ベトナムの子どもたちに奨学金を――FUJI教育基金

ベトナム南部・北部の中学・高校生、大学生に奨学金を贈って勉学の支援をしています。

映画「沈黙の春を生きて」

2011-08-23 | ドクさん

 FUJI教育基金会員のMさんが、今日、渋谷で坂田雅子監督作品ドキュメンタリー『沈黙の春を生きて』試写会に行ってきました。

 Mさんによれば、坂田雅子監督は、我々に、

 「戦後35年たったいまも、被害はアメリカの帰還兵にも広がっている事を知って、渡米した。
 そこで出合ったのは、自分と同じ帰還兵の夫を持った未亡人や、その子供たちだった。戦争の傷痕は、当時生まれてさえいなかった子供たちに、国境を越えて残っていた。
 未来の世代に再び負の遺産を残さないように、今、私達に何ができるのだろうか。この映画は、その1つの問いかけである。」

と訴えていたそうです。。
 なお、坂田監督の御主人グレッグさんは2003年春、54歳で亡くなりました。
  「原因は肝臓がん。ベトナム戦争時に浴びた枯葉剤が原因ではないか、と友人に指摘され、私は枯葉剤について知り、今のベトナムを自分の眼で確かめたい、と思いました。悲しみを乗り越えるため、何かをせざるを得なかったのです。」(http://cine.co.jp/hana-doko/director.html より)

 また、ゲストとして、この作品に協力したヘザー・A・モリス・パウザーさんが来られました。
 1972年生まれ。ベトナム帰還兵の父を持ち、彼女自身右足の膝から下と左足のつま先、両手の指が何本か欠損しています。、 「お父さんは、38歳のとき枯葉剤の影響で病気を発症、PTSDやアルコール依存症、うつ症状抱え、1998年に50歳の若さでなくなった」との紹介でした。
 インタビューは、マスコミ関係者のみでしたが、何か私も、感じるものがあって感動しました。

 沈黙の春を生きて』は、2011年9月24日(土)~10月21日(金)まで、岩波ホールで上映されます。ぜひ、ご覧ください。

 今秋、大阪(第七藝術劇場、長野(長野ロキシー)でも上映が予定されています。

[ 月~土 ] 11:30/14:00/16:30/18:50 ※1
[ 日 ] 11:30/14:00/(16:30) ※2 

※1…土曜日の18:50は日英字幕併記版の上映
※2…日曜日の16:30は同監督作品『花はどこへいった』の上映 

 公式ホームページでの内容紹介は、

 「1962年にレイチェル・カーソンが著した『沈黙の春』は、当時隆盛を誇った農薬の危険性を予言し、DDTが禁止されるきっかけとなった。

 一方、その頃ベトナムでは、ジャングルにひそむゲリラの隠れ場所をなくすため、米軍による枯葉剤散布がはじまった。枯葉剤は農薬と同じ成分を持つが、人体や自然環境に多大な影響を及ぼす、猛毒のダイオキシンが含まれていた。

 当時のアメリカ政府が「人体に影響がなく、土壌も1年で回復する」と説明していた枯葉剤は400万人のベトナム人に直接散布され、その被害は戦後35年を経たいまも続く。当時ベトナムに駐留していた米軍兵士も枯葉剤を浴び、帰還兵の多くがいまだにその影響に苦しんでいる。被害は彼らの子供や孫の世代にまで及ぶ。

 帰還兵の娘、ヘザーは片足と指が欠損して生まれた。父の戦場であったベトナムを訪ねたヘザーは、両国の被害者が繋がっていくことの大切さに気づく。

 本作は、枯葉剤の刻印を背負ったベトナム・アメリカ、双方の子供たちの困難と勇気を描き、レイチェル・カーソンの予言的言葉に再び耳をかたむけることの大切さを訴える。」