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風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

プチ雪国

2008年02月03日 | 日常雑記
今朝8時30分頃。
カーテンを開けたら、そこは雪国であった。



昨夜の天気予報は雪になるかもしれないと告げていましたが、半信半疑で迎えた朝でした。
今日が初雪ではありませんが、これだけ本格的な雪景色は久しぶりです。
すぐ近くの幹線道路では、車たちが恐る恐る走っています。
時折タイヤチェーンの音がジャラジャラ響いてきます。
私にとってチェーンの音は典型的な冬の音です。

石油ストーブの上でカタカタと鳴る沸騰したやかんの蓋。
通り過ぎる車のチェーン。
時々屋根からドサッと落ちる雪の塊。
それ以外は何も聞こえてきません。
これらは安曇野の実家で聞いていた冬の音です。
耳で感じる冬の風物詩なのです。
冬であることを、しみじみ実感します。

最近ちょっと仕事が停滞しているので、大好きな雪景色は良い気分転換になりそうです。
故郷長野のように目も覚めるような雪景色こそ見られませんが
雪のように白い気持ちで眺めれば、それなりの発見ができそうです。

これから散歩に出て、束の間の雪を満喫しようと思っています。

-------------- Ichiro Futatsugi.■



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植木の街のイタリアン

2008年01月08日 | 日常雑記
前回も触れましたが、この年末年始は徹底的に遊び呆けていました。
16年ぶりに車を替えたのが嬉しくてドライブ三昧の日々でした。
50歳を過ぎたオヤジなのですが、オモチャを買ってもらった5歳の子供と何も変わりません。
こういう状況になると、その人の本当の精神年齢が露見するものなのです。

納車から10日ほど経った1月6日の日曜日。
何となく、本当に漠然と、埼玉県の安行(あんぎょう)へ行ってみようと思いつきました。
1999年に両親が長野から引っ越して来た際、庭木を捜しに何度か通ったことがありました。
安行は植木・盆栽などの業者が集まる、関東でも有数の園芸の街なのです。
盆栽好き・庭好きの私には、さいたま市の盆栽町と並ぶ聖地の一つでもあります。

東京外環自動車道に沿った外環道路をのんびり走って安行まで来たのですが
6~7年ぶりのことで、どこに何があったのかほとんど記憶がありません。
思いつきで「安行西」という交差点で南下して街の中に入って行きました。
たまたま入りこんだ道路の両側には、安行らしく園芸業者の農園が並んでいます。
ここが安行の中心部ではないようですが、緑の多い街というのはいいものです。

しばらく進むと、左側の生垣からイタリア国旗が突き出ているのが見えてきました。
どうやらイタリア料理店のようです。
ゆっくり走りながら店をチラ見した瞬間、ピンと来るものがありました。
「ここは良いかもしれない…」
時間は昼の12時半を少しまわっていました。
まだ昼食はとっていません。

店の外観は木造で、田舎の分校のようです。
イタリアの小さなレストランをイメージしているのかもしれませんが
安曇野育ちの私には、懐かしい山の分校といった趣きが感じられます。
隠れ家っぽくて、豪華そうに演出していないところがまず気に入りました。
昼はパスタとコーヒーだけで充分なのですが
店の雰囲気と、漂うオリーブオイルのいい香りに誘惑されてランチのコースにしてしまいました。


前菜はチーズのムース。
付け合せにイチゴが添えられていて、見た目はまるでデザートのようです。
いきなり意表をつかれて、何だか楽しい食事になりそうです。
ムースと二種類のソースが期待感を高めてくれます。

スープは緑色のミネストローネ。
ほうれん草ではなく、春菊で色をつけたとのことでした。
春菊の癖を抑えながら、とても上品に仕上がっています。

メインは、パスタ・リゾット・魚・肉から選ぶようになっていて
私は魚のリゾットを選びました。
米の芯が消えかかる寸前で仕上げた歯応えは正に絶妙でした。
適度にコッテリした米と魚の塩味の組み合わせは、やっぱり日本人には嬉しいものです。
何より、スープもリゾットもベースとなるブロードがとても丁寧に作られているようです。

デザートはパンナコッタ。
パンナコッタはあまり食べた経験がなかったのですが
杏仁豆腐のような明快な風味づけが施されてあり、とても滑らかで心地よい舌触りでした。

最後の締めはエスプレッソです。
久しぶりで爽快な苦味のエスプレッソを堪能することができ
イタリアのバールの情景が懐かしく蘇ってくるようでした。

以上のコースで2300円です。
予想と期待を遥かに超えた料理が展開されて、思いがけない満足感に浸ることができました。
普通の胃袋でしたら苦しくなるくらいのボリュームもあります。
どれも口当たりの優しい味なのですが、主張すべきところははっきりとしていてメリハリが効いています。
たまたま思いついて出かけた街で偶然に入った店でした。
こいつは新年早々縁起がいいぞ!

