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大腸内発酵による水素生成で生活習慣病予防の可能性

2013年01月19日 | ニュース

食品と開発 2013年1月号(UBMメディア株式会社)
【特集2】食物繊維再考

ルミナコイドに関する現在の状況と今後の研究
日本食物繊維学会理事長、長崎県立大学名誉教授 奥 恒行(おく つねゆき)

ルミナコイドとは、「ヒトの小腸内で消化・吸収されにくく、消化管を介して健康の維持に役立つ生理作用を発現する食物成分」をいう。ルミナコイドは、腸内フローラ(細菌叢)の有用菌のエサとなるプレバイオティクスも含まれる。具体的には難消化性オリゴ糖、糖アルコールや水溶性食物繊維などがこれに該当する。

ヒトが難消化性オリゴ糖や糖アルコールを摂取すると、腸内細菌に資化されて水素ガスが産生され、呼気へ排出される。腸内細菌によって大腸で産生された水素ガスは速やかに吸収されて血液循環に乗り、肺臓から呼気へ排出される。すなわち、難消化性オリゴ糖を摂取すると血流に一定濃度の水素ガスが存在し、各組織に運ばれている。この腸内細菌が産生する水素ガス濃度と酸化ストレス軽減との関係を明らかにすることによって難消化性糖質を疾病の予防・回復に活用する道が開けるのではないかと考えている。ルミナコイド研究の新しい取り組みになるものと期待している。

 

大腸発生水素による酸化ストレス軽減と生活習慣病予防の可能性
名寄市立大学 保健福祉学部栄養学科・教授 西村直道

 食物繊維は、コレステロール正常化作用(低下作用)、血糖値上昇抑制作用、便通改善作用、大腸がん発症抑制作用などさまざまな生理作用を有することが報告され、現在でもこれらの作用に関連する研究ならびに開発が行われている。

 食物繊維をはじめとする難消化性糖質は、大腸内発酵による水素生成を促し、その水素は呼気および放屁に排泄されることが知られている。我々は、この水素も同じように生体内で抗酸化作用を発揮する可能性をひらめいた。

 大腸で生成した水素でこれらの酸化ストレスを軽減できれば、さまざまな生活習慣病予防につながることが期待される。そのためには生体内のさまざまな組織に安定的に持続して水素を供給することが重要である。

 生体内への水素の直接的な供給方法として、水素ガスの吸入や水素水の飲水がある。しかし、日常生活で水素ガスの吸入は、病院などで大掛かりな設備が必要である。また水素水は、飲める量に限界もある。水素の水への溶解度はとても低い(0.8mmol/L)ため、生体内に高濃度の水素を長時間にわたって供給できない。さらに、摂取後に水素血中濃度がピークを迎え、元に戻るまでの時間も30分程度しかない。この点において、大腸内発酵による水素の供給は、たとえ睡眠時に食事を摂っていなくとも生体内に24時間水素を供給できるはずである。

 大腸内発酵によって水素が生成され、何ら生体に影響をもたらさない分子として考えられていたが、我々の研究によってその抗酸化作用が明らかになった。まさしく、これは食物繊維の新機能と言える。最近の我々の研究で、大腸で生じた水素が腹腔に拡散し、とりわけ脂肪組織に局在していることも見出した。これは、肥満時の脂肪組織における酸化ストレスも軽減できる可能性を示している。こういった酸化ストレスを大腸生成水素によって制御できれば、食物繊維が新たな局面で生活習慣病予防に大きく寄与すると思われる。この機能を踏まえ、食物繊維の可能性をさらに探究していく価値は多いにあると考える。

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