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すんばらしい。

2009年05月28日 | 


松井今朝子【 吉原手引草 】

これまで星の数ほど小説が書かれ、吉原を舞台にした物語など腐るほどあるが、
まだまだ面白い話が作れるもんだなー。
語り口はごくシンプルなのに深い。
失踪した花魁のまわりの人達にインタビューしていく形で、
物語は進んでいく。
最初は何が何だかわからないが、グイグイきます。
男心、女心、妬み、自己顕示欲、人間の心の動きが、
色んな職、色んな立場の人達の言葉から滲み出る。

まるで吉原で実際に見て来たかのような、
時代考証というか当時の風俗がまた面白い。
ほんと、一気に読んでしまう傑作。