縁側でちょっと一杯 in 別府

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今、沖縄があつい ~ さとうきびをバイオ燃料に

2006-04-04 22:56:29 | 環境を考える
 "あつい"といっても、勿論気温の話ではない。さとうきびから作る自動車燃料、バイオエタノールの話だ。
 今、バイオエタノールは地球にやさしいバイオマス燃料として注目されている。バイオマスとは動植物から生まれた再生可能な有機性資源であり、家畜排泄物、生ゴミ、木屑、もみがらなどがある。わが国は総エネルギーの1%程度しかバイオマスエネルギーを利用しておらず、その比率は欧米諸国の1/2、1/3に過ぎない。地球温暖化防止、CO2排出防止のため、バイオマスの利用拡大が求められている。

 さとうきびといえば、やはり沖縄。海外とのコスト差から年々生産量は減っているが、依然として沖縄を代表する農作物である。バイオエタノールはさとうきびの搾り汁から砂糖を取り、残った糖蜜を発酵、蒸留して作られる。現在実用化に向け、宮古島:石油卸会社、伊江島:ビール会社、の2箇所で実験、研究が進められている。市や村の公用車が、ガソリンにエタノールを3%混合させた燃料E3を使って走っているそうである。因みにこの3%というのは現在わが国の法律で認められた混合比の上限である。

 このようにまだまだ実験段階であるわが国に対し、さとうきびの一大生産国であるブラジルでのバイオエタノールの普及は著しい。ガソリンに20~25%のエタノールを混ぜることが義務付けられ、さらに100%エタノールで走る車まである。
 又、トウモロコシからエタノールを作るアメリカや、EUでもエタノール混合比の数値目標が設定され、その普及が促進されている。もっともアメリカの場合、ハイブリッド車の開発に遅れた自国の自動車メーカーを支援する意味で力を入れている面もあるようだ。エタノール専用のエンジンではGMなどに一日の長がある。というか、日本の自動車メーカーは今まではエタノール・カーにまったく関心がなかったのである。

 こうした中、この1月、石油連盟は2010年度を目処にガソリン需要量の2割に、バイオエタノールを原料とする添加剤ETBEを3%混ぜるとの方針を打ち出した。日本も漸くこれで欧米に一歩近づく。
 が、しかし、ちょっと待って。このバイオエタノールって、どこから来るの? 残念ながら、エタノール年間36万キロリットルは国産ではなくブラジルからの輸入だ。ということは輸送に燃料、それも化石燃料を使う。ETBEは日本で作るのだろうが、それに要するエネルギーは? などと考えると、無理してエタノールを混ぜる必要はあるのかなと思う。いったい、どちらが地球環境にやさしいのだろう?