中村天風さんは、いろんな経営者、著者さんが心の師とあおぐ人生哲学の大家です。自己啓発に熱心な人は、だいたい著書を読んでいますね。いきなり天風さんの著書を読むのはハードルが高いので、まずは中村天風の名言集に挑戦しました。
見開きページの右の1ページに天風の名言が書かれており、左に池田光さんの解説が書かれている構成。どのページからでも読める、いつでも開ける、ビジネスマンには嬉しい構成です。
150の名言の中から、いくつか気に入ったものを紹介します。
“自分の心の中に何かの悩みがあるならば先づそれは「取越苦労」か或は「消極的思考」かの何れかである。故に入念に省察すべし。”
悩み事はほとんど、その2つであるので、悩んでいる暇はない、としています。
反省するのはいいが、悩むのは時間の無駄。人生の主人公として積極的に生きることを説いています。
“肩が上がると、横隔膜が上昇するから、キューッと気分の中に空虚を感じるのです。そうすると神経系統の調子を狂わしてしまうんだ。”
もしマイナス感情が支配的になったと気づいたら、肩が上がっていないかをチェックする。
肩が上がっていたら、肩の力を抜く。そうすると、気持ちが安定してきます。
①肛門を締める
②肩の力を抜き、肩を下げる
③下腹に力を充実させる
天風は「人間が、もっとも自分の身を守ることができる、安定した体勢」をクンバハカと呼んでいます。
確かに、イライラしている時、うまく行っていない時は、肩が上がっている、と感じます。気をつけたいと思います。
“思うことや考えることが叶う、叶わないということは、それが外にあるんじゃないよ”
願望実現の力は、外側にあるのではなく、内側にある。願望がかなうもかなわないも、思い方次第、考え方次第。
自分のビジョンをたてて、目標を持っていても、それを実現しよう、それを達成しようという強い思いがあり、真剣に取り組んで、初めて動くと思います。
叶わないということは、強く思っていないから。今年の目標がほとんど実現しなかったことを反省します。
最後に、
“潜在意識を活用する、特に効果のある方法は、絶え間なく心に映像を描くことなんだ”
実際の姿として、完全にできあがった姿にして、ありありと目に見えるように心の中に描くのです。
映像を思い浮かべにくい人は、その願望を達成した人の写真をノートや手帳に貼るのものいいでうすね。それは「ゴールドビジョン」にも書かれています。
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論語やヨガにも影響を受けた天風の言葉。天風研究家がたくさんいますが、多岐にわたるその強い言葉は、元気をくれます。
手許に置いて、迷いがあるときには、1ページでも2ページでも読む、そういう使い方をしたい本です。