ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

21時には布団に入る金曜日

2012年04月30日 | BMW以外のオートバイたち

明日の休みが「晴れ」とわかれば、

金曜の夜は9時(21時)には布団に入るのは、このおっさんです。

そうして早朝6時には機上の人となる。

乗りたかないけど、連休初日の高速に乗る。

そしたら混雑はそれほどでもなく、でもやっぱ反対の下り車線はすんげぇ渋滞してた。

最初のうちは、いい子にして、のんびり走ってたけど、

若者たちが乗るオートバイがファミリーカーに抜きまくられてるのを見てるうちに

どうにも我慢できなくなって、伝家の宝刀を抜きまくる。

「あ、わかった、てめェらひょっとすると草食系だな?」

寅さんならそう云ったに違いない。

警察庁に進言しときますけど、みんな設計速度どおり140km/hで走ってますよ。

けれど正直云うとダブル(W800)で高速は面白くない。

それにしても遠州エリアの新東名ってすごい山の中を通しているな。

山深い遠州の深部へアプローチするには本当に便利だけど、

でも本来の役割である物流ではどうなんだろうね。

あんだけクルマ走ってたけど、新静岡ICで下りたのはボクだけだったよ。

            〇

ここまで来てもまだ行先もルートもはっきり決まってない。

県道27号線(井川湖御幸線)で安倍川に沿って北上。

天気が良くて、空が澄み渡っているので

梅ヶ島から安倍峠を越えていけば

今日なら素晴らしい富士の眺望が望めるかもしれない、と思いつき、

県道27号との分岐を曲がらずに、そのまま北上する。

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こっちは県道29号線(梅ヶ島温泉昭和線)

安倍川に沿って、大きく回り道しながら県道は進む。

この前ここを走ったのはいつだろうと考えていて、あのときXR250だったから

もう10年も前だったと気付いた。

多分あんまりその頃と変わってないんだろうけど、山深いいいところだ。

木々の芽吹きが始まって、広葉樹の部分だけが萌木色に染まる。

ひと口に萌木色と云っても、その色は様々で見飽きない。

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南向きの斜面ならどこだってお茶畑をひらくんだろうな。

そろそろ「八十八夜」

新芽が吹いて準備万端の茶畑。

それにしても今日はいい天気だ。

気温もぐんぐん上がってきている。

安倍川が深い谷を削るころ、道もその最深部に近付く。

若い緑の木々の間に、山桜が咲き乱れる。

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終点の梅ヶ島温泉から先は安倍峠を越えて富士川に抜ける梅ヶ島林道。

が!何となく予想してたとおり「通行止め」!

一応5月31日までとなっていたけど、どうなんでしょう。

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仕方なく、県道27号の分岐まで戻ることに。

まあ山桜がきれいで、ルートも楽しいからいいんだけどね。

走りながら、その後のルートを考える。

県道27号線で井川方面へ向かって、雨畑林道から井川湖の奥へ出るか?

でも、林道大丈夫か?

いやいや、ダメなら戻れば済む。

「玉機橋」を渡って県道27号線に戻る。

井川に出るには道なりの県道189号線(三ッ峰落合線)で

笠張峠を経由する方が気持ち良いルートだけど、こっちも災害復旧で通行止め。

ワクワクの県道27号で大日峠を目指す。

それにしてもこの県道はヤバいね。

こっちの方が通行止めの可能性がメチャ高そうなのに行けちゃうんだから。

ダンプカーはバンバン来るし、道幅はダンプの幅とピッタリなとこばっかだし、

あー途中に有名な「口坂本温泉」があるね。

楽しくて仕方ないんだけど、緊張感も必要なので

グッと笑いを堪えながら登り詰める。

大日峠。桜が満開。

そのまま、真っ直ぐ勘行峰林道へ進む。

眼下には碧の井川湖。

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そして南アルプスの山並みがすぐそこに。

光岳、かな?ダイナミックな岩肌に残雪が張り付いていた。

けれど、また出た!「通行止め」!

