ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

キンメはどこへいったやら

2006年10月29日 | R1150RT (2001) あお号

ボクの住み処から伊豆は遠い。往復で600キロはある。

美しい海岸線や、ロケーションの良い温泉、美味い魚や、楽しそうな県道がたーくさんあるけど、あんまりのんびりとまわったことがない。

今回の目的は3つ。

  1. スタンプラリーのスタンプゲット
  2. 金目鯛
  3. 猪最中

相棒はまたまた、最近オイルの消費が多くてちょっと心配な「あお号(R1150RT)」。

最近、朝はめっきり冷えるので、ついに今年初めての冬ジャケット。朝の東名を快調に飛ばす。天気は上々のはずだったけど、日本坂トンネルをくぐって出たら、空は一面の雲に覆われた。楽しみにしてた富士山はまったくダメ。

沼津で下りて、箱根峠へ向かった。松並木の坂道でトラックたちを振りきると、あとは気持ち良いワインディングでグイグイ高度を上げる。

峠は薄っすら霧が立ち込めていてサブサブ。前にもその前にもここに来た時は何時も霧の中だった。

十国峠まで狭い県道20号線を真っ赤なビモータとつるんで流す。ようやく霧が晴れ、日が差し出す。眼下に三島や沼津の町は良く見えるのにかんじんの富士山だけはこれっぽっちも見えない。(なんだよぉー)

2006_1028_01

伊豆スカイラインに入ってややペースを上げる。ここは本当に気持ちの良いコーナーが続いて、攻めた走りが出来るが、あんまり無理はしないように気を付けましょうね。6月にクロ号で来たときも攻めちゃいましたけど、今回はほどほどにしておく。

終点まで行って県道111号で伊豆高原に向かう。下りのヘアピンで高度を下げていくと、特徴的な山容の「大室山」に行く手を阻まれる。道は山をグルリと迂回して国道へつながる。

2006_1028_02

車列に混じって国道135号を南下する。赤沢辺りから海の向こうにポッカリ伊豆大島が良く見えた。北川温泉ではにわかに雨。変化に富んだルートは天候も変化に富んでいた。

車が多くて流れが悪いけど、この国道135号線はとても楽しいルートだ。河津から下田までが特に美しいが、海と崖に挟まれた幾つもの小さな町を超えてズンズン進んで行く。そのこと自体がとてもおもしろい。

やっとの思いで弓ヶ浜に到着。

浜へ行かずに真っ先に「青木さざえ店」へ向かう。春に来た時食いそびれた「金目鯛の煮付け」を食べに来たのだ。

だが!!売り切れ!そんなぁ。 おーい、キンメやーい・・・

でもって仕方なく選んだ「伊勢えび天丼」1,680円也を食す。美味。

2006_1028_03

食後、昼下がりの弓ヶ浜をプラプラと歩く。逆行に海面がキラキラと反射していた。弓ヶ浜とは良く云ったもので、すごい弓なりの浜。ボクここ大好きです。あんまり気持ち良いんで1時間くらいダラけてしまったよ。

2006_1028_04

国道135号に戻って、マーガレットラインを味わう。子浦の先のワインディングが白眉。ここ、たーのしー。

松崎から県道15号に入って、道の駅「花の三聖苑伊豆松崎」でスタンプゲット!これで8ヶ所全部終了。

国道414号へ抜けて、ループ橋とトンネルで天城を越える。途中、月ヶ瀬で「小戸橋製菓」によって「猪最中とうりんぼう」を購入。(また写真がないよ、食べちゃったからね)

沼津に近付くとそろそろ夕方のラッシュ。うろ覚えの抜け道に入って大誤算。迷子になって半泣き。やっと出たインターへの取り付け道路も大渋滞。この道インター直前でなぜか1車線に減少するんだよ。渋滞するに決まってる。ま、オートバイだからねー、すみっこトロトロ行ったからボクはいいけどね。

すでに暗くなった東名をぶっとばして帰ったとさ。

あァ、本当伊豆へはのんびり行けないんだなァ。

本日の走行      あお号(R1150RT)