さて、肝心のお店の名前は「ANTICO BASILICA(アンティコ バジリカ)」と言います。



メニューは、おそらく毎日変わるのでしょう。
ランチには1800~4500円の三つのコースがあります。
ディナーには5000円前後で三つのコースがあるようです。



家に帰ってネットで調べてみると、案の定、かなり評判の良い店でした。
給仕をしていたオーナーシェフの奥様と思しきご婦人によると
普段は混んでいることが多く、予約をした方が安心とのことでした。
6日は正月明けで、たまたま空いていたようです。
私の家からは車で一時間くらいかかりますが、たまにはここまで出かけてくる価値は充分にあります。
安行近郊の方には是非お勧めします。

唯一心残りだったのはワインが飲めなかったことです。
飲酒運転は絶対ダメですからね。
ワインのないイタリアンは、三つ葉のない親子丼と同じで画竜点睛を欠きます。
今度は公共交通機関を調べてから出かけるぞ!

-------------- Ichiro Futatsugi.■


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さよなら「ポチ」

2008年01月07日 | 日常雑記
遅ればせながら、新年のごあいさつを申し上げます。
年末年始はずっと遊び呆けていて、ブログを書くことなどすっかり忘れていました。
今日から心を入れ替えて、真面目に地道に暮らして行きます。

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人生に別れはつきもの。
肉親や友人・知人からペット・物に至るまで、たくさんの別れを経験します。
最後には自分自身がこの世とサヨナラすることになります。

昨年末、16年間乗り続けた愛車と別れました。
1991年2月28日にやってきた初めてのマイカーで、我が家ではいつのまにか「ポチ」と呼ぶようになりました。

***

私はペットを飼うなら柴犬と決めています。
柴犬以外は考えられないほど好きなのです。
携帯の待ち受け画面もずっと柴の仔犬ですし、免許証入れにも写真が入っています。



しかも名前は「ポチ」と決まっています。
それ以外にはありえません。
オスだろうとメスだろうと関係ありません。
メス犬に「ポチ」と名づけたら一生恨まれるかもしれませんが
私にとって柴犬は「ポチ」なのです。
日本童話界の大御所である花咲爺さんの愛犬以来の由緒正しい名前なのであります。
しかし、残念ながら我が家には本物の柴犬はいません。
ペットの飼えないマンション暮らしの身にとっては、いまだ見果てぬ夢なのです。

***

16年間雨ざらしの割には外観は遠目には綺麗でした。
小さな傷は数え切れないほどありますが、日陰で見れば新車時代の面影は残っています。
それでもこの一年、屋根の塗装が急速に傷んできました。
白いシミができたかな…と思ったら、たちまち白変が広がって剥げてきたのです。
「ポチ」のボディーカラーは黒です。
非常に目立ちます。
錆びているのではなさそうなのですが、私の頭と同じようにみすぼらしくなってきました。
飼い犬は主人に似ると言いますが、16年も使うと車も持ち主に似てくるのでしょうか。


 ↑「ポチ」の頭(部屋の窓から見下ろした様子)

 ↓ 私の頭(まもなく52歳)


老化現象は塗装だけではありません。
駆動系からは時々異音がするようになり、エンジンを切ると冷えるにつれてカーンカーンと大きな音も出ています。
昨年から仕事で月に一度は長野へ出かけるようになって、先行きの不安も感じ始めたところでした。

私は10万キロに達するまでは乗り続けようと決めていました。
我が家のスケジュールでは、10万キロを超えると予想される今年4月頃に買い換える予定でした。
ところが12月中旬、購入候補の車を見るだけ見に行こうと出かけたのですが、何とその場で購入決定!!
必要な書類を数日中に揃えれば年内には納車できるとのこと。
私は本当に見るだけのつもりだったのですが、我が家の財務大臣の主導の下、あれよあれよと言う間に決まってしまいました。
度胸・決断力共に財務大臣には遠く及びません。

そんなわけで12月27日、「ポチ」に乗ってディーラーに出向き、二代目を連れて帰ってきました。
私は物に対しても情が移りやすい性格なので、何も考えずに努めてサラッと別れてきました。
10万キロには僅かに届かず、総走行距離98862キロ。
16年間本当にお疲れ様でした。

「ポチ」のいた駐車場には、顔も色も違う二代目がポツンと座っています。
きっと、こいつとも永い付き合いになるのでしょう。

-------------- Ichiro Futatsugi.■


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字が書けない!

