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◇企業システム◇NRIなど4社が「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)推進研究会」設立

2009-12-07 09:16:42 | システム開発

 【アウトソーシング】野村総合研究所(NRI)、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、ワンビシアーカイブズおよびインフォデリバは、日本におけるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)活用の普及・発展を目指す「BPO推進研究会」を設立した。BPOとは、企業などが自社の業務の一部を、外部の専門業者に企画・設計・運営まで一括して委託すること。戦略的業務への集中、 事務コストの削減・変動費化、業務品質・生産性の改善などといったメリットから、BPOは金融業・通信業を中心に世界的に普及しつつある。(野村総合研究所、NTTコミュニケーションズ、ワンビシアーカイブズ、インフォデリバ:09年12月2日発表)

 【コメント】以前、アウトソーシングというと、あまりいいイメージに捉えられなかった。つまり、自社で処理できる人材やスペースがないため、止むを得ずアウトソーシングに出すというふうに捉えられていたからである。ところが時代が進むに従い、このような考え方は徐々に影を潜めっていった。これは、防災ということが大きかったのではないかと思う。特に、地震対策は急務であり、自社ビルの地盤が軟弱なら、ホスト機をアウトソーシングせざるを得ない。また、都心の一等地の高価なスペースをメインフレームに占拠されるのは、企業経営上問題がある。

 そんなことで現在では、一流の大手企業であっても積極的にアウトソーシングに取り組んでいる。さらに、将来、クラウドコンピューティング時代ともなると、今以上にアウトソーシング化が進み、企業に置いてあるものといえば、シンクライアントの端末だけという時代が来るかもしれない。話は脱線するが、クラウドサービスが本格化すると、現在企業にある情報システム部門はどうなるか?現在、ベンダーは商売上「いくらクラウド時代となったも情報システム部門はなくならないし、ますます重要になる」と言っている。まあ、これはこれなりに、根拠のある話ではあるのであるが、私は楽観できないと思っている。それは、一般社員が自分達で端末機からシステムを構築するのが当たり前の時代が、近い将来、到来することが十分に考えられるからだ。そのとき、情報システム部門に残された仕事は、全社の標準化ぐらいしか残ってない。

 ところでBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、業務とシステムとを一括して外部に委託することを指すが、IBMなどは、以前からこのBPOに積極的に取り組んでいる。総務の仕事を標準化することにより、外部に総務部門を人ごとアウトソーシングすることだって可能となる。これまで日本人はシステムのアウトソーシングまでのアレルギーはなくしてきたが、業務そのものをアウトソーシングしたり、人材をアウトソーシングすることには抵抗感がある。しかし、近い将来日本においてもBPOが当たり前の時代が来るかもしれないのだ。

 既にNRIは、金融業のバックオフィス業務やサービス業の本社業務のBPOサービスを提供し、ユーザーの経営革新を支援している。09年4月には、オフショア人材活用の拡大を目指し、インフォデリバとの共同事業会社、NRI・BPOサービスを設立した。NRIグループとして、ITソリューションとBPOが一体となった業務支援サービスや、業務オペレーション、印刷、配送、保管等さまざまなBPOサービス機能を組み合わせたワンストップ・インテグレーション・サービスを提供している。また、インフォデリバでは、中国BPOのリーディングベンダーとして、主に中国・大連センターから1,400人超の日本語オペレーターにより、金融・流通・製造・公共など 90社超の日本国内大手企業向けに、経理・人事などの事務処理から大量データ処理までの日本企業向けBPOサービスを提供している。これから企業は、BPOを導入することにより、その企業経営のあり方の、根本からの変革を求められている。(ESN)