44,065-44,727キロ   662キロ


明日は伊豆

2006年10月25日 | 日記・エッセイ・コラム

明日は伊豆へ行って来ようと思う。

百閒先生とは違って、行くには目的がややある。

なんとなく(けれどもどっぷり)ハマっているスタンプラリー(BMWモトラッド中部ディーラー主催)のスタンプ集めだ。

しかも最後の1個。

このスタンプラリー全部で8ヶ所なんだけど、中部ほぼ全域にちらばっていて、ちょっと過酷(たのしい、と読む)。

北は「白馬」、「神岡」(ぜんぜん筋が違う場所)、西は「紀伊長島」、そして東が明日行く「伊豆松崎」だ。

このラリーのために7月からもうすでに2,600キロ走ってる。明日も500キロはあるから最終的に3,000キロ越えるねー。

明日は天気良さそうなので、途中で富士山も見えるかな。

箱根峠から伊豆スカイラインを南下して、弓ヶ浜まで行って来よう。


旅するDNA

2006年10月23日 | 日記・エッセイ・コラム

前に旅するようにプログラムされたDNAを持っている・・・云々、と云う話をここに書いたが、今日、本屋で「松浦武四郎」の名を目にして、またそのことに思いが巡った。

ボクの親父は三重県松阪市(旧一志郡嬉野町)の生まれだ。

松浦武四郎とは、根っからの旅人、いや今で云う冒険家か探検家で、なんと松阪の出身だ。北海道の命名者として知られている。

小学校の時、課題図書になっていた「白い大地」で、ボクは彼の名と彼の偉業を知り、子供ながらにいたく感動した。

親父の実家は、近鉄伊勢中川駅に程近い「黒田」と云うところの出身だが、そこから数キロのところに武四郎の生家が今も有り、記念館も近くに出来ている。そのことはつい最近知った、まだ訪ねていない。

三重県には他にも超有名人の「松尾芭蕉」という偉大な旅人がいる。

旅とは無縁だが、国学者の本居宣長も松阪の人だ。古事記伝が有名だが、「もののあわれ」という感覚を評価したのもこの人がはじめだと思う。

何が云いたいか。

三重は旅人の血が濃い。ボクの中にはこの三重県の血が流れているのだー。って大袈裟だね。

生産には何も役立たないこんな能力、ひとに自慢できないけど、ボクは好きだなこういうの。この人たちと同じ血が流れているならホントうれしい、ワクワクする。

もちろん、彼等の功績は「ムダ」なんてことはまったくなくて、そのことは時が証明している。

ブラブラそこら中ほっつき歩いてるボクの足跡はいったい何の役に立つのか、いやいや、立たないでしょ。

あー、何か役に立てば良いのにねー。

2006_1023_01


驚きなのは権兵衛さんかも

2006年10月20日 | R1150RT (2001) あお号

去年と今年ではまるっと状況が変わってしまった権兵衛街道。

かつては知る人ぞ知る(峠へ通じるルートの取り付け部が実際わかりづらかった)峠越えの絶景と苦痛のルートだったけど、今年の春に「悲願」のトンネルが全通して、ひと味もふた味も違ったダイナミックルートに生まれ変わった。

開通したての頃、クルマで奈良井まで来たときに走った。驚くほどに良い道なんだけど・・・、なんだね、どうせ作るんならってことなんだろうけど、あんなに立派にしなくても十分役に立つものは作れるんでないかい?ってくらいすごい。効率とか考えると、あれがベストだったんだと信じたいもんですな。

まぁ、それはさておき、またまた今日も木曽路を走ってまーす。相棒はあお号(R1150RT)。国道19号はいつ走っても気分よいですが、今日は工事規制が多いです。長いんでエンジン切って待ちます。

2006_1020_01

倉本の駅を過ぎた辺りでNHKで放送中の「街道てくてく旅 中山道完全踏破編」の勅使川原郁恵さん一行を追い越した。走りながら手を振って応援したけどわかったかな?

木曽福島の「くるま屋本店」で蕎麦。(美味)

そして、いよいよ権兵衛街道。薮原の手前で国道19号と分かれ、どんどん山に入る。しばらくは川沿いに進むが、迫る山肌を前に道はクルリクルリとチョウチョ結びのようにループしていっきに高度を稼ぎ、やがて大きく口を開いた「姥神トンネル」に呑み込まれていく。

伊那谷に出るまで3本のトンネルがあるが、そのどれもがそれなりの長さがある。中はどれもひんやりとして冷たい。

トンネルを抜けるとそこはもう晩秋。真っ青な空に色付いた山が美しく映える。

2006_1020_02

2006_1020_03

2つ目は「番所トンネル」。これを抜けると今度はカラマツの山々。すでに黄変し、逆行に光って美しい。

そして、「権兵衛トンネル」。4470mといちばん長い。ほぼ一直線、少し下っている。

2006_1020_04

旧道も味わいがあって良いかもしれないけど、あまりおすすめではない。峠からの伊那谷の眺めは確かに良い。でも、道がこれでもかってくらいクネクネクネクネですよ。

長いトンネルをズバっと抜けると伊那谷。高速コーナーと真直ぐな道で下界へ戻ります。むかしこのルートを荷馬車が通れるようにと、整備に力を注いだ権兵衛さんが見たら驚くだろうね、きっと。夢は受け継がれたんだね。

