D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Above Below And Beyond('92) / Jennifer Batten

2007-02-01 22:56:32 | jeff beck-connection
早いもので、もう2月です。
ギター強化月間(月は変りましたが!笑)・・というお題でここのところお送りしておりますが、全然華がないじゃん!と、また思いつきました。
たまには女子かなァと思い巡らし、棚を見ても・・これしかねえか。(涙)
・・萌え萌えを期待された方々には申し訳ないですが(誰やねん?笑)ちょっと萎えてもらいましょう。(爆)

Jeff Beck(ジェフ・ベック)御大のファンの間では、今や超メジャーになった感もあるタッピングの名手Jennifer Batten(ジェニファー・バトゥン)女史です。
一部では、サイボーグちゃうか?なんて陰口も叩かれてますネ・・ワシかい?(笑)
女子に歳のお話はご法度ですが、念のため・・'62年11月29日ニューヨーク出身の、現在44歳・・結構往ってたんですね。(驚)

私が彼女を始めて聴いたのは・・ってゆうか観たのは、Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)のジャパンツアー'87で、今は無き西宮球場でのライヴステージでした。
髪をおっ立てて、遠目にはモヒカンみたいに見えましたし、あまりにアグレッシヴな動きだったので、当時はお兄ちゃんだと勘違いして観てた記憶があります。
そんな事実もあったりするように、彼女のキャリアはこのマイケルのバンドで花開いたようですね。
彼のバンドを抜けたあと、自身のデヴュー作となった本日のこの作品の制作に着手したようです。
・・リリース時にはすでに30歳だったんだ。

まずプロデュースはMichael Sembello(マイケル・センベロ)・・シザ、メ~ニアック、メ~ェニアック・・のあの人ですね。
ジェニファー自身はギター、ヴォコーダー・ヴォイス、アレンジを担当し、Stephen Klong(d) Shokti(d) Andre Berry(b) の3名が基本的ラインナップのようです(組み合わせは不明)。
その他、曲ごとに数名参加してる、といった趣向ですネ。

1.Flight Of The Bumble Bee
リムスキー・コルサコフ作‘熊ん蜂の飛行’です。
クラシックというより現代音楽になるのかな・・オケバックにひたすら超高速で弾きまくってます。
タッピング&フルピッキングで行けるとこまでGO!って感じかな。

2.Ya Ain't Nothin' Like A Faster Car
高速シャッフルのブギー・・ボコーダ使ったサビのスキャットが印象的です。
アーミングとワウで猫ちゃんがミャウミャウ騒いでるようなソロやアグレッシヴなフルピッキング主体の高速ソロのオンパレードです。
タッピングも後半炸裂・・持てる技を全て使い尽くしましたって感じです・・マジ凄い。

3.Wanna Be Startin' Somwthin'
マイケル・ジャクソンの名作Thriller('82)のオープニングナンバー。
完璧にリスペクトですが、全部ギターで表現しようとしてます。
アーミングが異常に上手い方です、ホント!

4.Respect
オーティス・レディングのカヴァーのようです・・よく知りませんが。
Kali of Medusaって方(♀)がリード・ヴォーカルとしてクレジットされてます・・ハスキーなブルーアイドソウルって感じですね。

5.Cat Fight
タイトルどおりサカリのついた猫ちゃんの喧嘩でしょうネ・・うるさいったらありゃしない。(笑)
アーミングとワーミー・ペダルかな・・見事に猫ちゃんを仕上げてます。

6.Headbangers Hairspray
速い速い・・ひたすら弾きまくりです。
物凄くカッチリ創っており、かなり細かく効果を変えながら色んな音で楽しませてくれます・・エフェクターの見本市みたいだな。(笑)

7.Whammy Damage
超短いタッピングエチュード・・ヴァンヘイレンの暗闇の爆撃機(Eruption)をかわいらしくしたような感じでしょうか。

8.Secret Lover
幾分ペースを落としながら、おそらく自身のヴォーカルだと思いますが、ヴォコーダーでのポップなヴォーカルナンバー・・ラップもやってます。
フレットの端から端まで使ってるようなめまぐるしいソロがカッコいいです。

9.Voo Doo
センベロの曲です・・ハードだけどポップでかっこいいセミ・ヴォーカル曲・・ヴォコーダで入れてますが。
叫ぶようなオブリがカッチョええです。

10.Cruizin' The Nile
ギターでチョッパー的なタッピングやってるんでしょうかね・・エキゾチックでファンキーな曲です。
リズムボックスをバックにほぼソロパフォーマンス状態・・女性(子供?)の掛け声みたいなのや、コンガ、笛などに加え街中の雑踏や水音などのSEも織り込まれており、気分はカイロ?

