ベトナムの子どもたちに奨学金を――FUJI教育基金

ベトナム南部・北部の中学・高校生、大学生に奨学金を贈って勉学の支援をしています。

[ベンチェ特別支援児学校訪問] (2007年10月10日)

2007-12-18 | ベンチェ
 翌10日は朝から移動し、ベンチェ省特別支援児学校を訪問した。
 ベンチェ省は、ホーチミンより南南西70km (車で約2時間余) メコン川河口部の広大な中洲地帯に位置している。ベトナム戦争当時、はじめて民族解放戦線が結成され、戦闘が行われたところで、大量の枯れ葉剤散布に曝された地域でもある。
 1989年、日本の女性養護教員により家庭に放置されていたさまざまな障害をもつ子供たちが見出され、日本に援助の会ができ、学校が建てられた。現在では視力、聴力、肢体不自由等の障害をもつ、小学生から高校生までの子供達たち204人が、共同生活をしながら学校教育を受けている。
 日本からの援助は打ち切られているが、ベンチェ省の予算による障害をもつ子供たちへの普通教育は、ベトナムにおいても進んだものとして高く評価されている。しかしここを卒業した後の子供たちは、自立が難しく、やむなく宝くじ売り等をして生活しているものもいる。
 その実情を憂慮した“ベンチェ貧困患者と障害者を支援する会”の会長で元知事レ・フインさん (Le Huynh=Huynh Van Camさん) の希望を受け、FUJI教育基金では2006年度から、学校卒業生と周辺の障害をもつ生徒への職業トレーニングに対する援助を開始した。

 援助の内容は、刺繍教室を開くための教材、生徒20人分の9ヵ月間の食費、先生の費用である。このトレーニングは、子供たちが将来、自立して生活できるようになることを目的にしている。
 ベンチェ特別支援児学校では、レ・フインさんと前副校長のデイエップさんに迎えられた。昨年会った校長先生は変わられたそうで、会えなかった。刺繍の先生も変わっていた。刺繍教室は、昨年訪問したときは夜で、中高校生も混じって行われていたが、今年は昼で授業中ということもあり、埃の少ない敷地の奥の一室に移り、20名で行われていた。男の子もひとりいた。

 児玉房子さんデザインの憲法九条のポスターを、昨年、教材として試しに作らせ、試作品を日本でまわりに紹介したところ、きれいだと好評を博した。そこで、50枚を注文していたが、その半数以上が出来上がっていた。ほかの作品もとても上手になっていて嬉しかった。一部、サインの位置等の手直しと、ガラスの額をプラスチックの額に換えてもらうよう頼み、先を急ぐ我々はおいとました。(宮本記)


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2 コメント

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刺繍絵について (たけのみつえ)
2012-08-28 12:36:41
初台にあるベトナムカフェにて飾られた「憲法9条」の刺繍絵を拝見し、癒されました。
他の刺繍も見てみたいのですが、ネット上で拝見・購入する方法をご存知でしたら教えてください。
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Re: 刺繍絵について (たけのみつえ) (齋藤)
2012-09-24 22:43:39
たけのみつえ様
 
 コメントをいただきながら、気づきませんで、失礼いたしました。
 お返事は、
 http://blog.goo.ne.jp/fuji-qhb/e/a0625cbe740d32bab27241f1c02a88a4
に書きましたので、ごらんください。
 ありがとうございました。
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