日本中が感動したWBC
本当に良かった
決勝に残った日本と韓国。
優秀な選手の寄せ集めでなく、WBCのために、勝つために、ペナント前の3月に合わせて鍛錬をし、モチベーションを高めていったのは日本と韓国が他国より抜きんでていた。
アメリカでもベネズエラでもドミニカでもなく、この2ヶ国による決勝になったのは至極当然だったかもしれない。
日本優勝の最大のヒーローは、私は原監督だと思う。
インタビューの語りからも実に謙虚。選手の自主性を重んじ、伸び伸びとやらせていた。
しかし、選手起用、またその前の代表選手選抜においては、大胆で冷静でクールな采配であった。
代表選手は、過去の栄光、実績より、今現在の状態、実力を最優先で選抜していた。松中や和田といった前回実績のある選手を28人枠にも入れなかった。ある意味非情さもあった。
そして、選手起用において最も象徴的なのは、負けたら終わりの決勝ラウンドで、クローザーを藤川でなくダルビッシュに変えた点だろう。今の状態、またメンタル面からも、日本の守護神と誰もが思っている藤川よりダルビッシュの方が上と判断した決断力。アメリカ戦でダルビッシュがクローザーを務めた後、ある解説者は決勝では藤川が最後投げてほしいと言っていたが、原監督は決勝もダルビッシュが抑えと決めていた。藤川のプライドを傷つけたくないという情が入ったら出来なかった采配だった。
WBCとおして活躍したのは、青木、内川、途中離脱したが村田。ピッチャーでは岩隈、杉内。しかし、他の選手も各々不振の試合もあったが、逆に補うヒーローも現れた。そして、決勝ラウンドの2試合がイチローも含め、ほぼ全員がMAXの活躍をしてくれた。
そして、強運を持っているのはイチローと松坂。そして原監督だ。この3人の強運は残念ながら努力だけでは身につかない。生まれながら持っているのだ。勝つには最後は運が必要だ。
ちょっと心配なのは、3月にこれだけ盛り上がって、そして最高の結果を出して、選手が4月からのペナントレースで虚脱感に苛まれないかどうかだ。WBCの勢いそのままにプロ野球もメジャーリーグも盛り上がって、日本が元気になっていけばよいと思う。