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花盛り。

2005年04月08日 | 
【影武者徳川家康】
いやー。すごいボリュームだった。
ページ数多い&細かい字の文庫本3冊の長編。

家康は関ヶ原の戦いで暗殺されていた。
影武者二郎三郎は家康に成り代わり、徳川を勝利に導く。
自由で戦の無い世の中を創りたい二郎三郎。
秀忠・柳生と暗闘を繰り広げる。

隆慶一郎の作品に初めて接したのは、
漫画「花の慶次」の原作者としてではなかっただろうか。
この小説も漫画化されているようだ。
その後、小説としては「吉原御免状」「かくれさと苦界行」など、
いずれも読みやすく、痛快な剣劇で大好きだ。

この小説は家康が影武者だったらという仮定のもと、
様々な文献を引用しながら、持論を展開していく。
これに、様々な登場人物とその生き様が時代物としての華を添え、
悪役に徹する秀忠・柳生でさえも愛着がわく。
様々な謀略、その先を読む力、勘の鋭さ、いずれも痛快である。
ただ、いつも通勤で通っている場所が沢山舞台となってる。
戦いの内の少なくとも戦争の部分は史実であり、
その場所で実際に何万人もの人が死んだわけで、
改めて戦国時代の恐ろしさを痛感する。

前半の勢いや隆盛に比べて、
後半は老いや諦めなどの感情が入り混じり、
人生に意味を求めようとする様、
急速に衰退していく様も人間くさい。

途中、ちょっと無理があるなとか、
ちょっと冗長だなと思う箇所があるが、
きちっと読みきらせるだけのパワーがあり、
読後の爽快感は格別だ。


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