ベトナムの子どもたちに奨学金を――FUJI教育基金

ベトナム南部・北部の中学・高校生、大学生に奨学金を贈って勉学の支援をしています。

ベトナム北部、チャットビン中学校・先生からの手紙

2011-04-28 | CB(チャット・ビン)中学校

 ベトナム北部、首都ハノイから南に 100kmほど離れたところにあるニンビン省のチャットビン中学校の奨学生たちとともに届いた、先生からの“年賀状”(FUJI教育基金会員の藤村さんが出した年賀状への返信)です。 

                   

15HOANG VAN THONG (ホアン・ヴァン・トン) 先生

 アジア各国での迎春の候に当たり、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。そしてFUJI教育基金のおかげで、チャットビンの地元の人々、また先生や生徒たちが一緒に頑張れたことを感謝いたします。

 私のいちばん下の妹も皆様の奨学生)でした。おかげさまで妹は、地元の高校に進学し、大学を卒業して、現在、銀行で働いております。

 私は学校で、大勢のチャットビンの生徒が、FUJI教育基金の奨学生となり、大きく成長したことを実感いたしました。

 奨学金を受けた妹の兄として、学校の教師として、地元の一人の県民として、皆様の教育支援活動に心からお礼を申し上げます。

 これから先もチャットビンの生徒が皆様の支援を受けられよう、また皆様の活動がよりいっそう発展されますよう期待いたしております。

 

 

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アンザン大学奨学生からの手紙を

 *) トン先生の妹さんがFUJI教育基金の奨学生だったころ、チャットビン中学校を訪れた旅の記録を、以下、再掲します。

 FUJI奨学金授与の旅(2003.10.21~10.28)

 参加者 平田煕、ト・ブー・ルーン、ファン・マン・カー、佐野良子、林勝、小倉くら子、小倉恭二郎(7名)(敬称略)

 [10月21日(火) 成田→ハノイ]

ハノイ到着  16:30成田発VN955便、飛行機は定刻どおり離陸、19:55(ベトナム時間)ハノイのノイ・バイ空港に到着。気温25度と涼しい。 早速、本日のホテル・コンドアンへ、夕食は機内ですませてあったので、明日の旅程を考えて早めの休息。

 [10月22日(水) ハノイ→ニンビン]

ハノイから南東100キロメートルへ   07:55出発 ニンビン省への旅には、メンバーの他にハノイ在住で日越の文化交流に活躍している小松みゆきさん(小松さんは83歳の母親を日本から引き取って、2人で暮らしています)、カーさんの甥御夫婦(ファン・ホァン・キーさんとデイン・グエト・アンさん)が道案内として、奨学金の旅に参加してくれました。

 訪問するチャット・ビン中学校はハノイから南100キロメートルほどのところにある純農村地帯の中学校で、カーさんの故郷でもあります。

 今回の旅は昨年(2002年)に続いて2回目になります。朝、ハノイ市内で文房具を調達したとき、時間をとられるハプニングがありました。いちどに大量の品物を求めたため、店内に在庫がなくて、お店の人が倉庫まで取りにいったため、多少時間をとられ、学校への到着が若干遅れてしまったのです。それは、全校生徒の手に渡る数を揃えるためでありました。

チャット・ビン中学での授与式   式場には中学生が行儀よく一行の到着を待っていました。到着後すぐに式が始まり、最初にチャット・ビン中学校の校長先生ファン・マン・フンさんの挨拶。

 「FUJI奨学金の方々が遠い日本からこのチャット・ビン中学校に援助をしてくださることに感謝しております。願わくばこのFUJI奨学金が1年でも永く続くよう、よろしくお願いします」。

 地区人民委員会、教育委員会幹部、村長などの挨拶が続きます。みな一様に、

「FUJI奨学金が永く続いて、大きく発展するよう願っています」

と話されました。

 続いて第2回奨学金授与式、30名の生徒一人ひとりに奨学金を手渡す。

 生徒代表のキエウさん(PHAM・THI・THANH・KIEU:中学2年)が真剣な眼差しで感謝の言葉を述べ、最後にFUJI奨学金メンバー代表の平田先生が、中学生に向かって、

 「皆さんは21世紀に生きる人間として、可能性を大いに秘めているので、その可能性を伸ばしてください」

と挨拶。全員で写真撮影をして、式を終える。

 式の後、学校側が用意してくれた昼食(女性の先生が作ってくれた家庭料理、全部美味しかった)を校長先生、人民委員会幹部、村の幹部、教職員と奨学金メンバーでいっしょにいただきました。

