縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

京都議定書の行く末

2006-06-13 23:53:00 | 環境を考える
 先月世銀が発表した“Little Green Data Book 2006”によると、2002年のCO2排出量は240億立方トンとこの10年で15%も増加している。CO2の多くは欧米や日本など先進国により排出されているが、足下、発展途上国、特に中国とインドの排出量が急増している。過去10年で中国は33%増加、インドに至っては57%増加している。このため中国はCO2排出量でアメリカに次いで世界第2位、インドも日本を抜いて第4位となっている。

 CO2のほとんどは化石燃料の燃焼によって排出されており、中でも発電の占める割合が高い。電源別にCO2の排出量を見ると、大雑把に、石炭を10とすれば石油7、LNG 5~6、水力・原子力その他0.5以下、である。したがって発電量に占める石炭火力の割合が高い国は自ずとCO2排出量が多くなってしまう。石炭火力の比率は中国で79%、インドでは68%と共に高水準である。発展途上国は総じて50%に近い水準だ。

 更に悪いことに、中国はエネルギー効率も悪い。エネルギー消費1単位(原油換算)当たりのGDP(即ち、原油1kgを使って生み出されるGDPの金額)を見ると、中国は4.5である。これに対し日本は6.5、又、産業構造の違いからかインドは5.3と比較的高い。つまり、中国はGDPを増やすには多量のエネルギーが必要なのである。又、中国はGDP 1単位あたりのCO2排出量も0.6と高い(日本は0.4、インドは0.5)。
 中国は13億という巨大な人口とエネルギー効率の悪さが相俟って、一方、インドは11億近い大きな人口を要因として、経済成長とともにCO2排出量が急増しているのである。

 ところで、先進国の中で中国に似た国がある。アメリカだ。石炭火力の割合51.4%、エネルギー消費1単位(原油換算)当たりのGDPは4.5、GDP 1単位あたりのCO2排出量0.6 と、いずれも発展途上国と同じ水準である。加えてアメリカのたちが悪いのは、一人当たりのCO2排出量が20.2立方トンと極めて多いことだ。発展途上国は2前後であり、そのほぼ10倍。日本(9.4)と比べても倍以上の水準である。
 まさにアメリカはエネルギーを、それこそ“油”水のように使い、浪費しているのである。最近の原油高で少しは節約するようになったかもしれないが、長年身に着いた習慣は一朝一夕には変わらないであろう。

 しかし、このアメリカも、中国も、それにインドも参加していない京都議定書、どこまで実効性があるのだろう。なんともそら恐ろしい。

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