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脳出血で無職になった親父のブログ

株式投資に腕時計が好きなオッサンのブログです。年齢を重ねスピリチュアルにも興味を持ったお蔭で人生感も変わりました。

心の砂漠『食べることへの恐怖そして・・・』 拒食症カウセリング最終段階

2014年09月21日 10時03分31秒 | 拒食症との戦い
長女を説得し大阪のカウンセラーへ一緒に行くこととなったが車の中では終始無言・・重い空気が漂ったままだった。いつもの風景を見つつ御堂筋地下鉄緑地公園駅駐車場に着いた。『確か・・あ!あった』交差点の向こうを妻が指さしながら叫んだ。”かもど屋”ほかほか弁当屋である。『え?弁当買うん?』それまで無言だった長女が、ぽつりと言い『なんで?ウチは要らンからッ!!』強い口調で言うが妻は聞いて聞かぬふり4個の幕の内弁当を買いカウンセラーのところへ行く。もう見慣れた風景を通りマンションのエントランスに着くと・・長女は初めてのせいか不安気な表情で『マンションなんや・・・』激ヤセのせいもあり不安な表情は貧相さが強調されていた。エレベーターに乗る長女の後ろ姿を見ると肩甲骨が浮き出て全体が棒のよう・・ふっくらしていた、お尻も影もなくジャージにクロックス・・ポケットからマスクを取り出し口に装着した。法令線?以前から歯並びの悪さにコンプレックスを持っていたが・・その、どちらかと勝手に思っていた。以前は洋服が大好きで当時の人気であった”オカリエちゃん”コト松岡リエさんが立ち上げたブランドが好きで可愛らしくコーディネイトしていた娘がジャージ&クロックス・・服装は心の表れなのかもしれない。浮き上がった肩甲骨が痛々しくカウンセラーのオフィスに入るると受付を済ませソファに3人で腰かけた。待つ間も終始無言の長女。妻と私も何も話さず置いてある雑誌に手を伸ばし読んでいる・・いや眺めているのが正直なところ。数分後『お待たせしました・・こちらがお嬢さんですね。さ、どうぞ。』カウンセラーに呼ばれ、いつもの部屋へ。妻が『すみません。私・・』といい駅前で買った幕の内弁当を出すと『いいですよ。とりあえず、お弁当を出してください。』妻が袋から幕の内弁当を4個テーブルに並べた。『では、頂きましょう!お嬢さんも食べてくださいね』拒食症の子に食べることを勧める言葉は禁句であるはず・・妻と顔を見合わせ、そしてカウンセラーに目をやると・・『えっと・・確かA香さんでしたね?A香さん食べてください。お父さん、お母さんからも言ってください』いきなり食べなさいと言われ戸惑う娘・・・『A香、さ食べて。』妻が言うと『何なん?食べさせるためだけに?わざわざ大阪迄ウチを連れてきたん?』私達夫婦も全く前振りがないので事の流れを理解しないままになっていました。すると『さ!A香さん・・食べましょう!!』長女の表情が徐々に険しくなり『食べるわけないやんッ』そう言うとムスッとし深く椅子に座りなおした。私達夫婦もカウンセラーの言われるまま長女に食べることを進めるも黙ったまま俯いている。私も段々と腹が立ち『黙ってんと食えッ!何か言えッ』頭ごなしに怒鳴ったのにカウンセラーは黙々と弁当を食べている。長女はふてぶてしい態度で『アホくさ・・食べへんし勝手に怒鳴ってれば?』顔を背け髪の毛で、その表情が見えなかったが、その表情は想像がついた。結局、この日は食べず一旦、長女を待合室に待たせカウセリング室でカウンセラーと面談した。『次回も弁当を持ってきてお嬢さんを連れてきてください。そして・・』カウンセラーの説明は続く。食を絶ってるのは親に対する反抗であり長女にとっても戦いだそうで心の奥にあるものを・・怒り・不満を感情と共に吐き出させることだそうです。大抵の子供は、それらを繰り返すことで変化が出始める・・そして何かの拍子で食べ始めるというのです。そして自己客観視をしはじめるようです。とにかく心にあるものを吐き出させるシチュエーションが必要とのこと。その時、つかみ合いの喧嘩になる親子もあるそうですが娘に掴まれた『力』に驚くのが大半だそうです。掴み合いぐらいが治療の早道・・『ご両親をののしり過去、娘さんが傷ついた出来事とか思いをぶつけてくるでしょう・・その時が山場です。今回の弁当は、そのキッカケに過ぎません。拒食症の心は薬では治りません。御両親の愛情で治すのです。』私と妻は顔を見合わせました。カウセリングは終了し待合で待っていた娘は変わらずふてぶてしくソファに腰かけていました。受付で『はい25000円ですね。5000円の御釣りと領収書です。』領収書を受け取った妻が『A香・・帰ろうか・・』小さな声で長女に声をかけると『お金・・使わせてごめんなさい・・』長女もまた小さな声で妻に返していました。