途中までは行かれるらしいけど、その先の雨畑林道が「冬季通行止め」

仕方なく、今日二回目のUターン。(静岡県の林道情報はこちらで確認できました。)

            〇

大日峠へ戻って、井川湖へ下りる。

どうしてここの水はこんなにきれいな碧色をしてるんだろうねー。

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畑薙ダムまで行こうかとも思ったけど、まだ足が治ってないので

無理せずにここら辺りをキリにして、戻ることにする。

大井川の渓谷は深い。

蛇行というか、山を回り込むようにウネリまくる川筋。

大井川鉄道の線路が景観に彩りを添える。

それにしても大井川鉄道。

さっきまで谷底に見えたかと思うと、すぐ脇を走っていたりするから驚くね。

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巨大な重力式の長島ダム。

川の水量を維持するための放流だけど、すごい迫力。

放流部に長い橋が架かっていて、その様子をすぐそばで見られる。

橋は両端で支えられているだけなので、かなり揺れる。

それに放流の勢いがスゴすぎて恐怖さえ感じる。

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びしょびしょになるよ、でも虹がキレイ。

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本川根で国道362号線に入る。

中川根まで出てから、そのまま国道で天竜へ向かう。

厳しい山越えのルートだけど、景色のいいところが多い。

「天空の茶畑」なんて看板が出てたけど、前からあったっけ?

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確かに見渡す限りのお茶畑だ。

そしてこのあと今日三回目の「通行止め」に!

天竜まで出てガソリン入れればいいか、なんて思ってたのに

すごい山越えの林道と県道をぐるぐる迂回させられて、ちょっとあせったけど、

やっとの思いで春野の町に出た。

でも、おもしろいルートだったから、いいっか。

いやー、やっぱ通行止め、悪くないな。


「老いる」を「オイル」と変換する

2012年04月24日 | BMW以外のオートバイたち

ポッカリ晴れた土曜日。

きのうまでの雨がすっかり上がって、路面さえ乾きだしていた。

先月初めにひどい風邪を引いてからというもの、

寄る年波のせいか具合が悪くてしょうがない。

風邪の後にすぐ、頸椎が変形して起こる頸椎症で首にギブスをはめられ一か月。

ずいぶん良くなったと思ったら、今度は持病のアキレス腱炎がでた。

やれやれ、どうやらボクは老いるのが早いのかねー?

銀ジィ(R100RS)もそうだけど、

今度仲間に加わったダブル(W800)も車重が200キロくらい。

老いた身にはこんくらいが手の内に収まるサイズだよ。

せっかくだから新東名にものってみようと、

ジジィは山奥の温泉詣でに出掛けることにした。

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三ケ日ジャンクションから連絡路に乗ってすぐに、

ずどーんとストレートに山を突き破って道路は伸びる。

進路と高度を一定に保ち、この新しい道路は自慢げに横たわる。

出口の案内標識が「2.3キロ」「1.3キロ」と出るのは設計速度が高いからなのかな?

ほんとにどこまでも一直線で、運転手はやることがないね。

ダブルはというと、こいつ意外に高速は得意で、

バーチカルツインというと古臭くて鈍い印象を持ってしまうけど、

ビッグツインは伊達じゃあない。

5速3500rpmからスロットルを「クイッ」と捻るだけで40km/hくらい軽く速度をあげる。

3000rpmくらいの振動は硬質で不快だけれど、

流す時に使う回転域はギアを選べばどこも快適だ。

いやみではなく、新東名は便利だね。

でも走るおもしろさは「まったく」ないな。

ただ、静岡の山側へアクセスするには本当に使える。

今日は「浜松浜北」で下りたんだけど、そこは「天竜」。

国道152号線から遠山方面へ向かうにはこの天竜をまず目指すのだけれど、

ここへ来るまでにげっそりするほど時間がかかる。

なんと新東名を使うと1時間弱で着いちゃうのだよ!