2007年12月12日 | 日常雑記
「読めるけど書けない…」

最近、テレビのクイズ番組では漢字の読み書きの出題が多い。
見終わった後の私の感想は決まってこうなのである。


  ●これから7問漢字の読みを出題します。 答えは最後に。


私は読むのは得意な方である。
フジテレビの「ネプリーグ」という番組に漢字の読みが出題されるコーナーがあって
私は毎回正座して、ネプチューンの名倉潤さんと張り合っているのである。
名倉さんは、とにかくすごい!

そのコーナーはレベル1~3が各5問ほど、そしてファイナルの1問が出題される。
レベル1~2は常識問題であるから流して見ている。
レベル3から本気モードで解答を始めるのである。
ここまで私が読めないものはほとんどない。
しかしファイナルは超難問。
現在までの名倉さんと私のファイナルの正解率を比べたら、おそらく名倉さんに軍配が上がるだろう。
だから名倉さんに勝利した時は、思わずガッツポーズしながら歓声を上げてしまうのである。



読むのは得意なのだが、書くこととなると途端に天狗のように伸びた鼻が萎縮し始めるのである。
元々書く方も苦手ではなかったのだが、最近は目に見えて怪しくなってきている。
形のイメージは浮かぶのだが、書いても全く形にならない。
読めるからイメージまでは浮かぶのである。

イメージとは、果てしなく茫漠としたものである。
視覚で認知できるものではないだけに、つかみどころがないのである。
イメージとは脳が見る夢のようなものである。
しかしイメージを形にすることが専門の絵描きとしては、能力的にマズイんじゃないの?



私は小学生の頃、定期的に行われる漢字テストでは常にトップの座を維持していた。
そのおかげで、中学・高校に進学してからも、漢字には興味を持ち続けることができた。
漢字の実力は水準以上という密かな自負があった。
現在の私は過去の束の間の栄光にすがって生きているだけのようである。

書き順に至っては最低の結果となる。
「最終的に形になってりゃいいじゃん!」
私は必ずこういう悪態をついて、自分の非を潔く認めないのである。
正解率も最悪、私の態度も最悪。

奢れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し…。



漢字が書けなくなったのは、手書きで文字を書くことが少なくなったからである。
文字は手で書いてこそ身につくのだ。
現在私は文章を100%パソコンで書いている。
日本語で書いているわけだから、絶えず漢字変換を行いながら書いている。
漢字変換で間違った文字を選択することは少ない。
数多くの候補が並んでも、文意や文脈を考慮して、大抵は正解を見つけ出すことができる。
だから私にはなかなか危機感が生まれない。



しかし、この頃、こんな私ですら危機感を抱くことが起きるようになった。
漢字が書けないだけならまだいい。
文字を書く手と脳が連動しなくなってきたのである。
私は年に1度程度だが、手紙を書く必要に迫られる。
下書きは常にパソコンである。
私の手はキーボードを打つだけの単調な作業しかしていない。
清書はパソコンの下書きを見ながら書いて行く。
モニター画面の文字を読み取って、脳に一時記憶して、ペンを持つ手に指令を出す。

下書きを見ながら書くのだから楽なもんだ…と、調子に乗った次の瞬間。
予定の文字とは違う文字を手が勝手に動いて書くことがあるのである。
漢字ばかりではない。
間違えようのない平仮名でさえも。
急いで書き上げようとすればするほど頻発する。
もちろん書いてすぐに間違いに気づくから、まだ救いの余地は残っている。
幸いなことに、絵では人を描こうとして犬を描いたりはしないから、まだ絵描きは続けられそうである。

脳の指令通りの文字を手が書かない!
これは大問題である。
漢字を知ってる、知っていないの問題ではない。
手書きで文字を書かない堕落した生活は、私の脳ばかりか神経回路をも蝕み始めたのかもしれない。



「書き損じたら新しく書けばいいだけじゃん。」
確かにそれだけのこと…ではある。
便箋など何枚無駄にしてもたいした値段じゃないが、そういう問題ではない。
間違えようのない文字を間違えた精神的ショックがストレスを生むのである。
ストレスはやる気を著しく阻害する。

特に最後の行の最後の一文字を間違えた時の悔しさは例えようがない。
悔しくて、腹立たしくて、しばらく便箋を睨みつけるばかりである。
修正液は見栄えが悪くて使う気にはなれない。




…という内容の文章を、私は相変わらずキーボードで書いている。
「だってブログなんだら、どのみち手書きでは入力できないじゃないか。」
私はまた言い訳を前面に押し出して自分の行為を正当化するだけである。
人間とは…いや、私という人間は、かくも懲りないものなのか。

