レース後、約25分の審議を経た採決室のホワイトボード。
長い写真判定後、17番、18番が1着同着だったオークスのホワイトボードも印象に残っているが、このホワイトボードも後世に残るだろう。
1馬身3/4差をつけてゴールに飛び込んだブエナビスタはローズキングダムの進路を妨害したとして、まさかの降着。実に後味の悪いレースになってしまった。
ブエナビスタの進路妨害がどうであったか。テレビ画面からだが、残り400mから200mにかけて撮ってみた。
確かにブエナビスタはC・スミヨンの右ムチでどんどん内に寄ってきている。なぜ、まっすぐ走らせても楽勝だったのに内にあんなに寄せていったのか悔やまれてならない。
ローズキングダムの内にエイシンフラッシュがいて、写真ではわかりにくいが前のヴィクトワールピサは外に寄ってきて、不運にもローズキングダムの進路がなくなってしまって、手綱を引っ張ってブレーキをかける状態になってしまった。
一度ブレーキをかけてからローズキングダムは伸びていた。あのローズキングダムの脚がなければ降着にまでならなかったかも知れない。ブエナビスタ陣営からすれば不運としかいいようがない。
とにかくブエナビスタが現役最強馬であり、ダイワスカーレット、ウオッカに並ぶ名牝であることは証明した。しかし、このようなことがあると、今後も運に見放されてしまうことがある。
平成3年の天皇賞秋で圧勝しながら降着になったメジロマックイーンは、その後もGⅠを獲得している。ブエナビスタも今日の不運に負けず活躍し続けてほしい。
レース展開は、外国馬も逃げず、シンゲンが押し出されるように引っ張る展開で前半1000mは60秒7のスローペース。しかし、各馬が牽制し合う中、消耗戦となり、直線は瞬発力勝負というレースでもなかった。
繰り上げで優勝したローズキングダム、3着ヴィクトワールピサ、5着ペルーサの3歳勢は、実力を十分出し切っただろう。世代のレベルの高さも一応証明した。それにしてもペルーサは、またしても出遅れて、上がり33秒5の脚を使って5着。練習ではゲートも上手くいっているのに本番では出遅れてしまう。まるで、今の真央ちゃんのような状況だ。
ナカヤマフェスタの惨敗は本当に残念。高速決着になったわけでもないので、十分勝負になる展開だったのに、直線バッタリ止まってしまった。状態が不十分だったとしかいいようがない。凱旋門賞2着の功績にケチがついてしまった。
8着までは全て日本馬で、外国馬の出番は全くなし。かといって、エリザベス女王杯のスノーフェアリーみたいな馬もいるわけで、なかなか外国馬の能力を見極めるのは難しい。