 食後カーさんの従兄弟の家でお茶をご馳走になり、祖先を祀ってある廟にお線香をあげてチャット・ビン村を後にする


FUJI奨学金授与の旅(2004.09.17(金)~09.24(金)6泊8日機中1泊)

参加者:平田煕、ト・ブー・ルーン、ファン・マン・カー(加藤和範)、小倉恭二郎、滝本健雄、出井富美、森戸規子、松永実姫子(8名)、および小松みゆき、鈴木結(ハノイ在住、チャットビン中学校のみ参加)(敬称略)

 [9月17日(金)成田(VN959)18:10発→ハノイ]

アクシデント発生! でも無事ハノイ到着   VN959便に予定どおり安心して搭乗したものの、飛行機の中が異常に暑い。国際経済の悪化で節減がここまできているのかと思いきや、“空調”故障が原因ということで、搭乗したのに即、降りるはめになる。再度搭乗した時間が20:00。こんどは、飛行機の中にオイルの臭いが異常にする。大丈夫かな? 一瞬思い疑う!(私の性格)。結局2時間20分遅れの20時30分に離陸。機内食は何を食べたか忘れたが、これだけ待たされたので、美味しかったことだけが?印象深い。参加者の約1名がワインの飲みすぎで、スチュワーデスさんの仮眠室で休ませていただき、本人は大変反省をしている様子!

 ベトナムの首都ハノイ、ノイバイ国際空港に到着。政治と文化の中心地、初めてのベトナムでワクワクするが、夜で気分は最高とまではいかなかった!宿泊はアーミー・ホテル、明日からに備えて早く寝よう!

 [9月18日(土)ハノイ(8:00)→ニンビン→ハノイ]

何かが、私の後ろから励まし語りかけてくる   一足先に訪越していた出井さん、そしてハノイ在住13年の日越の文化交流に活躍されている小松さん、ハノイ留学3週間目の鈴木結ちゃん(沖縄の大学生)と合流。8:45分、ニンビン省キムソン県のチャットビン中学校を目指して、一路、国道1号線を南下する。

 専用車から見るハノイ市内に点在する湖や公園など、緑あふれる町並みに、フランス統治時代の面影を残す建物が映える。水、山、緑豊かな自然の中の美しい村々。知らない民族に触れながら今までにない何かが、私の後ろから励まし語りかけてくる。この自然のパワーはどこから発しているのだろうか!

チャット・ビン中学での授与式   カーさんの母校であるチャットビン中学校には3時間半弱で到着。チャットビン村はハノイの南方、93Kmの地に所在する純農村地帯である。小さな村で特に見所はないが、私たちを出迎えてくれた中学生の目がキラキラと輝き、笑顔が美しかったことが印象に残る。

 すぐにFUJI奨学金授与式が始まり、校長先生(ファム・マン・フン)、および生徒代表から、FUJI奨学基金への感謝の気持ちが述べられる。チャットビン中学校の生徒たちの学業に対する真剣さ、熱心さを目の当たりにして、つい“日本の中学生よ、もっとしっかり勉強して”と思ってしまう。

 式典終了後、先生方や生徒のお母さん方が作って下さった心の籠もったたくさんのチャットビンの郷土料理、わざわざホテルから取り寄せて下さった“ぶどう”に、私たち一同、恐縮しながらご馳走になる。何とも感激したのは美味なるアルコール度45度の地酒。口当たりがさっぱりして、食事がますます進みジャンジャン飲んでしまう。このことを後の“仕舞い”と言うのでしょうね! 校長先生がとてもご機嫌で後の“仕舞い”まで飲んでおられた。

 私たちも校長先生の笑顔で和み、美味しい料理に舌鼓を打ちながら、思い出深い先生方と交流を深めた。滝本さんが日本伝統の楽器・尺八を吹奏し、“宴”をますます盛り上げ、最高の昼食会・交流の場となった。

 帰路途次で中学校の近くにお住まいのカーさんの叔母さんをお訪ねする予定だが、猛烈なスコールで降車できず、カーさんだけが訪ねる。帰路の車窓からの風景を見ながら、初めての訪越、チャットビン中学校での生徒、先生方との交流などに思いを巡らしているうち、車は早くもハノイ市内に到着。