ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

オートバイは温泉の引力に弱いらしい

2010年04月26日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

(4/29「温泉の磁石に引かれて」より改題しました)

5月の連休が明けたら銀ジィ(R100RS)は車検に行くので

今のうちにたくさん走って、不具合を出し尽くしてしまいたい。

というのに、どうにも今年はさぶい日が続くねー。

あんまりさぶいんで朝方ぐずぐずしてたら10時近くになっちまった。

何をぐずぐずしてたかって云うと

タイヤの空気圧を調整、

クラッチの遊び調整、

そして、コレ。

0426_07engine_cleaner

BMW純正の燃焼室クレンザーをシュポシュポ入れてたのさ。

10リットルに付き50ccなので、満タンタンクにボトル半分入れてやった。

       〇

とは云うものの銀ジィは最近かなり具合が良い。

始動性は良好だし、オイル漏れもニュートラルスイッチ以外は問題ない。

リアブレーキのタッチがギュニュギュニュなので掃除が必要かな。

でも、本当に信頼できる感じに仕上がって来た。

納車されて約1年。

ボク自身も銀ジィの癖や扱い方が分かって来たんだろう。

週末は静岡の県道1号か国道152号か迷って

結局どっちつかずのコースを走って来たよ。

        〇

燃焼室クレンザーを入れたので、ちょっと回転を上げ気味に走らせる。

エンジンが暖まってくると明らかに回転が滑らかになる。

爆発のひとつひとつの粒が揃って作る滑らかさだ。

4000rpmは無振動のバランス点。

高速に乗って、さらに開けるとリアが暴れそうな気配が出た。

空気圧を2.1barにしたのが悪かったのかな?

それともリアサスのプリロードを抜いたのがいけなかったのか?

とにかくリアから横揺れが出ている。これははじめての経験だ。

怖い感じではないけど、気持ちが悪い揺れ方。

5000rpmに落とすと消えるから、今日は抑えて走ることにした。

        〇

高速を降りて国道151号を北上する。

いつも通りの渋滞にのんびりハマりながら、流れが解れるのを待つ。

今日は銀ジィ(R100RS)だから1時間毎にちゃんと休憩しよう、と

思っていたけど、結局、愛知の県境を越えて長野に入ってしまった。

新野峠の先の道の駅にも寄らず、国道418号に乗り換えて進む。

0426_01r41801

0426_02r41802

川に沿ってクネクネと進むローカル国道。

芽吹きの始まった山は萌黄色に染まってやさしい。

名も無い滝を見つけて休憩する。

木々の出す新鮮な空気と水辺のマイナスイオンで贅沢な休日。

0426_03r41803

尾根を廻り込むたび美しい景色が目の前に広がり

そのたびにオートバイを止めて眺め入ってしまうので、なかなか進まない。

どうにかこうにか平岡の街に出る。

何度見ても、天空の城のようなこの街の眺めが好きだ。

0426_04r41804

県道1号か国道152号か決めてないまま平岡に出てしまったのだけれど

途中にあった「おきよめの湯」を横目に見ながら通過してしまって

そこから、なんとなく「お湯につかりたいなー」という気分に支配されてた。

152号に出れば上村に「かぐらの湯」があるなーと、

いうことで銀ジィは国道152号へ進んだ。(てボクが操ってるんだけど)

「温泉!温泉!温泉!温泉!温泉!」の大合唱の中、

「かぐらの湯」に到着!