伊那谷もこの辺りはややなだらか(といっても山々のピークは2,000m級)で、天竜川を挟んで広々とした景色が視界いっぱいに広がる。ボクはこの伊那谷の風情がとても好きだ。(とくに山々の頂に雪がのっている頃が良い。)

リンゴの収穫が盛んなこの頃、道端にはリンゴを売る即売所がいくつも立ち並んでいたよ。

本日の走行  R1150RT(あお号)

43,674-44,045キロ (371キロ)


オートバイの季節

2006年10月17日 | 日記・エッセイ・コラム

オートバイで気持ち良く走れる季節は本当に短い。

夏の焦げるような日差しをなつかしみながら、秋の少しひんやりとした空気に身体をさらしていると、この先に待つ厳しい寒さを予感させる。

こんな良い時期に、こいつら(あお号、クロ号)とたくさん走っておかなくては、と改めて思う。

冬はその気温の低さからくる「寒さ」そのものより、雪や氷によって走れる場所が物理的に狭められることが問題。

積雪や凍結をものともしない北国のライダーもいるようだけど、やっぱり、あぶなくなくない?(笑)

実際の「寒さ」の方はいまの世の中なんとでもなる。

「暑い」に対処するにはいまのところ、メッシュジャケットなどウェアのメッシュしかないが、「寒い」に対してはキリなくある。金さえ出せば冬はかえって快適かも。

最新の技術による化繊で出来たウェアは着膨れ知らず。動きやすいのに防寒性能はメッポウ高い。インスタントカイロは云うに及ばず、電気を使ったグリップヒーター、電熱シート、電熱ベスト・・・。いや、ほんとうに人間の知恵には頭が下がるばかり。

こうなると生来の天邪鬼が黙ってない。

若いころを思い出してもらいたい。

何も持ってなかったけどオートバイだけがいつもそばにあったあの頃。信号待ちでかじかんだ手をシリンダーヘッドにかざして暖を取ったあの頃。寒いことが乗らないことの理由になるなんてあり得なかった。

今でも冬の冷たい空気を切り裂いて走るのは、それ程イヤじゃないとボクは思う。

ただそんなこと云ってる自分と、さっきまでWIDDERのHPを見てたこのおっさんがとても同一人物とは思えないのは、ぼくだけではないかも・・・。

それはさておき、秋はどんどん深まっている様子。

先日、御岳ロープーウェイで7合目までいってきたけど、ナナカマドが真っ赤に色付いてとてもきれいだった。

紅葉はいま2000m辺りまでおりてきているようです。

2006_1017_01


秋の三河路

2006年10月12日 | R100RS モノサス (1992) くろ号

東名集中工事のこの時期は、東名が使えないばかりか、迂回する車で下の道も混雑する。

考えることはみんな一緒で、豊田まで行って東海環状道に乗ろうって算段だ。

国道248号線は大混雑。豊田東インターまで行く気も失せて、なんとなく県道39号線(岡崎足助線)に曲がる。

松平を抜けて、交通量も減ったころ、さてどこまで行こうかな、なんて考えるがなかなか思いつかない。気分が乗ってないのだ。

それにしてもこの県道39号線、通称足助街道、オートバイに乗るようになってからいったい何度ここを走っただろう。100回や200回ではない。20年以上前からほとんど変わってない。いや、そんなこともないか。でも、ほんのちょっとした変化でしかない。ということはむかしから良く整備されていた街道だとも云える。

足助まで来て国道420号線の分岐を前にして、行ってみようかどうしようか、迷う。ちょうど対向車が途切れた。行けってことでしょ。

2006_1012_02

紅葉の名所、香嵐渓もまだまだ色付きはない。

適度にワインディングする国道420号線を3速ホールドで流す。エンジン回転が3,500~4,000rpm。ボクサーツインのブーンという独特の唸りを発しながらひとつひとつ丁寧にコーナーをクリアしていく。

2006_1012_03

ふと路傍に目をやると、かわいい野菊がひなたに咲きそろっていた。夕べ遅くまで降っていた弱い雨にしっとりと濡れて、水滴がきらきらと太陽を反射した。

日当たりの良いところではすでに色付き始めた木もある。

2006_1012_04

阿蔵(あぞう)で国道473号線へ折れる。

入ってすぐの保殿辺りの渓流は毎年紅葉が美しい。苔むした岩の渓流と真っ赤な紅葉のコントラストがとてもすばらしい。

まだ1ヶ月くらい早いがすでに色付きの始まった木々もある様子。

2006_1012_05

2006_1012_06

2006_1012_07

三河は秋がいちばん良い。これから1ヶ月どこを走っても楽しい季節。どこに行ったわけじゃあないけど、今日はとてもこころ満たされたな。

2006_1012_08

2006_1012_09

(写真多すぎ? 重かったでしょうか?)