縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

W杯は誰のもの?

2006-06-10 23:53:00 | お金の話
 サッカー、FIFA・ドイツW杯が始まる。優勝候補筆頭のブラジルと同じグループになった我がジーコ・ジャパン、他の2国も手強く、決勝トーナメントに進出できるか、その活躍に期待したい。

 さて、今日のテーマは、ワールド・カップはワールド・カップでもその経済効果について。公式マスコット、ゴレオ6世を販売するニキ社が倒産するなど、開幕直前に冴えないニュースがあったが、果たしてその効果は如何ほどであろう。

 まずは我が日本。電通の推計によると、ワールド・カップの直接的な消費押し上げ効果は2,241億円、波及効果全体では4,759億円規模とのことである。
 消費への効果が一番大きいのは、薄型テレビ、DVD録画機器、パソコン等購入費やCS/BS等加入料などデジタル家電関連で、約931億円の支出が見込まれる。これは良しとして、更に内訳を見ると、グッズ等購入費427億円、観戦・応援等ツアー代251億円とあり(この二つも納得)、あとは飲食費414億円というのが大きい。
 ん、ちょっと待って、別にW杯があってもなくても飲み食いするでしょ。確かに観戦イベントとかがあるものの、逆にサッカーを見るため外で飲まずに自宅に帰る人も多く、差し引きマイナスでは? 夜の飲み屋街が閑散としていてもW杯期間中の飲食費はアップするのだろうか。うーん、放映権やCM放映料を高くするため、電通が意図的に数字を高くしている気がしてならない。

 この疑問はヨーロッパの国を見て一層深まる。開催国ドイツは政府が30億ユーロの経済効果と言っている。日本円にすると4,300億円強。これは日本の波及効果全体の数字より小さい。世界各国から観戦客が来るにも拘わらずこの金額である。
 一方、サッカー発祥の国、イギリス。イギリスのW杯の経済効果は12.5億ポンド、2,600億円強である。これも日本の金額より小さい。
 データの取り方や経済規模の違いもあるので一概には言えないが、もしこの数字が正しければ、W杯は日本経済のためにあるといっても過言ではない?

 が、それは違う。一番恩恵を被っているのは日本ではなく、何を隠そうFIFAそのものである。テレビの放映権料だけでなんと千数百億円の収入。これに加え、15社のオフィシャル・スポンサーから千億円近く入る。1社あたり31百万ポンド、約65億円だ。日本企業では東芝と富士フィルムがスポンサーになっているが、この金額を払って元が取れるのか、他人事ながら心配してしまう。おまけに放映権料やスポンサー料は次回、南アフリカ大会に向け、更に上がるらしい。下手をすると有料放送でしかW杯が見られなくなるかもしれない。

 しかし、これだけのお金を集め、FIFAはいったい何に使っているのだろう。
 世界の子供たちが安心してサッカーのできる環境を作るため、グランドを整備する、ボールやシューズを寄付する、更には地雷廃絶に協力するなど、是非とも有意義にお金を使って欲しい。

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