温泉はすごい磁石だねー

0426_05touyamakyou

のんびり露天風呂につかって、休憩室でゴロンとした後

ぽっかぽっかで再出発。

やっぱ温泉はえーなー

        〇

少し走ると大鹿村に入るけど

村は祭り準備でざわざわとしていたよ。

26日の日曜に御柱祭の行事の一つ「里曳き」がここで行われる。

通りは注連縄が張られ榊が供えられていた。

7年に1度の御柱祭もいよいよクライマックスだね。

        〇

大鹿村のはずれで三遠南信道「矢筈トンネル」をくぐり伊那谷へ向かう。

トンネルから先は未完なので県道251号になる。

地図ではなんだか頼り無さそうなルートに見えるけど

実際は良く整備されていて走りやすい。

天竜川に出てしまわずに途中で「南信州フルーツライン」という農道へ入る。

これは絶対おすすめなルート。

アップダウンはきついけど楽しいワインディング。

視界が開けると左手には伊那谷が広がり奥には中央アルプスが。

0426_06inadani

川の向こう側にも「フルーツライン」は整備されていて

こちらからは右手に伊那谷を挟んで南アルプスの峰々が眺められるよ。

ただし西側のフルーツラインは国道153号のバイパスになっていて

交通量が半端ないから楽しくないけどね。

松川までなんとなく伊那谷の風景を楽しみながら進み

松川ICから中央道に乗った。

ナシやモモの花が満開で伊那谷の遅い春を堪能できたよ。

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79歳のライディングプレジャー

2010年04月20日 | 日記・エッセイ・コラム

日曜の新聞でこんな作文を見つけたよ。

   「・・・・・・それでも晴れた日には当てもなく遠くまで出かけ、

   には緑の中をそよ風を受けて、秋には黄金色の田んぼを走った。

   園があれば休み、神社があればお参りをして、

   川端に出ればきらきらと銀色に光って流れる水面を眺めたり、

   川向うの景色を見たりして心満たされた・・・・・・」

まさにツーリングライダーの楽しみを綴った作文なんだけど

実はこれを書いたのは79歳のばあちゃんなのだ。

昭和35年に二輪免許を取って以来

ばあちゃんはずーっとバイクに乗って過ごしてきたらしい。

雨や風だけでなく、雪に降られて苦労したり

キーをなくして歩いて帰ったり、はたまたヘルメットを盗まれたりと

ボク等とまったく同じ経験をしているまさにライダーなのだ。

もう相当のご高齢なのでバイクに乗るのを諦められたのか

17年連れ添った三代目のスクーターを手放す気持ちをこの作文に書かれていた。

        〇

オートバイに乗る、または乗り続ける理由は、ひとそれぞれだとは思うけど、

ボクに限って云わせてもらえば、

かのばあちゃんが作文に書いてたような楽しみに尽きるように思う。

たまに欲が出て、北海道を走りたいとか、四国へ行ってみたいだとか

あれこれ思いつくのだけれど、

季節の中を、身をさらけ出して走り

在るがままを享受できる喜び、とでも云おうか、

そんな気持ちを確認できれば走る場所なんてどこでも構わないのだ。

晴れた日には日の下を、

雨の日には雨の中を、

自然は征服するものではなく

自然は受け入れるものだと教えてくれる。

オートバイは人工物でありながら

まさに奇跡のような存在だとつくづく思う。

ばあちゃん。もう乗らないんですか?

いつかボクにも「その日」が来るんだろうね・・・・・・

        〇

で、今週は真冬のような北陸・能登に旅行に行ってきた。(クルマでね)

途中のひるがの高原は大雪

あたり一面雪だらけどす

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なので、

サクッと帰ってきてあお号(R1150RT)のオイル交換をした。

0420_01oil_change01

まずは抜けを良くするためにちょいと暖機して

フィラーキャップを外しておき

0420_02oil_change02_2

廃油パックを用意。

真ん中あたりをちょっと空けといてやると吸込みが良いみたい。

ドレンボルトをはずしてー

0420_06oij_change06

ビョーーーーーーーーッ、トローーーーーーー、ヒュルヒュルーー

タラーーーーーーー、ポタポタポタポタ・・・・・・・・・・・・

てな感じでオイルが抜けていく。

別に時間に追われてるバイク屋じゃあないんで、

しばらく放置してよーく抜いてやる。

0420_03oil_change03

ドレンボルトを掃除して、新しいワッシャーを付ける

純正のワッシャーでも40円。(妥当)

0420_04oil_change04

オイルは最近のお気に入り

A.S.H.(アッシュ)VSEモトスペック15W-50

4リットル用意したけどちょうど3本しか入らなかったよ。

0420_05oil_change05

レベルはこんくらい!

入れすぎはカーボンの付着の原因になるよ。

R259のエンジンだけは入れすぎ注意!

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あてもなく660kmの散歩

2010年04月11日 | R1150RT (2001) あお号

仕事柄、週末が休みだったことがほとんど無かった。

でもここに来て急に、人並みに土日が休みということになった。

週末ごと、出掛けるごと、その混雑ぶりに

オートバイで走りに出るのもなんだか気が滅入ってしまう様になってしまった。

前なら春になると伊豆へ行ったり能登へ行ったり、

あちこち出掛けていったもんだよ。

でも、ようやく土日の混雑の具合が分かってきた気がする。

結局、みんな同じトコ目指していくんだね。

だからみんなが目指すような観光地を外せば

結構どこもガラガラで案外快適に走れるようなのだ。

        〇

ほんとはみんなが動き出す前に高速に乗って

ある程度距離を稼いでしまうのが混雑に遇わない秘訣なんだけど

この日は仕事の疲れか、ちょーっと出発が遅れたよ。

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東名阪「亀山PA」の2輪駐車スペースの屋根にスズメたちが巣を作ってて

ちゅんちゅん、大騒ぎだよ。(標識の上にとまってるね)

