ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

冬へ走り出す

2011年12月26日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

世に云うクリスマス寒波に見舞われて、

すっかり走る気を無くした週末の朝。

外に出てみれば、やはり寒さはそれ程でもない。

それでも、山は無理だしなー、と考えると少々気分が萎える。

しばらくストーブの前で佇んでいたけど、

「えいっ!」とばかりに覚悟を決めて装備を身にまとう。

ウォームパンツを履いてウエストを締め上げ、

インナーを付けたゴツいジャケットを羽織ると、

まるで鎧をまとった武者のような気分になる。

この恰好だと外に出ても、ちっともサブくない。

ひんやりとしたガレージから銀ジィ(’81年式R100RS)を引っ張り出して、エンジンを掛け、

少しスロットルを開けたままグリップを固定して(なんと固定するためのネジが付いてる)暖機する。

その間にまずヘルメットをかぶる。

そして、すでに冷たくなった指を強く握りしめてわずかにほぐし、グローブをはめる。

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それにしても良い天気だ。

空が芯まで抜けて、そのまま宇宙へ突き抜けているようだ!

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しっかり暖機して走り出すと、意外にも銀ジィは機嫌が良い。

先週もそうだったけど、やっぱ空冷エンジンは冬の方が調子良いのかな?

ばらついていたタペット音を、断続的に響くようになるまで回転を上げると、

老ートバイは、まるで路面を滑るように走る。

どんなに飛ばしてももうシールドに虫がぶつからない季節。

冬のライディングは、ほんとうに「嫌い」じゃない。

前にも書いたかもしれないけど、雪の中を走れたらどんなに楽しいだろう。

電気で走るオートバイより、雪道でも普通に走れるオートバイを開発して欲しいな。

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火の見櫓に青い空。

でも、空気はキーーーンと冷たくて、北風だって吹いている。

ポケットを探ったら一口サイズのチョコレートが3つ。

自販機でブラックコーヒーを買って、一個ずつ口の中で溶かす。

うんまいなー、と思わずもれた。

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今日はもうこれ以上踏み込めないね。

様子を見ながら進んでもちっとも楽しくないから、ここで引き返そう。

            〇

日曜の午後になってパラパラしていた雪は、夜になって本降りになった。

月曜の朝は銀世界。

そのまま気温が上がらずに、今日は一日サブかったよ。

クリスマスにもらったネックウォーマー。

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ありがてぃ。

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今年も1年、たくさんの方にブログを読んでいただき、本当に感謝しております。

ネット上からで恐縮ですけど、お礼を申し上げたいと思います。

「ありがとうございます」

いろいろとこの「ブログ」というものに対する思いはあるのですが、

もうしばらくは、継続することで見えてくる何かを見極めてみたいと思っています。

すなわち、来年もどうぞよろしくと云う事です。

本当はどんな方が読んでくださっているのか、すごく知りたいので、

ロールコールミーティングなんか、してみたいんですけど、

知らぬが仏と云う言葉もありますから、止めときます。

では、みなさま、良い年をお迎えください!                  EXIT@rainman

            

2011年走行距離

あお号(’01 R1150RT)   3,357km

銀ジィ(’81 R100RS)     7,579km

ゴリゴリ(’08 APE100)     435km

やべっ!ぜんぜん走ってないじゃん・・・


耐えられるけど、耐えてまで?

2011年12月19日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

相当な熱意なのか?

なんらかの目的なのか?

それとも・・・如何ともしがたい理由?

いやいや、ただの習慣か?

走るモチベーション。

走る理由。

ましてや義務では無いし・・・

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山の木々はもうすっかり葉を落として寒々しく、

この季節にむき出しのオートバイは、なんだか居心地が悪い様子に見える。

もちろん当の本人(銀ジィね)はそんなことちっとも意に介せず、

空気で冷やすエンジンは却って快調で、

凝縮された冷たい空気を吸い込んでいっそう力強い。

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山口百恵の「湖の決心」がおっさんの頭の中でヘビーローテするような、

