
recorded at Van Gelder Studios on May 24,25&26,and June 18,1976
produced by Creed Taylor
最近は、前職場での大仕事を速く後任に引き継ぐべし、ってんで妙に慌しい日々が続いております。
残る仕事も、今月中になんとか出来そうなところまでたどり着き、少し小休止な週末でした。
閑話休題。
さて、あんま活きの良いネタも無いんで、長期フォロー案件の2順目いきます。
ホールズワース先生の初ソロ作として知られる“Velvet Darkness”ですが、この作品は本人からかなりその存在意義に否定的な見解がなされているのは、ご周知の通りです。
プロデュースは、あのCTIの総帥クリード・テイラーですね。
本人曰く、数日のセッションを録り溜めしてお払い箱になり手直しとか仕上げについて一切関わる事が出来なかった、というのがその原因とされてます。
しかしながら、'90年代後半より、来日時には必ずと言っても良いくらいこのCDをライブ会場で売ってた訳で、それはそれって事なのか釈然としない部分もある訳で。
ま、想像ですが、先生が嫌っているとされる作品は、総じて自分の権利が一切無く手の届かないところで動かされているものばかりのようなんですね。
要するに、今更修正不可能な事、あるいは、充分な報酬を得ておらず、例え売れても一切自身の利益にならない、てのが勺に触ってるだけなんじゃないかな?なんてね。(笑)
で、この作品は、'94年に我国で初CD化としてリリースされており、その時点ではLP時代の収録曲のみで構成されたCTI原盤となっていました。
ところが、USではEpicより単独作品としてリリースされ、その折に5曲ものボートラ付きとなっております。(リリース年の詳細不明)
このヴァージョンは、多分最近でも比較的手に入れやすい状況で流通している、と思われます・・多分。(汗)
personnel:
Allan Holdsworth(e&a-g,violin)
Alan Pasqua(kb)
Alphonso Johnson(b)
Narada Michael Walden(d)
この面子でのキーマンは、多分アルフォンソ・ジョンソンじゃないかと思います。
元々、トニー・ウィリアムスがギターを探していた折に仲介役となったのが彼だし、レーベルの関係からも人選に関して咬んでいても不思議はありませんしね。
マイケル・ウォルデンが、たまにそのトニーに被るような好演を残しており、この辺もそんな人選の一因だったのかな。
・・パスカは言わずもがな、でしょうね。
余談ですが、本作プロデューサーの繋がりで、この収録のすぐ後にペダル・スチール奏者として参加したのが、Esther Phillipsの“Capricorn Princess”との事で、その仕上がりも確認できてないようです。
しかし、その割りに出来は全然嫌ってない訳で、おそらく結構儲かった為じゃなかろうか?と邪推してみたくなります。
tracks:
1.Good Clean Filth
2.Floppy Hat
3.Wish
4.Kinder
5.Velvet Darkness
6.Karzie Key
7.Last May
8.Gattox
bonus tracks:
9.Good Clean Filth(alternate take)
10.Kinder(alternate take)
11.Velvet Darkness(alternate take)
12.Karzie Key(alternate take)
13.Gattox(alternate take)
改めて聴いてみれば、結構聴き応えもあるんですよね。
それなりに面白い作品じゃないかと思います。
まずは、#1“Good Clean Filth”。
これはくだんの“Believe It”収録曲である“Mr.Spock”の発展系じゃないでしょうか?
#3“Kinder”が、同様に“Fred”のアコウスティック・ヴァージョンである事と共に、やはりトニー・ウィリアムスとの協働直後の状況として、如何に持ちネタが少なかったかと言う事が伺い知れる訳ですね。
曲名を変えてまで、自分の書いたマテリアルを使いまわすしかなかった、という事でしょうか。
多分、ラストの#8“Gattox”なんかも、基本は同様の流れじゃないのかなと思いますが、これはこれで曲としてのオリジナリティも感じられ、意外に歪み充分な音で切れ捲くってますね。
・・あ、これ一押し。
また、タイトル曲である#5“Velvet Darkness”と、#3“Wish”については、多分デヴュー作となった“'Igginbottom's Wrench”収録の“Golden Lakes”の発展系と考えられます。
それぞれ、テーマのメロディでの若干の違いや、歌のあるなし、あるいは構成等“別曲じゃね?”というご指摘も有ろうかとは思います。
しかしながら、先生はこのメロディあるいはコード進行に甚く執着していたフシがあり、後年自身の煩悩がようやく結実した本当の意味でのソロデヴュー作“i,o,u”で“The Things You See”として完成に至ったのではないかと。
これらの一連の流れを何度も聴く中で、やはり個人的にはこう感じずには居られんのです。
ついでに、ご周知の事実ですが、更にその後、盟友Gordon Beckと“The Things You See”というトドメの作品まで出しており、そこまでなぜ演る?みたいな部分もありますがね。
ま、欲望は留まるところ無し、って感じでしょうか?
