荒唐無稽というかマンガみたいなストーリーである。突っ込みどころ満載。まあ一言で言えば、家族愛の物語である。ただこの“家族愛”はちょっと複雑。本当は夫であり子どもたちの父親であるのに名乗ることのできない主人公。なぜなら彼は性別適合手術により女性へと生まれ変わったから。
舞台はメキシコ。メキシコ最大の麻薬カルテルのボス、マニタスは実はトランスジェンダー。身体的には男性であるが心は女性。しかし、彼は生き延びるため、暴力を厭わずマッチョに生きてきた。結婚し子どもも2人いる。が、彼は自らの性自認を偽って生きることに疲れてしまった。ついに彼は見ず知らずの土地で女性として一人静かに生きることを選ぶ。
その手助けをし、彼に新たな人生を用意すべく雇われたのが女性弁護士のリタ。有能な若い弁護士であるが、金のためなら犯罪者でも無罪にすべしという事務所で働いている。彼女は心身ともに疲れ自分を見失いそうになり、やはり現実からの脱出を夢見ていた。そんな彼女の大活躍により(一介の若手弁護士にこれだけのことが出来るのかという疑問はさておき)、マニタスは新しい人生を手に入れた。多額の報酬を得たリタもイギリスに移住し、新たな生活をスタートさせた。
そして数年後、女性となったマニタス、“エミリア・ペレス”が突然リタの前に現れる。エミリアは、自分の妻と子どもたちとメキシコで一緒に暮らすことを熱望していた。勿論自分がマニタスであることは明かせない。そのため事情を知るリタの協力が不可欠なのであった。乗りかかった船とリタはエミリアの手助けをする。秘密を共有する二人は仕事でも重要なパートナーとなり、さらには女性同士というより一個の人間として互いの友情、信頼を深めて行く。
一方、マニタスの妻は、エミリアをマニタスのいとこと聞かされており、子どもたちに異常な愛情を注ぐエミリアに次第に不審を抱く。加えて、かごの鳥のような生活に耐えられなくなった妻はエミリアのもとを去ることを決意する。そこに妻のボーイフレンドのチンピラも加わり、事態は意外な展開を見せる。
ところで、この映画はミュージカルである。メキシコが舞台のため映画で話されるのはスペイン語。よって歌もスペイン語である。歌詞が英語であっても僕は満足に聞き取れないがスペイン語だと諦めが付く。歌詞よりも俳優の表情や踊り、歌のリズムを楽しんだ。特にリタを演じるゾーイ・サルタナ(祝・アカデミー助演女優賞!)が良い。彼女はドミニカ系アメリカ人であり母国語はスペイン語、また元々ダンサーである。彼女の躍動感のある踊りが良かった。リタを演じるのにうってつけの女優である。
この映画はフランス映画であり、ハリウッド的なハッピーエンドでは終わらない。物語としては悲劇である。しかし、エミリア・ペレス、いやマニタスは、女性として生まれ変わったことを後悔していない。エミリアになった彼は本当に生き生きしていた。が、真実を明かさない限り、すべて元通りとは行かない。それが哀しい結末を招いてしまう。
残念ながらこの映画は、映画そのものではなく、何かとそれ以外のところで話題が多かった(アカデミー賞絡みのあら探し??)。しかし、そんな雑音を気にする必要はない。純粋に映画を楽しもう。歌あり踊りあり、そして怒濤のストーリー展開。若干無理があるなと思いながらも話に引き込まれ、あっという間に2時間が過ぎてしまうに違いない。
舞台はメキシコ。メキシコ最大の麻薬カルテルのボス、マニタスは実はトランスジェンダー。身体的には男性であるが心は女性。しかし、彼は生き延びるため、暴力を厭わずマッチョに生きてきた。結婚し子どもも2人いる。が、彼は自らの性自認を偽って生きることに疲れてしまった。ついに彼は見ず知らずの土地で女性として一人静かに生きることを選ぶ。
その手助けをし、彼に新たな人生を用意すべく雇われたのが女性弁護士のリタ。有能な若い弁護士であるが、金のためなら犯罪者でも無罪にすべしという事務所で働いている。彼女は心身ともに疲れ自分を見失いそうになり、やはり現実からの脱出を夢見ていた。そんな彼女の大活躍により(一介の若手弁護士にこれだけのことが出来るのかという疑問はさておき)、マニタスは新しい人生を手に入れた。多額の報酬を得たリタもイギリスに移住し、新たな生活をスタートさせた。
そして数年後、女性となったマニタス、“エミリア・ペレス”が突然リタの前に現れる。エミリアは、自分の妻と子どもたちとメキシコで一緒に暮らすことを熱望していた。勿論自分がマニタスであることは明かせない。そのため事情を知るリタの協力が不可欠なのであった。乗りかかった船とリタはエミリアの手助けをする。秘密を共有する二人は仕事でも重要なパートナーとなり、さらには女性同士というより一個の人間として互いの友情、信頼を深めて行く。
一方、マニタスの妻は、エミリアをマニタスのいとこと聞かされており、子どもたちに異常な愛情を注ぐエミリアに次第に不審を抱く。加えて、かごの鳥のような生活に耐えられなくなった妻はエミリアのもとを去ることを決意する。そこに妻のボーイフレンドのチンピラも加わり、事態は意外な展開を見せる。
ところで、この映画はミュージカルである。メキシコが舞台のため映画で話されるのはスペイン語。よって歌もスペイン語である。歌詞が英語であっても僕は満足に聞き取れないがスペイン語だと諦めが付く。歌詞よりも俳優の表情や踊り、歌のリズムを楽しんだ。特にリタを演じるゾーイ・サルタナ(祝・アカデミー助演女優賞!)が良い。彼女はドミニカ系アメリカ人であり母国語はスペイン語、また元々ダンサーである。彼女の躍動感のある踊りが良かった。リタを演じるのにうってつけの女優である。
この映画はフランス映画であり、ハリウッド的なハッピーエンドでは終わらない。物語としては悲劇である。しかし、エミリア・ペレス、いやマニタスは、女性として生まれ変わったことを後悔していない。エミリアになった彼は本当に生き生きしていた。が、真実を明かさない限り、すべて元通りとは行かない。それが哀しい結末を招いてしまう。
残念ながらこの映画は、映画そのものではなく、何かとそれ以外のところで話題が多かった(アカデミー賞絡みのあら探し??)。しかし、そんな雑音を気にする必要はない。純粋に映画を楽しもう。歌あり踊りあり、そして怒濤のストーリー展開。若干無理があるなと思いながらも話に引き込まれ、あっという間に2時間が過ぎてしまうに違いない。