深堀大三郎の生涯マナビスト

自然や街を歩いて観察するのが大好き、歩いて歩いて楽しみたい。
また、お城の石垣を眺めると力が湧いてくる。

「土下座」

2012-04-01 10:52:04 | Weblog
「危機と日本人」山折哲雄は、いろいろなことを勉強させてくれ、また思い出させる。

「土下座」は、激高した相手に対してとった最後のしかも、自然に出た自分の行動だったことを思い出したからである。

約40年の宮仕えの後半部分は、広報、営業関係であった。

お客からのきつい申し入れやお叱りの連続で、その対応に明け暮れる時期もあった。

私は、「直ぐ会って生の話を聞く」と言うことを第一とした。

大体のわけは分かっていても、それを実行すべく飛んでいった。

相手から、「何にも分からないで来るな」とお叱りがあっても、「あなたから直接話を聞きたいのです」と主張した。

直接話を聞いてみると、半分以上は「しぶしぶ」ではあるがその場で解決の方向に向かった。

しかし、中には些細なことでも、聞けば聞くほどお客に「分」があることが分かった。

私は、即座に「土下座」をとっていた。

習ったわけではない。しかし、山折先生の言うとおり、「ざんげと謝罪と懇願」の気持ちでもあったと思う。

いま、福島原発等で見られるような社長さんたちの土下座が話題となっているが、「老獪な計算」「奇手」の不純さを感じる。

「和」を回復させる交渉術として、土下座の心構えを述べられているが、先生も、安易な土下座は良しとしていない。

私の場合、「脅してなんぼ」のお方もいた。そのようなお方には痛い目にあっても土下座はしなかった。

先生も、国際政治では「土下座外交」はいけないといっている。大賛成である。