風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

2013年 1月12日 土曜日

2013年01月13日 | 仕事場
今年は元旦から制作を始めるという、絵描きの鑑のようなスタートが切れました。
一昨年は両親の病気があり、昨年は引っ越しの準備が大詰めを迎えていましたので
今年は久しぶりに穏やかな正月が過ごせました。
一年の計は元旦にありと言いますので、今年は昨年にも増して何か良い事があるかな?


20号2点の進捗状況、まずは御射鹿池(みしゃがいけ)の秋景です。



1月7日の段階です。
実景に即して、樹木の形・紅葉の配色などを調整しながら、まずは実景から学ぶことを最優先しています。
モチーフから学ばなければ、本当の創作力は鍛えられません。
ここはじっと我慢して、ひたすらコツコツと描いています。



そして、今日の状態です。
ここ数日は彩度を上げることを主眼としていますので、上の画像に比べると自然さは無くなってきています。
山の上の方は形がだいぶ潰れてしまい、そろそろ描き起こしが必要です。
空は、もう少し明度を落とした方が良さそうです。



サン・ベネゼ橋の方は前回とさほど大差はありません。
御射鹿池の方を優先していますので、大きな進捗はないのです。
こちらも、とにかく実景に即して描いている段階です。



ベネゼ橋は12世紀後半に造られ、全長約900m!アーチが22個連なる壮観な姿を誇っていたのです。
13世紀前半にルイ8世の侵攻によって大半が破壊され、再建が始まってからもローヌ川の度重なる氾濫によって崩壊し
現在ではローヌ川の教皇庁寄りに3つのアーチしか残っていません。

鉛筆の下描きがハッキリ残るほど薄塗で描いています。
明度が落ちてきましたので、そろそろ明るい色での描き起こしにかかります。
橋の一番右の窓からは礼拝堂の下部が見えているのですが
見えていないように暗くしてしまった方がいいかな?
他の窓のように暗くしてしまった方が面倒はないですね。


-------------- Ichiro Futatsugi.■
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2013年 1月1日 火曜日

2013年01月01日 | 仕事場
新年明けまして、おめでとうございます!!

今年も、当ブログ「風食明媚」と、ホームページ「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

お屠蘇でほろ酔い加減になっていらっしゃる方も多いかと思いますが…
実は私も、さっきまで近所に住んでいる甥が来て飲んでいましたので、ほろ酔いで書いていま~す、でへへ。
しかし!今日の昼間は仕事、仕事、仕事!をしていたのですぞ!
うん、これを絵描きの鑑と言うのかな?
え?自分で言うなって?
まあまあ、今は酔っぱらっていますので、多少の放言は見逃してくだされぇ!お代官さまぁ~!


さて、まずはサン・ベネゼ橋の経過から。




これは12月29日の状態で、ほぼ下描きは終了です。
途中から透明水彩を併用しています。

礼拝堂と橋に一体感が足りないと思いませんか?
その通りなのです。
橋に比べ、礼拝堂は水彩を使っている部分が圧倒的に少ないので、一体感が少し欠けて見えるのですね。

橋最上部の縁取りは、左側へ行くに従って太くなっていて遠近が逆に見えてしまっています。
これは単純なうっかりミスです。

橋の幅(右下のアーチの奥行き部分)を広げました。
礼拝堂がどのように建っているのか分からないと、イタリアの友人shinkaiさんよりご指摘をいただき
あ!確かに!ごもっとも!と修正しました。
この方が橋全体のボリュームも増え、堂々とした貫禄も出しやすくなりますし、礼拝堂との関係も描きやすくなりますね。
shinkaiさん、グラッツィエ・ミッレ!





そしてこれが今日の状態です。
全体に薄く色を置いたところです。
鉛筆の下描きが薄くなりましたし、色が入りましたので、下描きとは印象がだいぶ違ってきました。
そして、少々平板に見えますね。
彩色の始めの段階は、いつもこうなのです。

礼拝堂と橋の色を少し変えましたので一体感の欠如が増幅されてしまいましたね。
今のところは、本格的な彩色の下準備として、一体感がなくなるのを承知で描いていますからいいのですが
しかし、最終的にこれではペケ!失格です!
今後は密度を上げながら、礼拝堂と橋を一塊の物として描いて行くことが必要になります。



次は御射鹿池(みしゃがいけ)です。



まだ下描きですので鉛筆と透明水彩だけを使っています。
スケッチをするようなつもりで描いています。
水面の映り込みが描き足りませんので、それが終わりましたら岩絵の具での彩色に移ります。
今後は岩絵の具で、紅葉の最盛期らしさを出すために、どんどん彩度を上げて行きます。

以前ご紹介しましたように、この池は農業用の溜め池として造られた小さな人工の池なのです。
しかし、永い年月を経て、本当に美しい珠玉の池となっています。
長野県茅野市の中心部から車で一時間以内に着きますので、機会がありましたら是非訪れてみてください。


-------------- Ichiro Futatsugi.■

コメント (2)
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