ベトナムの子どもたちに奨学金を――FUJI教育基金

ベトナム南部・北部の中学・高校生、大学生に奨学金を贈って勉学の支援をしています。

「FUJI教育基金2012年奨学金授与の旅」の報告-1(滝本)

2012-11-18 | キム・ソンB

10月5日~10月13日、ニン・ビン省のチャット・ビン中学校、キム・ソンB高等学校の学生への奨学金の提供と交流を終えた後、中部のホイアン、フエの名所を見学して、ホーチミンを回って帰国しました。
多くの出会いがありました。また、雨季にもかかわらず、洪水もなく、傘も使わず、汗もかかずに済みました。


10月5日(金)

 ハノイのノイ・バイ国際空港で旅のメンバー16人が合流した。

 空港内で円をベトナムドンに両替したが、レートは1円が約260ドンであった。

 

 

 

 

 

 

 チャーターした大型バスで宿泊先のホテル「ニン・ビン レジェンド」に移動した。


 ホテル内で夕食を摂った後、メンバーが持参した2校へのお土産の仕分けをした。

  

 

10月6日(土)
 朝8:30にホテルを出て、キム・ソンB高校に向かった。
 途中、水田が地平線まで拡がっていた。

                          

キム・ソンB高校の訪問

 校庭でシン校長の出迎えを受けて、会場に案内された。

 学生全員(40人)と先生方が、会場(講堂)に集合していた。
 式典会場の標題には、‘夢に翼’を,という言葉が添えられてあった。

  
 奨学金の授与式は、ホア副校長(女性)の進行で始まった。

1 式典での挨拶(通訳はカーさん)
(a)キム・ソン郡 教育委員長(元キム・ソンB高校長)
  歓迎とお礼の挨拶をいただいた。
  昨年20名の学生が奨学金を受けたが、奨学金の効果は学力の伸びになっているとの話があった。

――今年は、FUJI教育基金から2回目の奨学金をいただくにあたって、学校がスタートしたときに訪問していただき、ありがとうございます。
 私たちが厳しい教育条件のもとに置かれていることを分かって励ましてくださることに、感謝します。
 皆さんからの奨学金を、「金の翼」と名づけています。
 去年、FUJI教育基金を受けた学生たちががんばって勉強し、皆さんの期待にこたえ、キム・ソン県においてだけでなく全国レベルでも、学力レベルがあがったことを報告します。――

(b)FUJI教育基金の挨拶(滝本)

 

  教育基金の紹介、奨学金の原資について説明した。
  奨学金の額そのものは少ないが、勉学の励みになり夢を実現するための翼になれば幸い、と挨拶した。

(c)学生代表(女子学生2名)
  奨学金に対する感謝のあいさつがあり、奨学金は高校を続けられる糧になった。また、精神的な励みにもなっている。
 奨学金を心に刻み、勉学に励み、社会に貢献したい。
 道徳と学業の修得に努める、等の表明があった。

――フオン(Bui Thi Thanh Huong)さん:

 私は去年、20人の奨学生の一人として、奨学金をいただきました。
 私は生活が厳しいなかで、どうやって学校を続けたらよいのか困難を抱えていました。
 そのときFUJI教育基金をいただいたのです。
 奨学金で教科書、学用品、そのほか勉強するために必要なものを買うことができ、勉強を続けることができました。
 皆さんからいただいたお金は、将来を考え、学業に必要なもののために使おうと思っています。
 私たちは、皆さんに約束します:がんばって勉強し、奨学金を役立て、困難な環境にあっても目的を達成します。去年奨学金をいただいた生徒たちは、いただいたお金をつかってがんばり、いい成績を残すことができました。今年、皆さんが学校に来てくださったことは、私たちにとって、すばらしい意義のあることです。
 FUJI教育基金の皆さん、来賓の皆さん、教育委員会の方々、先生方に、次のことを約束します:この奨学金のことをずっと心に刻み、それを励みにして、一生懸命勉強します。すべて社会のために貢献できるように努め、次の世代に皆さんのような精神で接していきたいと思います。――

