パステル 2008年)を額装風に加工






 「壁の聖母」(12号 2005年)の聖母子像部分の下図と本画をPCで合成






 「黄冠」(8号 2005年)の下描きに制作過程を部分的に重ねたもの





 
 これはイタリア・アッシジの写真を合成して作った2003年の年賀状用


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2014年 3月8日 土曜日

2014年03月08日 | 仕事場
ここのところ、仕事は一応順調に行っています。
10日くらいでブログを更新できているのが何よりの証拠です。
しかし、ぬか喜びは禁物!
どこに落とし穴が隠れているかわかりませんからねぇ。

始めて使う「土佐麻紙の裏」は、私にピッタリ合っているとは思うのですが
やはり何点か描いてみないと断定はできません。
50号は比較的大きい画面ですから、凸凹の紙の表情が分かりやすい小品でも試してみる必要があります。

今回は試用というつもりで50号用に切り分けられた紙を購入して使いましたので端切れしか残っていません。
そこで先週の日曜日に、また新たに土佐麻紙を買ってきました。
それで3~4号くらいの小品を近日中に始めたいと思っています。

描き続けているサン・ピエトロ聖堂には集中できているのですが
やはり私は何点かを同時進行し、その日・その時の気分によって選んで描く方が性に合っているようです。



イタリア・トゥスカーニアのサン・ピエトロ聖堂 50号 (第4回)




これは前回2月28日の状態です。





こちらはその一日後、3月1日の状態です。
前回と色調が異なるのは、PCによる色調補正が同じにできなかったからです。

ほとんど描いていなかった、彫刻と薔薇窓の影を入れ始めました。
そして建物各部の影や空の暗さも強調し始めており、全体の印象が大きく変化してきています。
こうして比較してみると、前回が平板であったことがよく分かりますね。


ロマネスク様式の味わいのある彫刻とレリーフに彩られ、白い大理石と暗い凝灰岩で構成された正面壁全体は
この聖堂独特の美しさを醸し出しているのですが、私が描こうと決めたのは、それだけが理由ではないのです。
薔薇窓の周りに配された彫刻が、斜めから差し込んだ直射日光を受けて形作る影が印象的だったのです。

直射日光が作る影は強過ぎて絵に描くことはあまりないのですが
状況によっては、とても鮮烈な印象を与えてくれます。
特に斜光線は、平凡で目立たない物にも劇的な変化をもたらしてくれることがあります。

斜光線で思い出深いのが、一昨年に描いた「久遠の泉」です。
ウンブリア州の古都アッシジにある、目立たない小さな水飲み場を描いたものです。



 「久遠の泉」 15号

この作品は光に魅せられて描いたものでしたが、今回は影です。
もっとも影を描くことは光を描くことに他ならないので、結局は同じことなのですが…。


さて、3月1日から一週間ほど経っていますので、現在の画面はもっと変化しています。
ようやくサン・ピエトロ聖堂の持つ雰囲気が出て来つつありますが
このあたりまでは言わば下仕事であり、説明的な描写が主体でした。

ここから先が本当の絵作り。
私の抱いているイメージに近づけていく仕事が、これから本格化します。


-------------- Ichiro Futatsugi.■


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