最近、新型の豚インフルエンザがメディアのトップニュースになっている。
世界的な大流行となるのか、WHOはフェーズ5から6に引き上げるのか、連日のようにWHOの会見の模様がテレビで流れ、新聞紙面を賑わせている。
新型インフルエンザの今後の情報も気になるのだが、WHOの会見場面でインフルエンザ情報とは別に気になったものがあった。
WHOの会見では常にシンボルマークが掲げられている。
WHO(World Health Organization 世界保健機関)は国連の専門機関であるから国連のシンボルマークがベースとなっている。
それにプラスして棒のようなものに巻きついた蛇が描かれているのである。

WHOの旗の中央部分をトリミングしたもの
今まで何度もWHOのシンボルマークを目にしては見過ごしてきた。
目に止まったのは今回が初めてだ。
このデザインに、もしかしたら…という心当たりがあったからだ。
インフルエンザの情報以上に、このシンボルマークの由来に興味を持った。
なるほど。WHOだから、ひょっとしたら”あれ”をデザイン化したものかもしれない…。
早速調べてみた。
しかし予想とは違った。
このデザインは「アスクレピオスの杖」というものだった。
ギリシャ神話に登場する半神の医者で、アポロンとコロニスの子アスクレピオス。
並外れて優秀な医者で、ついには死者を蘇らせるまでに至り、それが冥界の王ハデスの怒りを買い、ゼウスによって殺されてしまった。
死後、神に昇格して天に上ってへびつかい座となり、医学の守護神と讃えられるようになったアスクレピオスの象徴がアスクレピオスの杖だった。
予想外の結果だったが、私は納得した。
なるほど、確かにWHOに相応しいシンボルだ。
私は別のことを想像していた。
このシンボルマークを「ネフシュタン」だとばかり考えていた。
旧約聖書の民数記には、モーセが作った青銅製の蛇ネフシュタンのことが記されている。
民数記は出エジプト記の続きで、約束の地カナンを目指して荒野を彷徨うイスラエル人の様子が描かれている。
それによると、エジプトを旅立ったイスラエル人たちは永い放浪のなかで次第に不満が募っていった。
自分たちを救い出してくれた神ヤハウェとモーセに不平を言うようになった。
それを聞いたヤハウェは炎の蛇を送り込み、それに咬まれた人々が続々と死ぬという出来事があった。
人々は後悔し、モーセに助けを請うた。
モーセがヤハウェに祈ると、炎の蛇を作って旗竿の上に掲げるように告げられた。
モーセは青銅製の蛇を作って旗竿に掲げた。
それ以後、人々が炎の蛇に咬まれてもモーセが作った青銅製の蛇を仰ぎ見ると死なずに済んだという。
確かによく見ると、WHOのシンボルマークに描かれているのは杖であって旗竿ではない。
モーセの時代の旗竿はT字型をしていたということだ。
長い棒の先端に短い横木をつけて、そこに旗を吊り下げたと聞いている。
WHOのものは先端に丸い玉のようなものがついている。
これは要するにステッキなのだ。
ネフシュタンだと考えたのは、どうやら私の早とちりだった。
しかし…。
アスクレピオスの杖には、なぜ蛇が巻きついているのだろうか?
アスクレピオスと蛇とはどういう関連性があるのか?
それについての説明は見つからなかった。
アスクレピオスの象徴として蛇を採用したのはなぜなのか?
その疑問だけが残った。
果たして、ネフシュタンと何らかの繋がりがあるのだろうか。
そのあたりの事情は…判らなかった。
-------------- Ichiro Futatsugi.■
世界的な大流行となるのか、WHOはフェーズ5から6に引き上げるのか、連日のようにWHOの会見の模様がテレビで流れ、新聞紙面を賑わせている。
新型インフルエンザの今後の情報も気になるのだが、WHOの会見場面でインフルエンザ情報とは別に気になったものがあった。
WHOの会見では常にシンボルマークが掲げられている。
WHO(World Health Organization 世界保健機関)は国連の専門機関であるから国連のシンボルマークがベースとなっている。
それにプラスして棒のようなものに巻きついた蛇が描かれているのである。

WHOの旗の中央部分をトリミングしたもの
今まで何度もWHOのシンボルマークを目にしては見過ごしてきた。
目に止まったのは今回が初めてだ。
このデザインに、もしかしたら…という心当たりがあったからだ。
インフルエンザの情報以上に、このシンボルマークの由来に興味を持った。
なるほど。WHOだから、ひょっとしたら”あれ”をデザイン化したものかもしれない…。
早速調べてみた。
しかし予想とは違った。
このデザインは「アスクレピオスの杖」というものだった。
ギリシャ神話に登場する半神の医者で、アポロンとコロニスの子アスクレピオス。
並外れて優秀な医者で、ついには死者を蘇らせるまでに至り、それが冥界の王ハデスの怒りを買い、ゼウスによって殺されてしまった。
死後、神に昇格して天に上ってへびつかい座となり、医学の守護神と讃えられるようになったアスクレピオスの象徴がアスクレピオスの杖だった。
予想外の結果だったが、私は納得した。
なるほど、確かにWHOに相応しいシンボルだ。
私は別のことを想像していた。
このシンボルマークを「ネフシュタン」だとばかり考えていた。
旧約聖書の民数記には、モーセが作った青銅製の蛇ネフシュタンのことが記されている。
民数記は出エジプト記の続きで、約束の地カナンを目指して荒野を彷徨うイスラエル人の様子が描かれている。
それによると、エジプトを旅立ったイスラエル人たちは永い放浪のなかで次第に不満が募っていった。
自分たちを救い出してくれた神ヤハウェとモーセに不平を言うようになった。
それを聞いたヤハウェは炎の蛇を送り込み、それに咬まれた人々が続々と死ぬという出来事があった。
人々は後悔し、モーセに助けを請うた。
モーセがヤハウェに祈ると、炎の蛇を作って旗竿の上に掲げるように告げられた。
モーセは青銅製の蛇を作って旗竿に掲げた。
それ以後、人々が炎の蛇に咬まれてもモーセが作った青銅製の蛇を仰ぎ見ると死なずに済んだという。
確かによく見ると、WHOのシンボルマークに描かれているのは杖であって旗竿ではない。
モーセの時代の旗竿はT字型をしていたということだ。
長い棒の先端に短い横木をつけて、そこに旗を吊り下げたと聞いている。
WHOのものは先端に丸い玉のようなものがついている。
これは要するにステッキなのだ。
ネフシュタンだと考えたのは、どうやら私の早とちりだった。
しかし…。
アスクレピオスの杖には、なぜ蛇が巻きついているのだろうか?
アスクレピオスと蛇とはどういう関連性があるのか?
それについての説明は見つからなかった。
アスクレピオスの象徴として蛇を採用したのはなぜなのか?
その疑問だけが残った。
果たして、ネフシュタンと何らかの繋がりがあるのだろうか。
そのあたりの事情は…判らなかった。
-------------- Ichiro Futatsugi.■