パソコンに向かっている私の背後では、私の守護霊が顔を真っ赤にして怒っていることだろう。
「だから手で書けと言ってるだろう!!」



解答
①さざんか ②たそがれ ③わさび ④ふかん ⑤れもん ⑥こしょう ⑦うずまさ

-------------- Ichiro Futatsugi.■


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「蕎麦家」という名の蕎麦屋

2007年11月05日 | 日常雑記
最近、月に一回だけですが、行きつけの蕎麦屋ができましたのでご報告いたします。

私は毎月第一土曜日か第三土曜日に、日本画教室の講師を務めるために長野県諏訪市に出かけます。
東京近辺から諏訪へ車で行くとなれば、中央自動車道というのが普通でしょうが
私は関越自動車道から上信越自動車道に入って東部湯の丸というインターで降ります。
そこから蓼科高原の脇をかすめて諏訪に抜けます。
少し遠回りになるのですが、家の近所から東京外環自動車道に乗れるので
東部湯の丸インターまでは高速道路一本道です。
その後、諏訪までの田舎道をのんびり走るのもいいものです。


数ヶ月前のある日、いつものように東部湯の丸インターを降りて国道18号方面へ下っていると
偶然に蕎麦屋の看板が視界に飛び込んできました。
それは下り坂の緩い左カーブの頂点に、雑木の陰に隠れるように立っていました。

この辺りは東御(とうみ)市と言って、浅間山の南から西にかけて広がる緩斜面の一角にあります。
エッセイストで画家の玉村豊男さんの農場兼お住まいもあります。
斜面好きの私には理想的な勾配で、家を建てるならこういう場所がいいな…と、走りながら夢想に浸る場所なので、この看板の存在にはずっと気づかずにいました。

看板を発見した時は、すでに数メートル手前。
「あっ!」という叫び声を残して、そのまま素通りするしかありませんでした。
急ブレーキをかけて後続車に追突されたら大変です。
4年ほど前から老眼鏡を愛用し始めた私は動体視力も衰える一方です。
何より、その日の昼食はサービスエリアで済ませてしまっていました。
後ろ髪を引かれながらも一ヵ月後を待つことに決めました。

東部湯の丸インターを降りるのは、いつもだいたい午後一時頃。
最近、アクセルペダルを踏む足が疲れやすくなった体を休めながら昼食をとるには最適の時間と場所です。

看板から車一台分の幅の小道を左へ入ると最初の民家が右手にあります。
5~6台分の駐車スペースがあります。
蕎麦屋の看板がありますからここが目的地のようですが、民家のどこにも入り口の暖簾は見当たりません。
どうやら駐車場の左手奥に玄関があるらしく、行ってみると扉に張り紙がありました。
「←蕎麦屋はあちらです」
左手の雑木林の方向に手作りの道が続いています。
恐る恐る足を踏み入れると、右手に山小屋風の離れが見えてきました。

ここが「蕎麦家」という名の蕎麦屋です。

客席は、半円形のカウンターに20席ほど。
奥にはテーブル席が3つ4つあります。
板張りの店内の大きな窓からは、外の雑木林(この家の敷地です)だけが見えています。
こんなアトリエがあったらいいな…と夢想しながらメニューを開きました。

蕎麦は「さらしなそば」「風雨雪(ふうせつ)そば」「手前そば」の三つ。
「さらしなそば」は説明の必要はありませんね。
「風雨雪(ふうせつ)そば」「手前そば」は、粉の挽き方が違うだけで
奇をてらったところはどこにもなく、どれもつなぎ無しの十割手打ち蕎麦です。

注文すると、お通しのような小鉢が出て、蕎麦が茹で上がるまでの前菜になります。
食後にはコーヒーと甘味が付いて、これで値段はいずれも1000円。
地元の素材で作った料理が付くコースもあります。

味は好みがありますから、私の拙い感想は申し上げません。
「蕎麦処安曇野育ちの私が、昼時に東部湯の丸インターを降りたら昼食はここ」
それだけ申し上げておきます。


 

  長野県東御市常田492-17(グリーンパーク通り)
  TEL&FAX 0268-64-8566
  月曜日定休 祭日は営業
  OPEN am11:00~pm7:00


追記

一昨日(11月3日)も蕎麦家に寄りました。
「風雨雪そば」「手前そば」が、新蕎麦に切り替わっていました。

再追記(2009年12月)
 この店は「蕎麦家・叶」というのが正式名称のようです。


-------------- Ichiro Futatsugi.■

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