道尾秀介 【 骸の爪 】
ミステリーが読みたいとき、
あらすじを読まずに名前だけで買ってもハズれない。
そんな作家の一人。
この作家の小説は、
最初はバラバラになったパズルをじっと眺め、
もやもやと不安や恐怖をあおる。
ある時、急にカチリ・カチリと音をたてて、ピースがはまり始める。
そして出来上がった絵は…、途中思い描いていた絵と全く違う絵なのだ。
ミスディレクションにすーっかりはまってしまう。
何度も戻って読んでは確認し、その度に感心する。
途中、こんな偶然ばかりで構成して良いのか?と思ったりするんだけど、
最終的におさまるべき所にすっきり収まるんだよな。
世の中、偶然の重なりが全てを狂わす事もあるんです。