縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

非常口座席における責任あるいは義務

2013-02-03 00:06:00 | 最近思うこと
 年末年始に今話題のボーイング787に乗った。JALで成田-ボストンを往復し、1月5日、日本に帰って来たのである。そして、まさにその2日後、ボストンのローガン国際空港でJAL機の発火事故が起きた。自分たちの乗っていたときに出火する可能性や、まかり間違えばANA機のように飛行中に出火する可能性もあったわけだし、まったく空恐ろしい話である。

 ところで、今回のボストン便は、行きも帰りも非常口座席に座っていた。非常口座席は、前が空いていて足が伸ばせるし、気兼ねなくトイレに行ったり、立ち上がって運動したりできるから、好きでよく座っている。
 日本の航空会社で非常口座席に座った場合、出発前に「こちらの確認をお願いします。」と言われ、緊急脱出時の援助を依頼する旨の書面を渡される。あとは特段何もない。お互い、事故が起きることなど想定していないのか、お手軽である。
 しかし、今回ANA機が高松空港に緊急着陸した際、初めてスライドシューターで脱出する光景を見た。やはり非常口座席に座るには万一に備えた心構えが必要なのであろう。もっとも、たまたま機内に居合わせたカメラマンの撮った映像を見ると、皆落ち着いていて普段の降機時と変わらない様子ではあったが。

 実は、ボストンからマイアミに飛ぶ飛行機でも非常口座席に座った。アメリカン航空の小さい飛行機である。出発前にフライト・アテンダントが席にやって来て、「非常口座席だけれど大丈夫か?」と聞いてきた。あまり深く考えず「大丈夫。よく非常口座席には座っているよ。」と応えた。彼女は「OK。後でドアの開け方を説明するわ。」と言って去って行った。
 ドアの開け方? もしかすると、とんでもないことを引き受けたのかも知れない。確かに飛行機はほぼ満席であったが、通路を挟んだ逆側の非常口座席は2席とも空いていた。一抹の不安が・・・・。
 暫くして戻って来た彼女は、まず左上にあるカバーを開けてストッパーを外し、下のハンドルを下げれば非常口ドアが開くと教えてくれた。僕は「わかった。」と応えたものの、実のところ、このドアを開けることがないよう祈るしかなかった。

 日本に帰って来て、JALのホームページで非常口座席の注意事項について調べてみた。初めに機内で見せられる6項目の注意事項が書いてあり、その下に「よくあるご質問」とある。初めに「緊急脱出の際、乗務員は、どのような指示を行うのですか?」との質問。
 回答の冒頭、「(1) 客室乗務員が非常口を完全に解放するまでの間、他のお客様を制止すること」とある。えっ、制止? ちょっと待って。日本人相手なら制止できるかもしれないが、アメリカ人相手に制止は無理だ。そもそも命の掛かった極限状態において英語でコミュニケーション取れるか自信がないし、それ以上にアメフト選手のような巨大なアメリカ人が突進してきたら僕などひとたまりもない。それこそ脱出はおろか、突き飛ばされて命絶えてしまうかもしれない。

 漸く僕にもマイアミ行きの飛行機で非常口座席の空いていた理由がわかった。「知らぬが仏」とはこのことか。




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