縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

反日デモ ~ 嵐の前の静けさ?

2012-09-19 00:59:10 | 最近思うこと
 今日、9月18日は、満州事変の発端となった柳条湖事件の起きた日。時は、折しも尖閣諸島国有化に反発する反日デモが激化する中。中国当局にデモを強く抑える様子は無く、どうなることかと心配していたが、今日のところは思いのほか静かに終わったように思う。
 しかし、まだまだ安心するには早い。なぜなら、“反日”は中国国民の不平・不満に対する一つのはけ口になっており、それを抑えることが、反政府・反共産党に飛び火しかねないからだ。事実、今回のデモで毛沢東の写真が掲げられていたり、また参加者の中には「毛沢東の頃は良かった。」と言っている者もいるらしい。まったく当局にとっては聞き捨てならない話であり、そこに中国当局がデモを鎮圧できない理由がある。

 “We are the 99%.”という言葉を覚えていると思う。昨年米国で流行った、上位1%の者に富が集中していることを非難する言葉である。金融資本主義のなれの果てかと思うと哀しいが、一方で社会主義のなれの果て、あるいは理想とする共産主義への過渡期、混乱期にあるのが今の中国である。
 都市と農村の格差、共産党や軍の汚職、大卒者の就職難等々、中国において持てる者と持たざる者、富める者と貧しい者との格差は拡がるばかり。その差は日本はおろか、米国よりもひどい。公式には農村部の所得は都市部の1/3と聞くが、実際はそれ以上であろう。残念ながら、中国政府は格差問題に対し有効な対策を取ることができない。ただ経済成長を持続させるしか方策はないのである。
 1990年代後半から行われた愛国主義教育=反日教育も、こうした社会的文脈の中で捉えられる。祖国は愛すべきものであり、日本は悪の象徴、憎むべきものなのである。そんな中国政府が、今さら日本に弱腰になることはできない。

 翻って我が国はどう対応すべきだろうか。
 尖閣問題についていえば、「領土問題は存在しない」との立場ではなく、「我が国の領土が、領有権が侵されつつある」との立場を取り、国際司法裁判所に提訴すべきではないだろうか。中国が受けて立つかどうかはわからないが(勝ち目がないと思えば無視するであろう)、少なくとも我が国の主張を国際社会に訴えることができる。
(副次的な意義として、韓国に竹島問題に係る国際司法裁判所への共同付託を促す効果が期待できると思う。)
 また、略奪等暴徒化したデモによる被害については、中国政府に損害賠償を請求すべきである。

 更に、近年尖閣問題がエスカレートした背景には日中のパワー・バランスの変化があるため、その対応が急務である。
 まずは日米関係の強化。普天間問題での迷走、オスプレイ配備の問題など、日米関係は弱体化しつつあると、中国は我が国の足元を見ている。我が国の政権がどうあろうとも、強固な日米関係の実現、再構築を真剣に検討すべきである。単独で中国の軍事力に対抗する選択肢はないのだから。
 次に、技術力の維持・強化。中国は世界第2の経済大国となり自信を深めている。中国はもはや日本を必要としないが、逆に日本は中国に大きく依存している。よって日本は中国に従うのが得策というのが中国の考えである。確かにそうかもしれない。しかし、中国がまだまだ我が国の優れた技術を狙っている、必要としていることも事実だ(例えば、原子力、自動車等)。政府は、我が国の企業が技術面で中国の先を走り続けるよう強く支援すべきである。

 両国のパワー・バランスに変化、即ち我が国の立場が改善しない限り、尖閣問題に解決はない。


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