縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

ビールの街、ミュンヘン

2006-06-05 23:24:29 | もう一度行きたい
 今日はドイツW杯にちなみドイツの話である。札幌育ちの僕としては、ドイツといえばやっぱりミュンヘン。両者の共通点、第一にビールの本場であること、第二に1972年にオリンピックが開催されたこと(札幌:冬、ミュンヘン:夏)、である。オリンピックをきっかけに両市は姉妹都市になっている。
 もっとも最近ではGKカーンの所属するサッカー・チーム、バイエルン・ミュンヘンの方がビールやオリンピックより有名かもしれないが。

 ミュンヘンの思い出といえば、まずはビール。おそらく世界で最も有名なビア・ホール、ホーフ・ブロイハウスである。その規模というか、何百もの客が飲んで騒いでいる様に圧倒される。ジョッキは日本の大ジョッキより一回り大きい気がするが、皆、何杯も何杯も飲んでいる。また、そのジョッキを運ぶウェートレスが凄い。両手で大きなジョッキを10個以上持って運んでいる。勿論、体は運ぶビールの量に負けない立派な体格である。

 店内は長いテーブルの両側に椅子が並んでおり、他の客との相席になる。騒がしく、皆、友達といったムードだから、自然とお隣さんと仲良くなる。僕の隣は地元のおやじさんのグループと、シュットガルトから来た若いインテリ風の人だった。 ビールを飲み、ソーセージをつまみ、またビールを飲む。残念なことに地元のおやじさん達は英語ができない。辞書を片手に拙いドイツ語で話すが、なかなか話が続かない。嗅ぎタバコを勧められたが、ドイツ語で説明されても嗅ぎ方がよくわからない。次第に、賑やかな店内の中、ここだけ異次元というか、静かな空間になってしまった。
 一方、もう片方のインテリ青年、彼は英語を話す。彼も店に一人で来ていた。それに、どうも地元の労働者の雰囲気に慣れなかったのかもしれない。彼は僕に大変親切にしてくれた。ビールを一杯ご馳走してくれたし、つまみを頼んだりといろいろ世話を焼いてくれた。
 
 店の喧騒の中で、論理的で、規律を重んじるドイツ人の違った一面を見た気がした。群集心理なのか、仕事から開放された喜びなのか、ドイツ人らしくない盛り上がりだった。反面、これは恐ろしくもある。ヒトラーは民衆を扇動するのに、ここホーフ・ブロイハウスを使った。日常のしがらみを忘れ、人々の気持ちが高揚する場を上手く利用したのである。もう2度とビールを楽しむ目的以外で使われないよう祈りたい。

 さて、もう一つの思い出は美術館。ミュンヘンにはアルト・ピナコテークとノイエ・ピナコテークの二つの美術館がある。前者は古典が主で、後者は印象派以降の新しいものが主である。あまり有名でないので、さほど期待せずに入ったのだが、予想外に良い美術館だった。個人的にはモネ、ゴッホ、ゴーギャンなどがあるノイエの方が気に入った。さすがは歴史あるバイエルンの都、ミュンヘンである。現在でもBMWの本社があるし、裕福な町なのだろう。

 ミュンヘンで有名なイベントといえば、9月中旬から10月初めのオクトーバー・フェスト、世界最大のビールのイベントだ。この時期のミュンヘンはビールにはちょっと寒い気がするが、本場のイベントには何か魔法があるのかもしれない。その真偽を確かめるためにも、オクトーバー・フェストに合わせ、もう一度ミュンヘンを訪れて見たい。