縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

「君君たらずといえども臣臣たらざるべからず」

2011-04-19 23:22:01 | 最近思うこと
 タイトルの意味は、『大辞林』によると、「君は君たる徳がなくとも、臣は臣たる道を守って忠義を尽くさなければならないということ。」である。
 論語の言葉かと思っていたが、そうではない。論語の曲解というか、封建君主が自らに都合の良い言葉として用い、我が国で広まったものである。つまり、君主がどんなぼんくらであろうと、家臣はお家のため誠心誠意尽くす、滅私奉公すべきだと、家臣に教えた言葉なのであった。

 この1カ月の政府や東電の不甲斐ない対応を見るに、この言葉が思い出された。トップはあんなにいい加減なのに、現場の方々は死に物狂いで頑張っていられるのかと思うと、本当に頭が下がる。
 勿論、君主やお家への忠誠からだとは思わない。それは純粋な責任感からか、家族や郷土のためか、あるいは日本のため、さらには人類全体のためかもしれない。いずれにしろ、政府がだらしがない・経営陣がだらしがないと言っても始まらない、今、自分がやらねば、との思いなのであろう。そんな方々を、私は陰ながら応援するしかできない。

 危機に瀕して思うが、一国のリーダーの条件とは何であろう。

 自らの信念に基づいて行動すること。私利私欲なく、常に一国のこと、国民全体のことを考えること。国民から信頼されること。どんなに辛いこと、難しいことであろうと決断から逃げないこと。こんな所であろうか。
 残念ながら、菅首相にはまったく当てはまらない感じがする(もっとも安倍首相以降の、1年足らずで政権を投げ出した首相達は皆五十歩百歩であるが)。今回の危機に際し、菅首相がまず考えたことと言えば、パフォーマンス、自らの保身、そして原子力の勉強。そんなことをしてる間に、他にすべきことがあったのではないか。大事な決断が先延ばしされたのではないか。そんな疑問を感じざるを得ない。

 更に、震災後、菅首相にはまったく存在感がなかった。枝野官房長官が連日連夜記者会見で状況を丁寧に説明していたのに対し、首相はほとんど引きこもり状態。会うのは東工大出身の諸先生だけ。ご高説を拝聴し、熱心にお勉強とのこと。
 一国のトップなら、まず国民を励まし、安心を与えるべきではないか。「日本の力を、信じてる」というメッセージは、SMAPやトータス松本ではなく、本来、首相が言うべき言葉だと思う。首相は「政府は復興のため最大限の支援をします。国民は皆、あなたと共にいます。」と被災者の方に伝えるべきだった。
 今さら言っても詮無いことではあるが、つい恨みごとの一つも言いたくなってしまう。

 「君君たらずといえども臣臣たらざるべからず」

 首相がどうあろうと、私たちは一人一人、被災者の方々のため、その新しいスタートのため、できることをやって行きたい。


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