企業システム・レビュー・ネット

企業経営を左右する企業情報システム(経営+ITソリューション)のデータバンク作りを目指す

◇企業システム◇伊藤忠テクノソリューションズ、ドキュメントなどの情報管理システム発売

2010-04-12 10:40:28 | システム開発

 【システム開発】伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、ユーザーインタフェースにRIA技術を採用した企業向け情報管理システム「EIMANAGER/Web(イーアイ・マネージャー/ウェブ)」Ver. 4.0の販売を、4月12日より開始した。ユーザー企業は、ドキュメントをはじめとする企業情報を直感的な操作で管理することができ、ソフトウェア開発におけるプロジェクトやナレッジの管理などの業務プロセスを効率化することが可能となる。価格は2,500万円から(税抜き、1,000ユーザー)で、カスタマイズやシステム販売・構築を含めて、10年度の販売目標は10億円。(伊藤忠テクノソリューションズ:10年4月8日発表)

 【コメント】企業システムは、突き詰めていくと事務の合理化をいかに推進するかということに行き着く。勿論、難しいITをマスターすることは欠かせないが、ITはあくまで手段であり、目的ではない。このことは、意外に忘れられがちで、難しいITの取得が目的化していることが、往々にして起こる。昔、「事務管理」というコンピューターの専門誌があったが、今にして思えば、この誌名は、企業システムにとっては、正にぴったりとしたネーミングであったと言えるのではないか。

 事務管理で忘れてはならないことは、ビジネスマンが直感的な操作でシステムを運用できることであろう。システム屋はコンピューターの操作はお手の物なので、このことをあまり意識しない。この結果、情報システム部門が張り切って開発した新しいシステムが、必ずしも事務の効率化に貢献しないということも起こりがちだ。このことは、一般の事務管理と同様、ドキュメント管理にも言える。いかに使いやすいドキュメント管理のシステムを提供できるかが、あらゆる場面で、今後求められることになろう。

 今回、CTCが提供を開始した企業向け情報管理システム「EIMANAGER/Web」は、CTCがユーザーの要望をもとに自社開発した情報管理システム開発基盤である。RIA技術を使用し、06年末のVer. 1.0のリリース以来、大手製造業を中心に開発におけるプロジェクト管理のフレームワークとして用いられている他、営業意思決定支援ツールや内部統制対応のプロセス管理/ドキュメント管理アプリケーションとして、シンクタンクや大手SIerなどでの導入実績がある。現在は、パッケージ製品としての販売に加え、ドキュメント管理機能をSaaS型のサービスとして展開し販売している。

 近年では、家電を含め多くの製品が「組込みソフトウェア」を使用しており、大手製造業においては、ソフトウェアの品質が製品全体の品質に大きく影響を及ぼしている。「組込みソフトウェア」は、用途ごとに異なる成果物が多岐にわたるため、開発において増大する成果物やドキュメントを管理することが大きな課題。「EIMANAGER/Web」Ver. 4.0を使用することにより、通常のソフトウェア開発では管理フレームワークとして開発の効率化を図ることができ、また、「組込みソフトウェア」開発においては強化されたドキュメント管理機能によって、成果物管理の効率化が実現できる。(ESN)