ベトナムの子どもたちに奨学金を――FUJI教育基金

ベトナム南部・北部の中学・高校生、大学生に奨学金を贈って勉学の支援をしています。

ベトナム北部、チャットビン中学校・奨学生からの手紙(3)

2011-04-24 | CB(チャット・ビン)中学校

 ベトナム北部、首都ハノイから南に 100kmほど離れたところにあるニンビン省のチャットビン中学校の奨学生たちから届いた“年賀状”(FUJI教育基金会員の藤村さんが出した年賀状への返信)です。 

 ベトナムの学校制度は5・4・3年制を採っています。ただし、日本と違って、小学1年から高校3年まで一貫して、1年生、2年生、…、12年生と呼称されます。カッコ内に日本式呼称を併記しました。

                  

6NGUYEN THI YEN(グエン・ティ・イエン)女子 7年生(日本の中1に当たる)

2011年2月22日 チャットビンにて。 

 親愛なるFUJI教育基金の皆さま、年賀状をいただき、とても嬉しいです。私もたくさんのことを、皆さまに書きたいです。(中略)

 皆さまはお元気ですか。お仕事も順調でしょうか。私は元気いっぱいです。皆さまの助言を思い出して、いつも勉強を頑張っています。

 今年のお正月を、家族一緒に楽しく迎えました。大晦日の日は、花見をしながら、美味しい料理を楽しみました。お正月を過ぎると、私の年齢が1つ増えるので、一所懸命、両親の手伝いをしながら、勉強も頑張ります。

 私の田舎は、経済的にまだ厳しいですが、皆さまのご支援のおかげで、私の勉強の環境は前より良くなり、今は勉強が楽しく感じられるようになりました。

 これは、私のささやかなお願いです――もし皆さまがずっと私たちのことを支えてくだされば、きっと私たちは自信をもって頑張れると思います。

 最後に、皆さまがいつもお元気でありますように。とても感謝しています。皆さまが大好きです。


7PHAM THI HONG LY(ファム・ティ・ホン・リー)女子 8年生(日本の中2に当たる)

2011年2月20日(日)

 私はいろいろなことを皆さんに書きたいですが、まず皆さんのご健康をお祈りしたいと思います。チャットビン中学校に在学中、皆さんは、私たちのために精神的、物質的に支援してくださいました。ですから私たちは、皆さんや両親、先生方々の期待に応えるため、一所懸命、勉強を頑張ります。

 ベトナムの楽しく幸せなお正月が過ぎました。ベトナム人は誰でもこの伝統的な祝日が好きで、とくに私たち生徒は大好きです。なぜならば、お年玉がもらえるからです。

 お正月のあと学校で、どんなお正月を過ごしたか、みんなでお喋りすることを、たいへん楽しみにしています。例えば、家族と一緒にバインチュン*)を作ったこと、大晦日の夜の花見、あるいは大晦日の漫才でお腹が割れるぐらい笑った話しなどです。小さい子供たちは、桃の木の周りを走ったり、ボール遊びをしたりして、ほんとうに可愛いです。

 ところで、私自身のことを皆さんにお話します。

 私は、6年生のとき、頑張ったけれど、残念ながら奨学金をもらうことができませんでした。7年生のときも、私と友人は同点でしたが、最終選考で友人が選ばれました。しかし、私は希望を失わず、続けてがんばりました。そして今年、私は奨学金をもらうことができたのです。

 いま、小雨が降ってきました。そろそろ書くのを終わりにします。また時間があるときに、現在の私の田舎や学校のいろいろなことを書きます。皆さんが、いつもお元気でありますように願っています。

*)  バインチュン(Banh chung):“バイン”は「もち」を意味し、“チュン”は「蒸す」を意味する。ただし実際の作り方には「蒸す」だけではなく、ゆでたり煮込んだりする方法もある。中国の「粽餅」(ちまき)に似ている。しかしベトナムのバインチュンは中国のものよりかなり大きく、形は正方形で、中身には脂身たっぷりの豚肉や緑豆餡などが入っている。日本の正月用餅と同様、ベトナムの代表的なおせち料理の一つである。


8PHAM VAN HAO(ファム・ヴァン・ハオ)男子 9年生(日本の中3に当たる)

FUJI教育基金の皆さん、こんにちは。(中略)

 私の家族は、両親、兄、姉と私の5人です。私が2年生のとき、父が亡くなりました。母が、私たち兄弟3人を育てています。現在、兄は働いていて、家族を助けています。

 私の夢は、お医者さんになって、人々を助けることです。私は、毎日5時間勉強しています。私は友達と同じように学校へ行き、先生方のお世話になっています。

 皆さんの奨学金のおかげで、私を含めた40人の生徒は励まされて、国レベル、県レベルの優等生の賞を受賞しました。

 最後に、学校の生徒を代表して皆さんに感謝申し上げます。また皆さんが、より多くの生徒たちを助けてくれることを願っています。皆さんのご健康とご成功をお祈りいたします。

(つづく)