冬景色のダム湖は、本当に寒くて、さびしかった。

こんなに寒いのに、こんなに北風が冷たいのに、

陽の射さない山影の道路は黒々として不気味なのに

どうにもジッとしてはいられずに、

結局、なのにボクらは走るだ。

理由や、目的に収まらず、ただただ走らずにはいられないから。

それは熱意と云うより、衝動に近い。

          〇

先週お別れを云ったばかりなのに、

いつものコースで山へ上がって行った。

何だか細かい白い灰のようなものが一杯舞っているなーと思ってたら

融けかけた雪だった。

みぞれまでいかない、小さな破片だ。

千万町までは何とか平気だった。

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茅葺屋敷の軒にはこないだから柿が干してある。

もうずいぶん萎んできたね。

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冬のカサカサとした日差しがまだここは一杯だけど、

やっぱり雪の欠片がふわふわと飛んでくる。

作手の方を見遣ると上空が真っ暗だった。

ホントは今日はここで折り返すつもりだったけど、

路面がしっかりと乾いていることに気を良くして

さらに進む。

ひと山登って作手に出ると、

空気ははっきりと分かるくらい温度を下げた。

銀ジィに乗る時は冬でも薄手の皮手袋だけど、

さすがに指先が冷たくなってくる。

少し頭を下げて、風の流れをかわし、カウルの中にすっぽりと隠れて走る。

4000rpm。

タペット音が鳴りを潜め、360°クランクの断続的な排気音に包まれる。

まあ、云ってもそれほど寒くはない。

路面がシビアなコンディションにならないくらいの寒さは、

耐えられる範疇だ。

ガキの頃は初日の出を見に伊良湖岬へ行くのでさえ、

ジーパンとスニーカーだった。

(凍えて鼻水と涙が止まりませんでしたけどね)

でも、オートバイに乗りたかった。

今だってそうだ。

寒いけどこれくらいなら耐えてでもオートバイに乗りたい。

けれど耐えてまで?と思わない訳でもない。

          〇

結局、いつもどおり作手の涼風の里まで来ちまった。

ずーっと雪みたいのが舞っていて、止まると寒さが沁みてくる。

あれ不思議だよね。

何で走ってるより止まった方がサブいんだろうね?

な訳ないんだけど、絶対止まってる時の方がサブい。

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作手はすごい天気が悪かった。

遮るものも無くて、ここは風も強い。

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ヘルメットもとらずにシリンダーヘッドで指先をほぐし、

暖かいコーヒーで一息入れる。

さびーーー!

まじで、もう来週は無理だな。

 


シリンダーヘッドで暖をとる

2011年12月12日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

ひと雨ごとに冬の色が濃くなるね。

移動性高気圧がひとつ通過する毎に冬型の気圧配置が形作られ、

シベリアからの寒気を呼び寄せる。

明け方はすっきりと晴れたけど風が出て、それによって寒気が入り込むと雲が広がる。

アメダスの情報をひろうと、稲武辺りでは夜更けに氷点下になっていた。

もう奥三河へ踏み込めるのもそろそろ「キリ」だな。

夜通し充電器に繋いでおいた銀ジィ(’81R100RS)は元気よくセルを回して、すぐに目覚めた。

冷たい空気をシリンダー一杯に吸い込んで、力強くクランクを回す。

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高度を下げた冬の太陽が、地面に長い影を落とす。

冷たい北の風が裸の枝を揺らして、その影をざわめかせる。

かじかんだ指先を熱い缶コーヒーで解くけど、冷めたコーヒーも御免なので、

先にコーヒーで体を温める。

北風の吹きつける左のシリンダーは熱が解けていた。

反対側の右のシリンダーにはまだ温もりがあった。

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あったかいね、銀ジィ。

もう冬だ。

狭い谷筋や、北側の道路は路面が黒くなって、凍結を予感させる。

日が昇ってくればまだ大丈夫だけど、そろそろ終わりかな?

今年は台風に直撃されたりして、いまだに復旧しない箇所もあるけど、

季節ごとに美しい情景を見せてくれたね。

名残惜しくいつもの散歩コースをたどった。

何度もオートバイを止めては三河の山たちに見入った。

もっとすごい景色や、すごい道路がいっぱいあるけど、

ボクはここがいちばん好きだよ。

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三河生まれ、三河育ちのおサルだからね。

今年もありがとう。

また来年もよろしく。

          〇

またこれ買っちった。

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やっぱ好きかも?抹茶入りコーヒー。

でも、すぐ消えちゃうだろうな。

          〇

家に戻って、オートバイたちの大掃除。

前から気になってた曇った銀ジィのライトのレンズを掃除する。

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なんか見たこともないようなワイヤーのギミックでリフレクターが固定されてた。

知恵の輪みたいな針金がうまい具合に固定している。

分解してレンズと反射鏡をピカピカに磨いてやる。

はいこの通り!

