縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

九州の旨いもの(その4) ~ プリプリとコリコリ

2008-11-04 00:18:18 | おいしいもの食べ隊
 久々に(2年振り?)、九州の旨いものの話。大分、有田、阿蘇の次は宮崎である。

 9月1日は宮崎県の伊勢海老漁解禁の日である。伊勢海老の産卵が4月から8月のため、漁は9月から3月まで行われている。伊勢海老は秋から冬にかけてが旬、そう、まさに今が食べ頃。東京では高くて手が出ない伊勢海老だが、宮崎なら大丈夫かと思い、我々はいそいそと日南海岸にある『星倉』を目指した。因みに、宮崎は千葉、三重、静岡などに次ぐ伊勢海老の産地なのである。

 『星倉』は宮崎市と日南市との境に近い、小内海というところにある。大きな海老の看板が目印の店である。事前に宮崎県出身者に確認したところ、伊勢海老ならここでしょうと一押しの店だった。
 肝心の料理はというと、伊勢海老定食が3,000円台から何種類かあって、湯がき、刺身、味噌汁など、伊勢海老をこれでもかというまで堪能できる。素材で勝負というか、凝った料理を出すわけではない。荒削りな漁師料理といえるが、プリプリかつ濃厚な味の伊勢海老は大変おいしかった。

 伊勢海老の値段は、感覚的に東京の半分から2/3くらいの気がする。それでも高いことは高いが、まあ許せる範囲である。僕は東京で伊勢海老をほとんど食べない。勿論嫌いなわけではない、好きである。ただ、如何せんコストパフォーマンスが悪すぎる。トロも同じ。大枚の金を叩いて伊勢海老やトロをちょっと食べるより、少ないお金で芝エビやアジを沢山食べた方が良い。生来、貧乏性なのである。
 マグロの養殖の話は以前書いたが、伊勢海老の養殖も極めて難しいらしい。伊勢海老は、卵から孵化して大人になるまでの時間が長く、かつその間の死亡率が高いからだという。もっとも伊勢海老の生態が解明され、そして技術が進歩し、いつの日か伊勢海老の養殖も可能になるかもしれない。そうすれば伊勢海老も手頃な価格になって、もっと気軽に食べられるだろう。
 ん、待てよ、そんな時代になると天然物の稀少性が増し、それこそ天然物の伊勢海老は我々庶民の口にまったく入らなくなるかもしれない。そう、今のうなぎのように。

 というわけで、うなぎの話。
 生まれて初めてうなぎの刺身を食べた。綾町の『一力』という店である。うなぎの血には「イクシオトキシン」という毒があり、加熱すれば問題ないが、生で食べると中毒を起こしてしまう。だから僕の中でうなぎは焼いて食べるものであった。そのためメニューにうなぎの刺身や洗いとあるのを見つけて、本当に驚いた。
 さて、味はというと、これが結構いける。コリコリとした歯応えが良い。あなごの刺身は食べたことがあるが、うなぎの方がおいしい。あっさりして淡白なあなごに対し、うなぎは脂がのっていた。

 が、何故この店のうなぎは刺身で食べられるのかが、よくわからない。どうも特別な処理をしている様子はなかった。ということは、うなぎそのものが違う?? ここのうなぎは「ネッカリッチうなぎ」との説明があった。樫やしいなど常緑広葉樹の樹皮を炭化させて作る飼料が「ネッカリッチ」であり、それを食べて育ったうなぎとのこと(つまり、養殖うなぎである)。
 ウーン、どこか怪しい気がしないでもないが、幸い中毒にはならなかったし(運が良かった?)、刺身はおいしかったし(沢山食べたいとまでは思わないが)、取り敢えずは「ネッカリッチ」パワーに敬意を表することにしよう。

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