ポッカリ晴れた土曜日。
きのうまでの雨がすっかり上がって、路面さえ乾きだしていた。
先月初めにひどい風邪を引いてからというもの、
寄る年波のせいか具合が悪くてしょうがない。
風邪の後にすぐ、頸椎が変形して起こる頸椎症で首にギブスをはめられ一か月。
ずいぶん良くなったと思ったら、今度は持病のアキレス腱炎がでた。
やれやれ、どうやらボクは老いるのが早いのかねー?
銀ジィ(R100RS)もそうだけど、
今度仲間に加わったダブル(W800)も車重が200キロくらい。
老いた身にはこんくらいが手の内に収まるサイズだよ。
せっかくだから新東名にものってみようと、
ジジィは山奥の温泉詣でに出掛けることにした。
〇
三ケ日ジャンクションから連絡路に乗ってすぐに、
ずどーんとストレートに山を突き破って道路は伸びる。
進路と高度を一定に保ち、この新しい道路は自慢げに横たわる。
出口の案内標識が「2.3キロ」「1.3キロ」と出るのは設計速度が高いからなのかな?
ほんとにどこまでも一直線で、運転手はやることがないね。
ダブルはというと、こいつ意外に高速は得意で、
バーチカルツインというと古臭くて鈍い印象を持ってしまうけど、
ビッグツインは伊達じゃあない。
5速3500rpmからスロットルを「クイッ」と捻るだけで40km/hくらい軽く速度をあげる。
3000rpmくらいの振動は硬質で不快だけれど、
流す時に使う回転域はギアを選べばどこも快適だ。
いやみではなく、新東名は便利だね。
でも走るおもしろさは「まったく」ないな。
ただ、静岡の山側へアクセスするには本当に使える。
今日は「浜松浜北」で下りたんだけど、そこは「天竜」。
国道152号線から遠山方面へ向かうにはこの天竜をまず目指すのだけれど、
ここへ来るまでにげっそりするほど時間がかかる。
なんと新東名を使うと1時間弱で着いちゃうのだよ!
あとこの先の「島田金谷」や「新清水」なんかも良い位置にインターがあるねー。
〇
国道152号線を北上する。
市内の桜はすでに葉が茂って、山の緑の芽吹きが進んでいた。
ボクはどちらかというと、山が萌木色に染まる今頃の方が紅葉のころより好きだ。
けれど、少し山奥へ入るとまだまだ桜が満開で、それはそれは美しい。
湖のような天竜川の流れを楽しみながら、ちょっと冷たい空気を切る。
対岸を眺めていたら、山の上の方にすごくキレイな桜が一本。
ソバまで行ってみたかったけど、
どうやって道が繋がっているのか、よく分からなくて断念。
水窪の街を過ぎて、いよいよ道も険しくなると、ふいに草木トンネル。
最近では道路の規格が下げられて歩行者も通れるらしいけど、
以前は原付で来ると(おいおい原付かよ)山王峡のほうまで林道を迂回させられていた。
トンネルを抜けると国道はなくなって(中断)兵越林道に入る。
国盗り綱引きで有名な兵越峠。
いつも同じアングルの写真になるなー・・・・・・
この先は長野県になるけど、長野県側は谷が深くて急激に高度を下げるため
勾配もきつくて、カーブも深い。
路肩が危険なところも多くて、やや気をつかう。
というか気をつかって運転した方が良い。
追いついているのに譲る気ゼロの四つ輪にうんざりしながら、
それでも、まあいいさ、急ぐわけでもないし、と自分をなだめつつ
谷底の遠山郷に向かった。
目的地はここの「かぐらの湯」
山奥も山奥なので空いていることが多い。(もちろん日によっては芋洗い状態)
〇
のんびりと湯につかって、飲んで喰って、昼寝をかまして過ごす。
さあて、そろそろ帰るベーと立ち上がると足が痛い。
見るとちょっと腫れている。
どうやら足のキズがまだしっかり治っていなかったみたいで
炎症がぶり返しちまったようだ。
右足なのでリアブレーキを踏むが、それがちょっとツラい位の痛みだ。
花びらが雪のように積もる堤防。
山里にも春がやってきた。
〇
なんとか家に戻ってきた。
足もそれ以上には痛みもひどくならず小康状態。
ダブル(W800)のオドメーターが1200kmを越えたので、初回点検を自分でする。
ワイヤー類とチェーンの初期伸びをチェックして調整。
アクスルやサスのナットの締め付けをチェック。
タイヤの空気圧チェック。
そしてメインはオイルとフィルターの交換。
オイルはカワサキ純正の「R4」10W-40
フィルターとドレンボルトワッシャーはWebikeで買った。
ダブルのドレンは斜め前を向いている。
フィルターは前方に飛び出していてカバーがかぶっている。
400キロ走ってきてアッツアツのオイルをドシャーっと排出。
さすがに1000キロくらいではまだキレイだ。
メッキのきれいなカバーを外して、65mmのフィルターレンチでフィルターを外す。
金属ではないけど組みつけの時のカスが結構出てきた。
オイルは説明書の規定値が2.8リットルだったので、その通りにしてみたけど
レベルゲージがちっとも上がってこない。
アツアツで抜いたから想定以上に出たのかな?
オイルの総量は3.2リットル。
ゲージを見ながらもう200cc入った。
〇
W800って、大型初心者とかリターンライダーとか
のんびり走る人向けみたいなイメージだけど、
エンジンフィーリングや操作感はとても奥行きが深くて味わいがある。
W800とか650の人のブログを見ると「草食系」が多いけど、
じつはW800は硬派なオートバイだと思う。
W800はコーナーで頑固だと云われることがあるけど、
セルフステアーを意識しながらわずかにイン側へ補舵すると
旋回性を上げることができるのだ。
限界が低いがゆえに、工夫する余地があるともいえる。
まあたしかに下りコーナーでギャップに突っ込むと
それだけで今では有り得ないような挙動が出るけれど・・・・・。
それにくらべてR100RSのスキのなさはやはり驚きに値する。
30年以上前にここに到達していたヨーロッパのメーカーが
なぜ日本製の直線番長に駆逐されたのか。
付き合ってみなければ、「女」も「オートバイ」も本当のとこは
分からないってことなんでしょうか?