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嘆きの星。

2008年08月25日 | 映画
そろそろ夏の疲れも出て、なかなか筆を取る気になりません。
休みの日は半分子供の相手で、半分は寝ているし(笑)。

昨日は、子供の夏の工作を一緒にやっていたんだけど、
子供自身のアイデアを導き出すのが大変。
どうしても僕の思想が入ってしまいそうになるのをぐっと我慢しながら、
子供がどんな発想をするのか楽しむ。

そして、最近レンタルして観たい映画がたまってきた。


【ジャンパー】

えーっと。
テレポートしたらこんな生活できるんだねぇってところが
なかなか面白くて良いんだけど、それだけって感じでもある。
悪事で金を稼ぐって言うのもなー。あとで返しますって言われても。

最近のハリウッドアクション全体に言える事なんだけど、
なんかシナリオが、
“最近の映画技術だったらテレポーテーションをカッコ良く描けるんじゃない?”
“ほんまやなぁ。じゃ、次はそれで脚本書いてみてよ”って感じ(笑)。
特殊能力を活かして、相手の裏をかくって言うシナリオだったら面白いんだけど、
最終的には結局力技だし、敵の目的みたいなんもイマイチ曖昧だしね(笑)。
しかしタランティーノが【パルプフィクション】にサミュエル・L・ジャクソンを
使ったというのは、映画界にとって素晴らしい出来事だったんだなぁ。




【ノーカントリー】

前半はめちゃめちゃ良い。映像も最高。
影の作り方、物の配置、登場人物の動作、台詞それぞれに意味があり、
不気味な人間像、不穏な空気と言うものを現している。
コーエン兄弟と言えばやはり、
【ファーゴ】の雪と血のコントラストが印象に残っている人も多いと思うんだけど、
こういう印象的な演出は本当に素晴らしい。
映画全体を覆う“色”がはっきりしている映画が好きだ。

“自分のルールに厳格に従う殺し屋”というのはそんなに珍しい設定ではなく、
最近のリアルな戦争映画に比べたら恐怖というほどではない。
けど、すごく良いと思わせてしまうのは演出であり、役者だ。

後半、ちょっと冗長かなと思う部分もあるし、
衝撃のラストと言うわけではないが、
それが帰って淡々とした殺し、人々の嘆きを際立たせている。

冒頭から続く、保安官の厭世観というか、
時代が変わってしまったことへの嘆き、
この映画の舞台となった2~30年前(だと思う)のアメリカと同じ変化が、
今、日本でも動機の理解できない暴力、殺人として現れてきているのだろう。
常識的な考えでは通用しない、“自分の論理”で動く人間がいるのだ。