ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

はじめにお読みください

健保連大阪中央病院に勤務するラパロスコピスト(腹腔鏡術者)のブログです。婦人科腹腔鏡下手術、子宮内膜症、慢性骨盤痛等の治療を専門としています。

このブログでは腹腔鏡下手術、子宮内膜症、子宮筋腫に関する基本的な事柄については解説していません。まず、下記のウェブサイトをご覧になることをお勧めします。
日本子宮内膜症協会
子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ

手術を希望される方はこちらをご覧ください。

医療相談、ご質問にはお答えしませんのでご了承ください。

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直腸子宮内膜症は切除する必要があるのか?その12

2006-05-17 | 子宮内膜症
前回まで直腸手術の合併症について述べてきた。これらの多くは稀であり、普通の重症子宮内膜症の手術ではほとんど起こらない。

広範な剥離操作とラジカルな切除をするのだから、術後の癒着はどうなんだろう?という疑問もあるだろう。

実際どうなのか?ある程度は癒着しているようだ。もともと癒着しているところを剥がすのだから、再度癒着してしまうのはやむを得ない。ただ、子宮と直腸はよく癒着するものの、卵巣、卵管の周辺はあまり癒着しないようだ。骨盤側壁の子宮内膜症を切除したときも卵管、卵巣の癒着は比較的少ない。(とC.H.Koh, Grace Janikは言っている)

術後の癒着よりは子宮内膜症を放置して癒着や炎症が進行していくことのほうが問題だと思う。

術後癒着の対策は術者にとっては大きな問題だ。現在でも多くの癒着防止剤が出ているのだが、完全に癒着を予防できるものはない。今後も進歩していくことが期待される。
コメント
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