――フエン(Trinh Thi Thanh Huyen)さん:

  私は、FUJI教育基金から奨学金をいただいたことを喜び、自慢しています。
 皆さんがキム・ソンB校に去年から関心をもち、奨学金を贈ってくださることを感謝します。
 FUJI教育基金は、困難な環境にいる私たちに、単なる物質的援助だけでなく、精神的に応援してくれ、私たちが伸びる道を与えてくれました。
 皆さんの心に対し、私たちは次の世代の教育に、そして社会的に貢献できるように考えています。
 私たちはきちんと勉強し、皆さんの期待を裏切らないように誓います。――

(d)学校紹介(シン校長)

   
  高校の設立は1966年。現在の学生数は1,220人で30クラスである。
  農家の子弟が多い。
  学生の成績はニン・ビン省のトップである。
  (学校の概要は栞にも記載されています。)

――きょうはキム・ソンB高校にとって、いい日です。FUJI教育基金の方々が学校を訪問し、むずかしい勉学条件の生徒たちに奨学金を与えてくれました。
 キム・ソンBは1966年以降、46年間、発展してきました。
 2012-2013年は、先生方・職員を含めて80人、生徒は1,220人、クラスは30(38?)あります。
 成績はニン・ビン省のトップで、全国的にも高いレベルです。
 この学業の成果は、先生方が頑張った成果でもあります。
 キム・ソンBの生徒のほとんどは農家で、村の生徒たちがこの成績を残したのは、先生方の成果です。
 そして、生徒への関心をもってくれた人々のなかに、FUJI教育基金もあります。
 生徒たちに条件を与えてくれたことに感謝し、また、生徒の親を代表して子供たちに機会を与えてくれたことに感謝します。――

(e)卒業生の挨拶(ザンバリー)
 去年、奨学金をいただき、大学に合格できた。FUJI教育基金に感謝するとともに、これからも頑張って社会に貢献できるようにしたい。
 チャット・ビン出身のFUJI教育基金のKhaさんに質問があります。どういう動機で日本に留学し、なぜ、こういう奨学金授与の仕事をしているのですか?

  
 Khaさんのこたえに、感激し、ふたりで抱き合っていました。

(f)奨学金の授与
  式典の最後に奨学金(150万ドン/人)が参加メンバーから40人の学生に手渡された。

 

 

2 教師との意見交換会
  校長、副校長の他、7名が参加した。
  学校側にいくつかの質問があった。

(a)奨学金の対象学生をどのように選んでいるのか?

   成績が基準で、家庭の状況をお互いに知っているので各クラス1名ないし2名を、生徒が選び、
   学校側で成績等を考慮して決めている。

(b)経済的な理由での退学者はいますか?

   そのような理由での退学者はいない。
   先生が親を説得したり、国の助成策の活用等で対応している。

(c)学生の進学率は?

   専門学校、大学等への進学率は75%である。

(d)校長をはじめ先生方が皆さん若いが?

   校長は1979年生まれで、ハノイ大学の化学科卒。
   2008年にキム・ソンB に着任し、2010年1月から校長になった。
   戦争が終わって教師になった第一世代が一斉に退職し、交代で新しい教師になった。
   そのあいだの世代の先生は採用がなかった。
   キム・ソンBの先生の平均年齢は28歳。
   若いので、生徒との距離も近く、新しい知識をもっている、馬力もある。
   将来的にはしばらく教師の採用枠がなく、教師の若返りが当分なくなる等の弊害を心配している。

3 先生達との会食

  先生方と昼食を共にした。

   
  店は大衆食堂のような感じで、自家製の焼酎、地元のおいしい米(かおり米)をいただいた。

   

   
  若者達の職業を尋ねたところ、農業が多い。
  また、韓国や日本に働きに出るも者もいるとのことであった。