あとこの先の「島田金谷」や「新清水」なんかも良い位置にインターがあるねー。

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国道152号線を北上する。

市内の桜はすでに葉が茂って、山の緑の芽吹きが進んでいた。

ボクはどちらかというと、山が萌木色に染まる今頃の方が紅葉のころより好きだ。

けれど、少し山奥へ入るとまだまだ桜が満開で、それはそれは美しい。

湖のような天竜川の流れを楽しみながら、ちょっと冷たい空気を切る。

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対岸を眺めていたら、山の上の方にすごくキレイな桜が一本。

ソバまで行ってみたかったけど、

どうやって道が繋がっているのか、よく分からなくて断念。

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水窪の街を過ぎて、いよいよ道も険しくなると、ふいに草木トンネル。

最近では道路の規格が下げられて歩行者も通れるらしいけど、

以前は原付で来ると(おいおい原付かよ)山王峡のほうまで林道を迂回させられていた。

トンネルを抜けると国道はなくなって(中断)兵越林道に入る。

国盗り綱引きで有名な兵越峠。

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いつも同じアングルの写真になるなー・・・・・・

この先は長野県になるけど、長野県側は谷が深くて急激に高度を下げるため

勾配もきつくて、カーブも深い。

路肩が危険なところも多くて、やや気をつかう。

というか気をつかって運転した方が良い。

追いついているのに譲る気ゼロの四つ輪にうんざりしながら、

それでも、まあいいさ、急ぐわけでもないし、と自分をなだめつつ

谷底の遠山郷に向かった。

目的地はここの「かぐらの湯」

山奥も山奥なので空いていることが多い。(もちろん日によっては芋洗い状態)

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のんびりと湯につかって、飲んで喰って、昼寝をかまして過ごす。

さあて、そろそろ帰るベーと立ち上がると足が痛い。

見るとちょっと腫れている。

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どうやら足のキズがまだしっかり治っていなかったみたいで

炎症がぶり返しちまったようだ。

右足なのでリアブレーキを踏むが、それがちょっとツラい位の痛みだ。

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花びらが雪のように積もる堤防。

山里にも春がやってきた。

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なんとか家に戻ってきた。

足もそれ以上には痛みもひどくならず小康状態。

ダブル(W800)のオドメーターが1200kmを越えたので、初回点検を自分でする。

ワイヤー類とチェーンの初期伸びをチェックして調整。

アクスルやサスのナットの締め付けをチェック。

タイヤの空気圧チェック。

そしてメインはオイルとフィルターの交換。

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オイルはカワサキ純正の「R4」10W-40

フィルターとドレンボルトワッシャーはWebikeで買った。

ダブルのドレンは斜め前を向いている。

フィルターは前方に飛び出していてカバーがかぶっている。

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400キロ走ってきてアッツアツのオイルをドシャーっと排出。

さすがに1000キロくらいではまだキレイだ。

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メッキのきれいなカバーを外して、65mmのフィルターレンチでフィルターを外す。

金属ではないけど組みつけの時のカスが結構出てきた。

オイルは説明書の規定値が2.8リットルだったので、その通りにしてみたけど

レベルゲージがちっとも上がってこない。

アツアツで抜いたから想定以上に出たのかな?

オイルの総量は3.2リットル。

ゲージを見ながらもう200cc入った。

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W800って、大型初心者とかリターンライダーとか

のんびり走る人向けみたいなイメージだけど、

エンジンフィーリングや操作感はとても奥行きが深くて味わいがある。

W800とか650の人のブログを見ると「草食系」が多いけど、

じつはW800は硬派なオートバイだと思う。

W800はコーナーで頑固だと云われることがあるけど、

セルフステアーを意識しながらわずかにイン側へ補舵すると

旋回性を上げることができるのだ。

限界が低いがゆえに、工夫する余地があるともいえる。

まあたしかに下りコーナーでギャップに突っ込むと

それだけで今では有り得ないような挙動が出るけれど・・・・・。

それにくらべてR100RSのスキのなさはやはり驚きに値する。

30年以上前にここに到達していたヨーロッパのメーカーが

なぜ日本製の直線番長に駆逐されたのか。

付き合ってみなければ、「女」も「オートバイ」も本当のとこは

分からないってことなんでしょうか?


春まだ遠き山郷

2012年04月16日 | BMW以外のオートバイたち

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頂きにはまだ分厚い雪の覆い。

空気は冷たいけど、日差しには確かに春を感じる。

あおはいなくなって、バーチカルツインのカワサキが相棒になった。

ご心配なく・・・・・・こいつは健在。

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ただし、フロントフォークのシールがいっちまったようだ。