風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

小下図 その29 アッシジ (5)

2023年02月27日 | 仕事場
◆ 小下図 冬のサン・フランチェスコ聖堂 4号大 ( 31 × 20 cm )


イタリア・ウンブリア州アッシジのサン・フランチェスコ聖堂は
私のイタリアでの原点とも言えます。
初めてイタリアに降り立ち、ローマを素通りして真っ先に到着したのはアッシジ。
そして最初にじっくりと向き合ったのがこの聖堂でした。

今まで描いたイタリアの風景の中で
0号から150号まで、数えてはいませんがアッシジが最多だと思います。

アッシジは何回か訪れましたが、ほとんどが冬。
オフシーズンであっても昼間は観光客の賑わいがありますが
夜になると不気味なほど人通りが途絶え
不安になるほど街は静まり返っていたことを覚えています。


本番では15〜20号で描く予定です。






ドローイングペンでの描き起こし。

あまりガリガリ描き込まないようにしたことが裏目に出たようで
重量感の乏しい弱々しい画面になってしまったと思います。

一連の下図でドローイングペンを使い続けてきましたが
まだ鉛筆ほどには使いこなせていないと感じています。

はっきり言って出来は悪いですが
今回は彩色のための下描きと割り切って彩色に移ります。











ガッシュで彩色。

観光地の喧騒がピークを過ぎた、昏れなずむ聖堂をイメージしています。

以前に描いたフランスのランス大聖堂などのフレンチ・ゴシックに比べると
細かい装飾が圧倒的に少ない分、細部の面倒臭さは少なくて済みます。

しかし、こういう単純な形は別の意味で曲者です。
ほんの些細なことでも、極端なことを言うとペンの線一本ずれても
印象が変わってしまう場合がありますので、なかなかに厄介です。

要するに、楽して描けるものは何も無いということですね。





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本日のおまけ

イタリアの ”最も高貴なる” 水の都ヴェネツィアの ”負” の名物と言えば
有名な洪水アックア・アルタを誰もが思い浮かべると思います。

かく言う私も一度遭遇したことがあり
その時は、サン・マルコ広場で10cmほど浸水していました。

と、こ、ろ、がぁ…
数日前に、意外なニュースが駆け巡りました。

「ヴェネツィアが干上がっている!」

水没じゃなくて干上がっている? 冗談は顔だけにして! ペルケ?(なにゆえ?)


日テレ news のニュース動画をどうぞ。
【ベネチア】“水の都”が一変 水不足で運河「干上がる」? (2023年2月27日放送)


------------- Ichiro Futatsugi.■


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2023年 日本画の新作 1 … ランス大聖堂の聖母子像 (途中経過)

2023年02月14日 | 仕事場
◆ ランス大聖堂の聖母子像(題名未定) 日本画 20号( 72.7 × 53 cm )

フランス東北部の古都ランスにあるノートルダム大聖堂。
その玄関入り口の中央柱に据えつけられた聖母子像がモデルです。


ここ1年半に渡って、彩色した小下図に集中してきましたが
この正月明けから本画(タブロー)を再開しています。

昨年末までに30点弱の小下図を描きましたが
予定していた全部を描き終えたわけではありません。
それでも、そろそろ小下図を元にした本画も始めようと
現在は3点が進行中です。



小下図の記事(2021年7月)

小下図の記事にリンクを貼ろうとしたら、下のような領域が表示されてビックリ!
今まで、こういう機能があるとは知りませんでした。
角丸の四角で囲まれた領域をクリックすると記事に飛びます。
小下図 その3 ランス - 風色明媚

小下図 その3 ランス - 風色明媚

◆小下図ランスの聖母子4号大(30×22cm)フランス東北部、シャンパンの産地として名高いシャンパーニュ地方の古都ランス。その中央教会たる、ゴシック様式のノートルダム大...

goo blog

 

小下図は4号くらいで、PCで作成した構想画像を画用紙に淡くプリントし
ドローイングペンで形を描き起こし、主にガッシュで彩色しています。
画面も小さく、紙も絵の具も本画とは異なりますので
方向性を確かめる程度の大雑把な描き方をしています。

本画は最初から手描きになります。



本画の途中経過





形の描き起こしが一段落した状態です。

本画の紙は、高知麻紙の裏使い。
裏は本来、絵を描くことを想定していません。
繊維の塊が混じっていることもよくあり、お世辞にも描きやすいとは言えませんが
私は一目見て気に入り、ここしばらくは本画の大半は裏を使っています。
他の麻紙の裏よりも凸凹で、粗目の水彩紙のような質感です。


構図は、小下図に比べると聖母子像を少し下げています。

鉛筆で形を描き起こした後、小下図で試したドローイングペンで上描きしています。
下図用の平滑な画用紙と違ってザラザラですし、鉛筆の使用後は繊維が毛羽立っていて
ペン先が繊維に引っかかりやすく、特に細い線は掠れて途切れがちになります。

最初に形をしっかり描いておこうと
明暗の階調や画面の奥行き感はあまり考慮していません。
聖母子像の左側は扉が開いていて暗い内部空間が広がっているのですが
今は便宜的に一段暗くしてみただけですので壁のように見えています。

この後は、全体に膠水をかけてから絵の具を使い始めます。
膠水をかけるのは、鉛筆の定着・毛羽立った繊維の定着のためです。
そして絵の具の定着を良くするための”捨て膠”の意味もあります。


本画の記事は、以前は途中経過を何回か掲載しましたが
今回からは1回だけの予定です。
次は仕上がってから掲載します。

本画と並行して小下図も続けていますので
そちらも順次掲載します。



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本日のおまけ

今や私のPC生活では、YouTube 無しなど考えられません。
そういう人はたくさんいることと思います。

ユーチューバーと称される職業投稿者が若者の憧れの的になっている YouTube ですが
どのような目的で、どのように始まったか。
最初の投稿動画はどのようなものだったのか。

”不思議と謎”に関する話題を集めたサイト「カラパイア」で紹介されています。

Youtubeが作られた本当の理由。出会い系サイトになる予定だった!? : カラパイア

Youtubeが作られた本当の理由。出会い系サイトになる予定だった!? : カラパイア

2005年2月にサービスが開始されたYoutubeだが、もともとの目的は出会い系サービスだったという。ところがこれが上手くいかず、どういうわけか創設者の1人がアップした動物園...

カラパイア

 

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