蛇にピアス

今日は、新しく仕事をお願いする、
ある講師の方と、
渋谷の東急インのレストランで、
昼食を取りながら、打ち合わせ。

今後の可能性が、グーンっと広がる、
有意義な打ち合わせでした。

その後、研修室使用日変更の手続きに、
新宿文化センターへ行くことにしていたのですが、
たまたま、ちょうど、東急インの前から、
最寄の、日清食品前を通る、
池袋行きのバスが出ていました。
ラッキー。

手続きを終え、家に帰る途中、
新百合ヶ丘の駅の本屋で、
何年か前に芥川賞を受賞した、
「蛇とピアス」に、何気に手を伸ばし、
始めのページを、なんとなく読み始めました。

で、結局、
そのまま、最後まで。。。

４、５０分かなぁ。
小説を立ち読みで読み終えるというのは、
実は、私にはあまりないことです。
さすが、芥川賞受賞作、といえば、
それまでですが、
他の受賞作でも、
私には、あまりこんなことはないでしょう。

この作品が好きか、と聞かれれば、
なんとも返答に困りますが、
あまり知らない世界だからか、
私には珍しく、
ストーリー、登場人物に、
不自然さをまったく感じず、
客観的に、批評的に、
読んでいる自分を意識することはなく、
作品全てをリアルに感じて、
没頭して、最後まで読んでしまいました。

主人公も、彼氏みたいな同居人も、
世間的には、白い目で見られるくらいに
外れちゃってるんだけど、
生活のために、とりあえず、
それなりに、社会に適応しながら、
生活を続けてて、
何かが欠けると、壊れてしまいそうな、
臆病で不安定な心を抱きながら、
自分にとって大切な、
肉体的なリアリティを大切にして、
瞬間ごとの、外的刺激、変化に反応せずにいられず、
その上での、一つ一つの反応、行動の結果が、
思いもせず、でも止まることなく、
とても悲しい方向に流れていってしまうのが、
私には、なんともやり切れず、
個々の登場人物（特に主人公と、その同居人）の、
人となりが、上っ面ではなく、
立体的に立ち上ってくる感じがしました。

取りとめもなく、感想を書きましたが、
なにしろ、読み終えた後は、
どっと、疲労感。。。
村上龍が、あとがきで書いていたように、
２点、確かにあいまいなままではありますが、
そんな事は、読み終えた時の私には、
何も問題ではなくて、
むしろ、ただ、そこで、
終わるべくして終わった、
という感じで読み終えました。

クセのある作品ですが、
読んでよかった。。。

ホント、とりとめなくて、スミマセン。。。

今日のところは、この辺で。