企業システム・レビュー・ネット

企業経営を左右する企業情報システム(経営+ITソリューション)のデータバンク作りを目指す

◇企業システム◇日本オラクルがSOA導入のためのコンンサルティングサービス提供

2008-08-11 14:55:09 | システム開発

 【システム開発】日本オラクルは、SOA(サービス指向アーキテクチャ)専門の部隊によるSOA導入のための新コンサルティングサービス「SOA Insight」の提供を開始した。この「SOAインサイト」は、論議形式会議(ワークショップ)を中心に、約2-4週間かけて、簡潔かつ実践的なSOA導入の進め方をガイドするコンサルティングサービス。SOA構築のロードマップ策定や業界におけるベストプラクティス(最優良事例)の成功要因をワークショップ形式で提供するため、企業は目的や現在と目標の成熟度レベルに応じて特定した部分からSOA導入を開始、ロードマップに沿って容易にSOA構築を進めることが可能となる。 (08年8月7日発表)

 【コメント】ソフトウエアを部品化し、それらを結び付けてソフトウエアを構築するという手法は昔から存在していた。それらはオブジェクト指向技術、コンポーネント化であり、それらをネットワーク化する分散オブジェクト技術、メッセージング、EAIなどの技術であった。これらの技術とSOAは何が違うかというと、SOAはあくまで業務システム構築に照準を合わせていることであろう。具体的な実装技術としてはWebサービスにおけるSOAP(サービス間呼び出し/応答プロトコル)、WSDL(SOAPインターフェース定義言語)、UDDI(WSDLサービス情報登録・検索技術)などが挙げられる。

 このような背景から、SOAはBPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)に欠かせない技術の一つとして今、盛んに注目を浴びている。BPMは継続的にプロセス改善を実行しようという経営・業務改善のコンセプトである。一昔前BPR(ビジネス・プロセス・リ・エンジニアリング)が脚光を浴びたことがあった。このBPRはシステム全体を一挙に変革しようとしたものであったが、BPMは継続的に業務を改善していこうという考え方に立ったものであり、企業にとってより現実的なアプローチなめ、現在ではBPMの考え方の方が注目されている。

 BPMシステムを構築するとなると、必要に応じて業務システムの手直しが必要となってくるが、業務ソフトをその都度構築し直すのはコストの点からも、開発期間の点からも得策ではない。そこでSOAにより業務をサービス単位で開発し、開発したサービスの組み合わせで業務システムを構築すれば問題を解決することができる。このためSOAは今注目されており、多くのベンダーからSOA構築ツール類が提供されている。今後ユーザーはSOAのノウハウの習得を強く求められることになろう。(ESN)