企業システム・レビュー・ネット

企業経営を左右する企業情報システム(経営+ITソリューション)のデータバンク作りを目指す

◇企業システム◇LPI-JapanのLinux技術者試験の受験者数が延べ10万人突破

2008-08-27 15:45:16 | システム開発

 【システム開発】Linux技術者認定機関のNPO法人「LPI-Japan」は、日本国内におけるLinux技術者認定試験(LPIC)の受験者総数が延べ10万人を突破したと発表した。これは2000年10月の日本語試験開始以来、8年弱で達成したもの。現在LPIC認定者の総数は、レベル1では2万6000人、レベル2では約6000人を上回り、レベル3は約340人となり、認定者の合計は約3万3000人に達している。なお、2012年には受験者総数延べ20万人を見込んでいる。 (08年8月25日発表)

 【コメント】オープンソースソフトウエア(OSS)を代表するOSであるLinuxは、日本市場でも徐々にその市場を広げてきている。これはユーザーがUNIXに比べコストが安いこと、インターネットを取り込みやすいこと、OSSなのでオープン性が高く、最先端の技術成果をいち早く取り入れやすいこと―などの点を評価したためと思われる。今後、サーバー市場はWindowsかLinuxかの二者択一の時代へと入っていくことになろう。IBMのメインフレームにLinuxを搭載した“Linuxメインフレーム”のユーザーは全世界で拡大をみせている。富士通、日立、NECなど大手ITベンダーもLinux専用サーバーの市場への浸透を積極的に取り組み、成果も出始めている。

 このような状況下でLinux技術者増大のニーズは年々高まりをみせている。今回LPI-Japanが発表したLinux技術者認定試験の国内受験者総数が延べ10万人を突破したことの発表は、このことを裏付ける結果となった。このようにLinuxの人気が高い最大の理由は、そのオープン性にある。今、各自治体では地場のソフト企業の育成に取り組み始めている。これまで各自治体のシステムの発注は、一括して大手IT企業に対し行われ、これらの大手IT企業は系列化のSI企業にソフト開発を流し、これらのSI企業は零細ソフト企業を下請けに使う。つまり、ピラミッド構造の中で地場のソフト企業は孫受けとして扱われ、企業としての成長が見込めない状況に陥っている。

 全国の自治体の中にはこの古い体質のソフト産業の構造を改めようと立ち上がるところも出てきた。OSSのRubyを中心に島根県や福岡県が地場ソフト企業の育成に乗り出している。長崎県では古くからOSSの導入に熱心に取り組んでいる。東京都の三鷹市の取り組みも注目される。最近、PCソフトをOSSのオープンオフィスに一本化した会津若松市では今後、情報システムに積極的にOSSを取り込むことを表明している。このように企業システムにLinux/OSSが採用されるケースが急ピッチで拡大をみせようとしている。(ESN)