縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

吸う権利と吸わせない権利

2006-06-29 23:52:00 | 海外で今
 来月からたばこが値上げされる。1箱につき20、30円の値上げで、1箱300円程度になる。これが高いか安いかは別として、おかげで今月のたばこの売上げが凄まじいらしい。昨年6月のたばこの出荷量が244億本であったのに対し、今月は400億本を上回る勢いとのことだ。
 愛煙家の方にしてみれば今回の値上げはとんでもない話なのだろうが、いっそのこと一気に1箱500、600円と倍に値上げをして漸く欧米並みの価格になるということをご存知だろうか。つまり、わが国のたばこの価格はまだまだ安いのである。
 こうしたたばこの価格政策にしろ、販売や公共の場所での禁煙といった種々の規制にしろ、日本は世界の流れから取り残されているのが実情だ。

 ではたばこを巡る現在の世界の流れとは何か。一つは消費抑制策の強化。まずは課税により価格を高くすること。全体の需要減を狙うのは勿論のこと、高価格は若年層の喫煙習慣化を防ぐ有効な手段と考えられている。更には広告の禁止や厳しい警告文言の表示義務付けである。先進国の中で“ディライト”とかいってテレビで堂々とCMを流している国は他にないし、欧米諸国の警告文言はより直接的である。日本の「喫煙は肺がんの原因の一つになる」といった甘い表現ではなく、例えばEUでは「喫煙は死に至る」、「喫煙者は早死にする」といった表現まで使われている。
 もう一つは喫煙そのものの規制である。公共の場所や交通機関、オフィスでの禁煙はもはや一般的になり、アイルランド、ノルウェーなどではレストランやバーまでも禁煙になっている。間接喫煙のリスクは極めて高く、分煙だけでは非喫煙者を保護できないとの判断からである。こうして見ると、新幹線の全車禁煙化に反対するどこかの会社はまさに時代遅れと言わざるを得ない。

 今月27日、米国保健福祉省は間接喫煙の健康被害に関するレポートを発表した。もともと喫煙者本人が吸い込む煙、主流煙よりも、たばこの先から立ち昇る煙、副流煙の方が有害物質は多いと言われていた。今回のレポートにはそれを裏付けるデータがあり、又、間接喫煙はたとえ僅かであっても細胞を損ない、がん化のプロセスを促進するとまで言っている。こうなるともう喫煙そのものを禁止するしかない。喫煙禁止令を出す州が増えるのではと新聞記事にあった。

 僕は愛煙家の方のささやかな喜びを取り上げるつもりはない。好きでたばこを吸って多少肺がんなどのリスクが高まろうとそれは本人の自由だし、(以前どこかで書いたが)無理に禁煙させてストレスを高めてはかえってその方が健康に悪いだろう。ただ他人に迷惑を掛けるのだけは止めて欲しい。愛煙家の方には屋外で、青空の下、健康的に(?)たばこを吸って欲しいと思う。
 近くでたばこを吸っている人に対し、直接止めてくれと言うのは角が立ってちょっと言い難い。かといって、禁煙、“No Smoking”といったステッカーを貼って歩くのは仰々しいし、そもそも美しくない。こんなとき、身振りや手振りなどでたばこを止めるよう注意する決め事があればと良いと思う。近くの人がこれをするのを見たら黙ってたばこを消すというルールだ。例えば、人差し指を交差させ×を作るとか、右手でたばこをひねって火を消す仕草をするとか。JTには、僕のようにたばこを吸わない人間への“ディライト”も考えてもらえると有難い。

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