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古いオートバイだから、ちょっとずつでも手を掛けてやると

確実にそれに応えてくれるよ。

前傾のやや強い銀ジィのおかげで、ふやけた壮年のおっさんの筋力もちょっと甦ってきて、

400~500kmくらいなら腰も背中も疲労が残らなくなった。

背筋は間違いなく強化されたんじゃないかな。

手首と上腕の持久力もアップしている。

オートバイのライディングは脳の老化を抑えると云われているけど、

肉体的な老化にも効き目があるかもしれない。

って、充分おっさんなんだけどね。

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静寂の西ウレ峠は時雨れて

2011年12月05日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

なんという見事な快晴なんだ!と、勇んで走り出した。

天気がいいだけで、オートバイ乗りは笑顔になる。

MAGロード(東海環状道)からは雪をかぶった御嶽山から中央アルプスまでくっきりと見渡せた。

生きててよかった、かあちゃん!

思わず拝みたくなるようなパノラマだぉ。

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三河のお山はキレイに色付いて、今年最後のパフォーマンスを見せる。

雑木の林の紅葉は心安らぎ、同時に心躍らせる。

ボクが三河生まれのおサルだからか?

おサルで結構、いや、クマか?

どんな見事な紅葉よりも、こんな雑木林の秋が好きだ。

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夜更けに強い風の音で目が覚めたけど、朝には止んでいた。

天気予報ではオホーツクで発達する低気圧が強風を呼ぶと予想している。

然も在りなん、晩秋の空は恐ろしく抜けていた。

遥か成層圏の虚空を行くジェットが一機。

それと同じ名のカラーリングの老ートバイがここに。

今日はどこまで行っちゃうのだろう?(ってアンタが運転してんじゃん)

            〇

東海北陸道を郡上八幡で下りる。

ここまで来ると、季節はすっかり冬で、紅葉は見る影もない。

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おまけに出掛けの快晴はどこかへ失せて、

上空はどんよりとした雲に覆われていた。

気温もかなり低い。

こりゃぁ、時雨れるな・・・

銀ジィ(’81R100RS)だと一桁の気温でもそれほどサブくはない。

BMWの本社があるミュンヘンはなんせ極寒の街。

手袋だって冬用なんて必要ない。

綿の下着にマイクロフリース、インナー付のジャケット。(アザラシ様の脂肪を多数皮下に蓄積)

これだけで真冬も行ける。

「せせらぎ街道」は狂乱の秋を終えて、静寂を取り戻していた。

冷たい空気を切り裂き、銀ジィは乱舞する。

坂本トンネルからパスカル清見へ続くワインディングは楽しい。

ステップを擦らないようにつま先を出して路面を探る。

銀ジィのステップは、フレームに固定されてるから

強く路面にヒットするとタイヤのグリップが抜けて怖いからだ。

道の駅「パスカル清見」にはオートバイは「ゼロ」

郡上八幡から一台もすれ違っていないし。

          〇

西ウレ峠に近づいて、時雨れる。

オーバーペースをたしなめるように氷雨が路面を濡らした。

気温は「1℃」

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さすがに指先がかじかむ。

葉をすっかり落とした木々には、誰も興味を示さない。

ただ高山へ抜ける地元のクルマが数台、猛スピードで追い越して行った。

静けさが支配する峠。

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・・・もう誰もいない。

           〇

カラマツもすでに黄金色の衣装をすっかり脱ぎ捨て、

冷たい冬の風に、細いその枝をカタカタと鳴らす。

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巣野俣のキャンプ場を過ぎると勾配もゆるくなって、

川の蛇行に沿った深いカーブが続く。

少しイン側へお尻を落として深くリーンさせると、銀ジィは思いのほか強く旋回する。

スタンドが接地して、ガァーーーーっと悲鳴を上げるけど、恐れてはいけない。

だいじょうぶ。だいじょうぶ。

まだつま先が接地してないよ。

            〇

高山の街へ出れば、その背後に屏風のように聳える北アルプスが見られると期待したけど、

同じように上空は雲に覆われて、時雨れが弱く降っていた。

のろのろの長い車列の先頭は、制限速度で流れを引っ張る郵便トラック。

国道41号線は気長に行くしかない。

でも、ボクはこういうの嫌いじゃあない。

みんながそれぞれの都合を抱えているのが世間っていうもんだろ?

制限速度で走って行くのも、世間っていうもんだ。

ようやくこうやく飛騨金山。

県道へ入って、ペースを上げる。

この県道58号線(岐阜県・関金山線)は「平成こぶし街道」

春には沿道に植えられたコブシが白い大きな花を見事に咲き揃わせる。

ひなびた山村が続くこの街道に白いコブシの花が良く似合う。

晩秋の今は、コブシもすっかり葉を落として冬支度。

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どうやら来週の週末、飛騨は雪になるらしい。

もう来年の春が待ち遠しいね。

はーるよ来い!はーやく来い!

でも、冬も嫌いじゃないけど・・・

            〇

(おまけ)

これ!飲んでみましたか?

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びみょーーーー・・・・・・

でも、もう一回買うかも。

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