スズメたち眺めながら朝食を摂り

結局これしかなかった2005年版の関西道路地図でルートを思案する。

伊勢道の久居ICから雲出川とJR名松線に沿って県道を辿り

吉野に近付かないように県道で山を越えて

北山方面へ抜け、熊野灘に出ることにする。

        〇

予定通り「久居IC」で下りると果たして県道は空き空きだ。

別に「どこ」に行かなくても良いんだから

走って楽しいルートを行けば良いだけだ。

雲出川は暴れ川で有名だったけど中流域は案外やさしい流れだ。

川に沿ってJR名松線が並走している。

去年の台風で被害を受け、途中の家城駅から先が運休したままだ。

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家城辺りから確かに地形も険しく谷も狭くなる。

桜が満開で走っていて実に気分が良い。

吉野に近いせいか桜の木がとても多いような気がする。

名松線の終点「伊勢奥津」(本来はその名が示す通り名張まで計画されていた)。

汽車は来なくなっても、今年も桜は花を付けた。

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        〇

三多気の桜を横目に見ながら伊勢本街道を西へ進む

時折オートバイにすれ違うくらいでほとんど交通量も無い。

桜、桜、桜の中をわがままに快走していく。

時々出会う桜にしばしオートバイを止めて休む。

そんな繰り返し。

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スピードに飽きると今度は深い森の中の県道へ入る。

吉野に近付きすぎるとクルマが増えるだろうから

杉の林の中をクネクネと行く。

まるで植えたかのように熊笹が林の下を一面に覆う。

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こんな山の中でセンチュリー(あ、トヨタのクルマね、むかしの)に擦れ違った。

しかも擦れ違ったのはこの1台だけ。

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国道に出て、吉野川に沿って大台を目指す。

さっきの林道のような道と打って変わって

巨大な橋脚のループ橋とトンネルでずんずん山並みを越えて進む。

タイヤのグリップに任せて深いアングルでオートバイをリーンさせる。

コーナーを抜けるたびにスロットルを大きく開けて

強いトラクションを掛け続ける。

最高の舞台だ。

        〇

北山、池原ダムの作りだす風景はとても魅力的だ。

行ったこと無いけど(行ったこと無いのかよ!)、北欧の湖水を思わせる。

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もっと湖面が目線に近い場所もあって

流れがほとんどないから、とても神秘的な感じだ。

ここはとても静かで、

木々の出すフィトンチッドに心が安らいでいくのがわかる程。

でも、ダムで水を貯めてるからこんなに穏やかな景色なだけで

本当は荒々しい地形と地質のせいで

ダイナミックな渓谷が続く場所なんだよ。

0411_12toro01

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熊野川に近い瀞渓はゴツゴツの岩の渓谷。

現代の建築技術は2005年版の地図をまったく変えていたよ。

あんまり真っ直ぐばっかりじゃぁつまんないってー!

        〇

久しぶりに朝から晩まで13時間660km。

あお号(R1150RT)はやっぱすごいね。

ボクにはコイツが必要だよ。

改めてそう思った、今週の休日だった。

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それぞれのハル、それぞれのサクラ

2010年04月05日 | R1150RT (2001) あお号

春爛漫、どこもかしこも満開のサクラだね

「散ることを知りながら、咲くことを恐れない」などと

とかくサクラはその散り際の見事さから

「いさぎよさ」の象徴のように語られることが多いように思うけど、

ボク自身は、案外そんな風には感じていないような気がする。

「ひさかたの 光のどけき 春の日に しず心なく 花の散るらん」

かの紀 友則の歌が代表なのかもしれないけど、

サクラの歌には逆に心を乱すような歌が多いね。

0405_01sakura01

時節柄なんだろうね、

この時期、開花し、やがて散りゆくサクラに、ボクは出会いと別れを連想させられる。

出会いの喜びは確かに人生の糧ではあるけど、ただの始まりでしかない。

逆に別れの喪失感は、ひとの心に決して無くせない深くて長い暗渠を作り上げるように思う。

やがて散りゆくサクラを思う時、

その暗渠の底を覗き込む恐怖と苦痛をどこかに感じているのかもしれない。

もう誰も、何も失いたくはない、と強く思っても

別離は執拗にボクの背後をついて回るのだろう。

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喧噪の中、大勢と見上げるサクラよりも、

里山に咲く名も無きサクラをひとり眺め、

別れ来し人たちのことに思いを馳せる。

古も、今も、そしてボク達が灰になった後も、

それぞれの胸に、それぞれのサクラが花を咲かせていくのだろう。

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そんな深い思いや情念を引き受けて、

なお凛と咲き続けるサクラは、途方もなく美しいと、ボクは思う。

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この週末は好天に恵まれて、

東名を走って行って、静岡でも神奈川でもサクラがきれいそうな所で降りてやろうと

勢い込んで走り出したのだけれど、

愛知と静岡の県境辺りですでにすごい山桜に出会ってしまって

音羽蒲郡から乗ったのに、なんと三ケ日でもう降りちまった。

地図も無いのにカンで走って

国道301号線の「宇利峠」で、高速から見た風景に出合えたよ。

一番最初の写真がそこなんだけど、

大袈裟じゃなく、吉野の山を見るようだったよ。

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