11.Tar-Zenz Day Off
野獣の鳴き声のSEから始まる、ちょっとドゥームな雰囲気の曲・・ブルースっぽい感じもします。
・・ターザンの休息ですか、なるほど。

12.Giant Steps
ジョン・コルトレーンの超名曲をカヴァー・・今回改めて気が付いたのですが、2ヴァージョン入ってました。(汗)
最初は、RadioScanとJazzPoliceと題し細切れトークのSEに紛れながら、まるでウエス・モンゴメリーみたいなフルピッキングでのジャズヴァージョン。
続いて、タッピング炸裂のメタルヴァージョン・・GuitarPracticingMusiciansでのヴァージョンと似てます、が、こっちはバックが生でメッチャライヴですが、GPMの方は全て打ち込みだったのが大きな違いです。
・・どっちにしても、ちょっと聞いただけではジャイアント・ステップスとは思えませんネ。

13.Mental Graffiti
メタリックなインスト・・トリオなのに目いっぱいヘヴィーです。
バックのD&Bもライブな感じでご機嫌ですね。
彼女はエフェクターの切り替えもしかり、音色のチェンジが実に上手いです。
ソロの盛り上げ方なんかも、女性らしくない・・実に野性的というか、でも知的でゾクゾクするほどスリリングですよ・・たまらん!



彼女のギターの特徴は、何といっても非ブルース的な極度の無機質さ、といえるような気がしてます。
もちろんブルース・フィーリングなしでヘヴィーロックは成り立たないことは自明の理ですが、あえてウエットなインプロっぽいものを排除しようとしてるフシがありありと感じられるんですよね。
その辺はスティーヴ・ヴァイ師とちょっと似てるかもしれません、が、隙が一切ない!のがヴァイ師と最大の違いでしょう・・それは色気と言うべきかもしれませんが。
頭で組み立てたフレーズで完璧に構成しながら、色気より根性じゃい!って感じで、まるでクラシックのプレイヤーよろしく、迷いが一切感じられないプレイなんですね、これが。

ぜひ、お勧めしたいですが、国内での流通はおそらく極少数だと思いますので、ネット等で運良く巡り合えた折には迷わず入手してください。
・・ギター好きなら絶対損しませんって。(笑)
【'10年3/10追記:邦盤として'07年9月にリリース済みで、現在は充分入手可能です。】


彼女の他の関係作としては、昨年当ブログでアップした‘Guitar Practicing Musicians’や‘Carmine Appice's Guitar Zeus’などの他、自身の2nd作‘Jennifer Batten's Tribal Rage('97)’などがあります。
また'99年以降はジェフ・ベックのバンドメンバーとして‘Who Else’‘You Had It Coming’のレコーディングやツアーに参加し、御大を大いに盛り立ててくれました。
最近の活動は、なかなか耳に入って来ませんが、まだまだがんばってほしいですね。


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
来日するらしいです (Cacao)
2007-02-03 00:46:55
ジェニファ様だ~

人づてですが、3月にゴダイゴとお仕事でいらっしゃるとの話。
なんか、想像できませんが…(^^ゞ
 
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Cacao様 (elmar35)
2007-02-03 18:46:33
コメントありがとうございます。
・・ゴダイゴですか?どんな関係なんでしょうね。(笑)
面白い情報ありがとうございます。
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この方ですね (みゆぴか)
2007-02-05 23:31:37
去年の追っかけでお世話になったtomoxさんがかのじょ
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すみません (みゆぴか)
2007-02-05 23:45:18
途中で送信してしまいました。
去年アメリカでお世話になったtomoxさんが、彼女に逢った時の模様です。
http://newyorkcity.blog36.fc2.com/blog-entry-122.html#comment
彼女は先日のTerry Bozzioのドラムクリニックにも参加しています。私は行かなかったのを大変後悔しております(T_T)

☆先日の賜りもののお礼もきちんとしていなくて申し訳ありません。どうもありがとうございます。しっかと堪能させていただきました。
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みゆぴか様 (elmar35)
2007-02-06 00:02:59
コメントありがとうございます。
今年初めてかな・・よろしくお願いします。
記事アップしたのとシンクロしちゃってコメントが飛んじゃったのかなと思ってました。(笑)
早速楽しませて頂きました・・とても寄って行ける雰囲気じゃないですが、面白い裏話がいっぱいあるんですね。

・・こちらこそ女房がお世話になり恐縮です。
またなんかの機会にお会いしたいですネ!(笑)
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