縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

アジアの中の日本

2006-06-08 23:57:00 | 海外で今
 今日でちょうど100回目。我ながらよく続いたものだと感心する。原則、曜日によってテーマを分けて書いている(先月の終わりにちょっと乱れたが)。その中で書くのが難しいのが、火曜日の“環境を考える”と今日、木曜日の“海外で今”である。7つのテーマを決めた時は、新聞やネットを見てればテーマなんか簡単に見つかると安易に考えていた。が、しかし、環境と海外の時事問題は結構難しい。新聞などの受け売りなら簡単だろうが、自分なりに噛み砕いて、そして自分の意見も入れて、と思うと、途端に難しくなる。多分に自分の知識や経験の不足に由るところが大きいのだが、今更言っても後の祭りだ。
 というわけで今日のテーマ、“海外”、“今”、ともに当てはまらないかもしれないが、100回記念ということでご容赦願いたい。

 皆さんは日本がアジアの一員であると意識したことがあるだろうか。日本はアジアにある国だが、唯一の先進国、世界第2位の経済大国であり、他の国とはちょっと違うと思っていたり、単にアジアを直接投資や貿易の相手国としか見ていない人が多いのではないだろうか。かくいう僕も以前はそう思っていたが、ある出来事をきっかけに考えを改めた。

 僕はマレーシア人の学生と一緒にカレーを食べていた。その店のカレーはただでさえ辛いのに、彼は辛さが4倍か5倍の超激辛を顔色一つ変えずに食べている。信じられない。最初はそんな他愛のない話をしていたが、突然彼が言った。
 「以前、田中角栄が東南アジア諸国を周ったとき、何が起こったかを覚えているか?」
僕は答えに窮してしまった。それは10年くらい前、僕が小学生の時の話だ。彼は続けた。
 「タイでは反日デモが起こり、インドネシアでは大規模な反日暴動が起きた。」
そう言われると、日本のオーバー・プレゼンスに対し日本車が焼き討ちされる事件があったという話は聞いたことがある。彼は追い討ちを掛けるように、又、若干吐き捨てるかのように言う。
 「我々はあのとき何が起きたかを覚えている。だが、多くの日本人はそれを覚えていない。どうしてなんだ、我々も日本人も皆アジア人(Asian)じゃないか」
 彼の「日本人も Asian 」という一言がとても新鮮だった。日本人が意識するにしろしないにしろ、日本は同じアジアの一員だと、他のアジアの人達は考えているのだと、このとき初めて知った。

 さて、場面は変わり、時は現在。先般、福田康夫氏がアジア諸国との関係修復のため、新しい総合的な外交政策、いわば新・福田ドクトリンが必要との話をしたそうだ。
 福田ドクトリンというのは、今から30年近く前、東南アジア諸国を歴訪した福田赳夫首相(康夫氏の父)が、田中首相訪問時の反日暴動等を踏まえて発表した、わが国の東南アジア外交の3原則である。①軍事大国にならない、②心と心の触れ合う相互の信頼関係、③対等な協力者としての立場、の3つである。

 この3原則は各国から大変高い評価を受けたが、情けないことに、この30年間、わが国には福田ドクトリンに変わる、新しい東南アジア外交の原則は誕生しなかった。この原則不在が今の中国、韓国との軋轢に繋がっている一因かもしれない。
 次期総裁選の行方は未だ混沌としているが、次の首相にはアジアの中の日本、同じアジアの一員としての日本という視点を常に念頭に置くようお願いしたい。

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2 コメント

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トルコ以来です (Limone)
2006-06-13 13:50:55
こんにちは。久しぶりに覗いてみました。100回記念、おめでとうございます。話題も視点も豊富なブログので、さぞかし書くのに気力が必要だろうな、と思い、続いていることに感動しました!(びっくりもしています・・)

今回のアジアの話、同感です。私見ですが日本人はアジア人としての一体感がなく、どちらかというと西洋人への憧れや、アジア人に対する特権意識が強いような気がします。逆に日本で●●国ボイコット運動や、不買運動が起きるかといったらそれもない。国際的不感症なのでしょうか?西洋に対する憧れが少なくなれば、治る病気かも?縁側さんはどう思われます?
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お久しぶりです (えんちゃん)
2006-06-13 17:56:38
Limoneさん、お元気ですか。

青息吐息ですが、辛うじて(?)続いています。

さて、日本人のメンタリティというか考え方は、基本的に明治の「脱亜入欧」から変わってないと思います。

まあ、日本・日本人以外は「外国」・「外国人」の一言で片付ける民族だから、おっしゃる通り、国際的不感症なのでしょうね。

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