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愛する孫のため。

2005年08月30日 | 映画
借りたい映画はことごとく借りられているので、
久しぶりに気になっていたフランス産アニメを観た。


【ベルヴィル・ランデブー】

何にも興味を示さない少年シャンピオン。
それが心配なおばあちゃんが買いあたえた三輪車に興味を示し、
ツールドフランスに出場するまでになる。
しかし、レース途中でシャンピオンは誘拐されてしまう。
おばあちゃんはシャンピオンを追って、大都市ベルヴィルへ。

最近のアニメを観るとき、ストーリーそのものより、
そのシナリオの巧みさや絵の質といった、
作り手の技巧のほうにどうしても目がいってしまう。
これはあまり良くない傾向だが、
それだけ、アニメーションの技術が素晴らしくなってきている。
(反対にストーリーが退屈な物も多い)

そういう観点からいうと、この映画は強烈に素晴らしい。
ものすごくデフォルメされた絵に好き嫌いがあると思うが、
ここまでやると気持ちがいい。
その人の性格や職業を形で表すとどうなる?とか、
大都会が大都会らしくあるためにはどんな形?というのを突き詰めていて、
人間の想像力ってなんてすごいんだろうと思わせてくれる。

それと特筆すべきは音だ。台詞はほとんど無い。
だが、犬の足音、眼鏡をずり上げる音、パイプのぶつかる音など、
一つ一つの音にこだわりがあり、
作品全体としてパーカッシブな印象を残す。

一つの音、一つの形の隅々まで意味がある職人的な映画だが、
明らかなエンターテイメントであり、
“愛”を感じられると言う不思議な映画。
米国への皮肉が随所に見られるのに、
米国での評価が高かったと言うのがまた不思議だ。

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