本を速く読みたい!――それは忙しい現代人の切実な願いである。しかし、速読は本当に効果があるのか? 10冊の本を闇雲に読むよりも、1冊を丹念に読んだほうが、人生にとってはるかに有益ではないのか? 著者は、情報が氾濫する時代だからこそ、「スロー・リーディング」を提唱する。作家はどのように本を読んでいるのか? 本をどのように読んでほしいのか? 夏目漱石『こころ』や三島由紀夫『金閣寺』から自作の『葬送』まで、古今の名作を題材に、本の活きた知識を体得する実践的な手法の数々を紹介。読者は、教科書で読んだはずの文章であるにもかかわらず、「目から鱗が落ちる」を何度も体験するだろう。スロー・リーディングは、速読と違って特別な訓練はまったく不要。読書は工夫次第で、何倍にも楽しくなる。仕事、受験勉強、就職の面接にも効果があるし、人間関係を良好にすることができる。なにより卓越した創造性を発揮する読み方である。
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私は速読派なのですが、単に知識を習得するには速読でいいと思います。
スロー・リーディングがいいと思うのは、仕事に関する、例えばプロジェクトの事例を読むときです。
プロジェクトは、数ヶ月から、場合によっては1年を超えるものもあります。
速読だと、プロジェクトを開始する経緯やプロジェクトを進めていくときの問題や問題解決、プロジェクトを完了する瞬間などがリアルでなく、「経験(エクスペリエンス)」というレベルに達しません。
自分自身が実際は体験していない他社の事例も含めて、「経験(エクスペリエンス)」することは、私の仕事にはものすごく有益なことだと思っているのですが、スロー・リーディングが役立つものと考えます。