風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

8月15日土曜日

2009年08月15日 | 仕事場
予想通り…と言うのも変ですが、ルクセンブルグ大聖堂は停滞ぎみです。
全体の色調に迷いのあるのが最大の原因です。


今月初めの状態です。

制作開始から二ヶ月たち、画面を見慣れてきたこともあって、形の狂いが目につくようになってきました。
ここのところ刷毛を使った大雑把な彩色が続いて形のモタつきが気になってきましたので、また形の描き起しをしました。


一通り描き起こしたところです。

左の二本並んだ尖塔の内、右の塔の傾きを少し修正しましたが、離れて眺めてみたら、今度は左の塔の上半分が湾曲しているように見えます。
この聖堂は、全体を軽い上すぼまりのパースにしてありますので、形を描くのが厄介です。
明日は、この修正から始めなければなりません。


形の描き起しは、まず色鉛筆で起こした後で岩絵具をかけています。

形の描き起し・修正は、まだ数日続くでしょう。
後々大きな修正を必要としなくなるように、大事な部分の形を決めておかなければならない段階にあります。
画面の空気感・スケール感は、今月初めの段階の方があります。
形の修正のために雰囲気を犠牲にしましたので、ずいぶん平板な印象になってしまいました。
今は雰囲気作りを我慢して、絵の骨格となるような説明的な描写が中心です。

いずれにしても、私のイメージする ”完成予想図”とは、まだ大きな開きがあります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

6月30日に下描きの段階を紹介した花二点です。
現在は両方共彩色が進んで、仕上がりの見通しが立った状態にあります。






そして今回初登場の6号の菊です。



この菊は、近い内に、より詳細な制作過程を紹介する予定です。

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野村義照日本画展のご案内

2009年08月11日 | 展覧会案内
私が大学院時代から今日まで薫陶を受け続け、直接の師匠と仰ぐ数人の画家の一人、野村義照先生の個展が長野県諏訪市の北澤美術館で開催されます。
不肖の教え子である私は、若い頃は先生の教えがピンと来ないことも多かったのですが、歳と共に身に浸みて実感できることが増えてきました。

先生が北澤美術館で個展をされるのは12年ぶりになります。
私からも、何卒ご高覧賜りますようにお願い申し上げます。




北澤美術館 本館2階展示室
392-0027 長野県諏訪市湖岸通り1‐13‐28

■会期:2009年8月29日(土)~10月3日(土)
■開館時間:9:00~18:00 会期中無休
■電話:0266-58-6000
■入場料:大人1000円 団体 8名以上900円 中学生以下無料

北澤美術館へのアクセスなどの詳細は北澤美術館ホームページをご覧ください。

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象潟や…

2009年08月06日 | 日常雑記
「象潟や雨に西施がねぶの花」 松尾芭蕉



秋田県南部の日本海沿いにある名勝・象潟(きさかた)に行ってきました。

古代、秋田・山形の県境にある鳥海山の大規模な崩壊によって小さな島々が浮かぶ浅海が形成されました。
やがて砂浜が発達して海と分離され海水と淡水が混じる潟湖となって島々に黒松が茂るようになると「象潟八十八潟・九十九島」と呼ばれ、宮城県の松島と並び称される景勝地となりました。
約200年前の大地震によって一帯は2メートル隆起して湖は干上がり、”島々の遺跡”とでも言えるような現在の姿になったとのことです。



国道7号線沿いにある「道の駅 きさかた」の展望室からは全体が一望できます。





樹木の生えている古墳のようなところが元々島だったのです。
田圃はすべて浅い湖だったわけです。


芭蕉翁が詠んだように、この時期このあたりには”ねむの木”が灯明のような花を咲かせています。


象潟の古刹・蚶満寺(かんまんじ)境内の”ねむの木”

今回は残念ながら象潟の背後にそびえる鳥海山は雲がかかって見えませんでしたが、いい取材になりました。

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