縁側でちょっと一杯 in 別府

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『雨に唄えば』

2006-07-12 23:58:00 | 芸術をひとかけら
 先月の終わり頃だろうか、テレビで『雨に唄えば』を見た。見終わって、よしブログに書くぞ、と思ったのだが、最近ちょっとサボりがちだったため今日になってしまった。若干感激度が薄れてしまったが、記憶を辿りつつ書いて行きたい。

 で、何をブログに書こうと思ったかというと、ドナルド・オコーナーのことである。彼は最高のエンターティナーだ。『雨に唄えば』といえばジーン・ケリーが雨の中でずぶ濡れになりながら歌う Singin’ in the rain が有名だが、僕はジーン・ケリーよりもドナルド・オコーナーの方が強く印象に残った。

 彼はジーン・ケリー演じる主人公ドンの親友コスモを演じている。冒頭二人でコミカルに踊るシーンがあり、そうかと思えば二人で息の合った見事なタップ・ダンスを披露するシーンもある。二人は、ダンスは勿論、コメディのセンスにも卓越したものがある。
 ドナルド・オコーナーは他の映画会社の所属だったが、ジーン・ケリーと監督のスタンリー・ドーネンに見込まれ、『雨に唄えば』に出演したそうだ。彼らの人を見る目に間違いはなかった。勿論、ジーン・ケリーやドナルド・オコーナーは一人でも充分おもしろい。が、二人で演じることにより、おもしろさが格段にアップしている。僕はドナルドなくして『雨に唄えば』の成功はなかったと思う。
 その一つの証左が映画のラスト近く、延々と踊りが続きだれてしまう点。なんと、この撮影のとき、ドナルドはいなかった。彼のレンタル契約の期間が切れてしまい、彼は所属の会社に戻ったのだった。そのためジーン・ケリーらはラストを当初の予定から変更を余儀なくされたらしい。もし彼がずっといたら、映画はもっと素晴らしいものになっていた気がしてならない。

 そんな彼の圧巻は、ジーン・ケリーを励ますために歌う Make ‘em laugh だ。彼のそれは豊かな表情、コミカルな動き、人形(のようなもの)と演じるラブシーン、どれを取ってもおもしろい。そして壁を駆け上ってはばく宙を繰り返すアクロバティックなシーン。初めて『雨に唄えば』を見たのは20年近く前だが、記憶に残っていたのはまさにこの歌のシーンだった。
(蛇足ながら、座ってピアノを弾いていたドナルドがパッとピアノに跳び乗り、そして鍵盤の上に立つシーンがあった。『柔道一直線』の近藤正臣を思い出し、思わず笑えた。一部の人にしか通じない、古い話ですみません。)

 何を隠そう、今回、『雨に唄えば』を録画してしまった。話の筋自体は大した内容と思わないが、素晴らしい踊りを堪能し、何も考えずに笑える映画である。物事を考えるのが面倒なときや、ちょっと疲れたときなどに、気楽に見て楽しみたい。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「ザッツ エンターティメント」の映画でで、 (にゃんこままの部屋)
2006-07-13 23:10:14
「雨に歌えば」のジーン・ケリーのワンシーンのみ観ました。有名な「♪シングイング・ザ・レイン♪」で歌い踊る場面です。

ドナルド・オコナーの事は知りません。

でも「柔道一直線」の近藤さんは懐かしいですね。
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一見の価値あり (えんちゃん)
2006-07-15 00:36:31
月並みですが、ドナルド・オコーナーは天才だと思います。そうですね、欽ちゃんとSAMと光GENJIが一緒になったような感じでしょうか(??)。



あの頃の「柔道一直線」とか「サインはV」とか、今にして思うとあり得ない話が多いのに、いつも真剣になって見ていた気がします。懐かしいですね。
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