このような、関連作との共通項を交えながらも、それなりにオリジナルな感じもあります。
#2“Floppy Hat”は、アコギによる独り二重奏で、“My Favorite Things”ぽいメロで、落ち着いたジャジーな感じが結構良いですね。
#7“Last May”はアコギソロのようで、凄く短い曲ですが、これも凄く良い感じ。
あと、#6“Karzie Key”なんて、結構スピーディなテーマに加え、ヴァイオリンでのインプロなんかもあって、これはコレで、みたいな。(笑)
この頃は、まだディストーションも普通に使ってた時期だし、このテーマみたいにマンマな音が実にカッチョよろしい。
世の中のホールズワースファンの大半は、多分こういう音や、ラストの“Gattox”全般で鳴り響く歪み系のプレイにノックアウトされてるんじゃないでしょうかね。
・・かく言う俺もその一人です。(笑)
あとのボートラは、すべてアウトテイクって事で、メンバー各人の出来にバラツキがあります。
でも、聴き方によっては、こっちもアリかもみたいな部分も少しありますが、聴き比べればやはりね。
いわゆる“資料的価値”としての位置付けとして聴くべしかも、ですね。
こんな感じで、邦盤よりも安いし、お得感もあります。
てな訳で、これから聴くという方には、こちらをお勧めします。
produced by Creed Taylor
最近は、前職場での大仕事を速く後任に引き継ぐべし、ってんで妙に慌しい日々が続いております。
残る仕事も、今月中になんとか出来そうなところまでたどり着き、少し小休止な週末でした。
閑話休題。
さて、あんま活きの良いネタも無いんで、長期フォロー案件の2順目いきます。
ホールズワース先生の初ソロ作として知られる“Velvet Darkness”ですが、この作品は本人からかなりその存在意義に否定的な見解がなされているのは、ご周知の通りです。
プロデュースは、あのCTIの総帥クリード・テイラーですね。
本人曰く、数日のセッションを録り溜めしてお払い箱になり手直しとか仕上げについて一切関わる事が出来なかった、というのがその原因とされてます。
しかしながら、'90年代後半より、来日時には必ずと言っても良いくらいこのCDをライブ会場で売ってた訳で、それはそれって事なのか釈然としない部分もある訳で。
ま、想像ですが、先生が嫌っているとされる作品は、総じて自分の権利が一切無く手の届かないところで動かされているものばかりのようなんですね。
要するに、今更修正不可能な事、あるいは、充分な報酬を得ておらず、例え売れても一切自身の利益にならない、てのが勺に触ってるだけなんじゃないかな?なんてね。(笑)
で、この作品は、'94年に我国で初CD化としてリリースされており、その時点ではLP時代の収録曲のみで構成されたCTI原盤となっていました。
ところが、USではEpicより単独作品としてリリースされ、その折に5曲ものボートラ付きとなっております。(リリース年の詳細不明)
このヴァージョンは、多分最近でも比較的手に入れやすい状況で流通している、と思われます・・多分。(汗)
personnel:
Allan Holdsworth(e&a-g,violin)
Alan Pasqua(kb)
Alphonso Johnson(b)
Narada Michael Walden(d)
この面子でのキーマンは、多分アルフォンソ・ジョンソンじゃないかと思います。
元々、トニー・ウィリアムスがギターを探していた折に仲介役となったのが彼だし、レーベルの関係からも人選に関して咬んでいても不思議はありませんしね。
マイケル・ウォルデンが、たまにそのトニーに被るような好演を残しており、この辺もそんな人選の一因だったのかな。
・・パスカは言わずもがな、でしょうね。
余談ですが、本作プロデューサーの繋がりで、この収録のすぐ後にペダル・スチール奏者として参加したのが、Esther Phillipsの“Capricorn Princess”との事で、その仕上がりも確認できてないようです。
しかし、その割りに出来は全然嫌ってない訳で、おそらく結構儲かった為じゃなかろうか?と邪推してみたくなります。
tracks:
1.Good Clean Filth
2.Floppy Hat
3.Wish
4.Kinder
5.Velvet Darkness
6.Karzie Key
7.Last May
8.Gattox
bonus tracks:
9.Good Clean Filth(alternate take)
10.Kinder(alternate take)
11.Velvet Darkness(alternate take)
12.Karzie Key(alternate take)
13.Gattox(alternate take)
改めて聴いてみれば、結構聴き応えもあるんですよね。
それなりに面白い作品じゃないかと思います。
まずは、#1“Good Clean Filth”。
これはくだんの“Believe It”収録曲である“Mr.Spock”の発展系じゃないでしょうか?
#3“Kinder”が、同様に“Fred”のアコウスティック・ヴァージョンである事と共に、やはりトニー・ウィリアムスとの協働直後の状況として、如何に持ちネタが少なかったかと言う事が伺い知れる訳ですね。
曲名を変えてまで、自分の書いたマテリアルを使いまわすしかなかった、という事でしょうか。
多分、ラストの#8“Gattox”なんかも、基本は同様の流れじゃないのかなと思いますが、これはこれで曲としてのオリジナリティも感じられ、意外に歪み充分な音で切れ捲くってますね。
・・あ、これ一押し。
また、タイトル曲である#5“Velvet Darkness”と、#3“Wish”については、多分デヴュー作となった“'Igginbottom's Wrench”収録の“Golden Lakes”の発展系と考えられます。
それぞれ、テーマのメロディでの若干の違いや、歌のあるなし、あるいは構成等“別曲じゃね?”というご指摘も有ろうかとは思います。
しかしながら、先生はこのメロディあるいはコード進行に甚く執着していたフシがあり、後年自身の煩悩がようやく結実した本当の意味でのソロデヴュー作“i,o,u”で“The Things You See”として完成に至ったのではないかと。
これらの一連の流れを何度も聴く中で、やはり個人的にはこう感じずには居られんのです。
ついでに、ご周知の事実ですが、更にその後、盟友Gordon Beckと“The Things You See”というトドメの作品まで出しており、そこまでなぜ演る?みたいな部分もありますがね。
ま、欲望は留まるところ無し、って感じでしょうか?
このような、関連作との共通項を交えながらも、それなりにオリジナルな感じもあります。
#2“Floppy Hat”は、アコギによる独り二重奏で、“My Favorite Things”ぽいメロで、落ち着いたジャジーな感じが結構良いですね。
#7“Last May”はアコギソロのようで、凄く短い曲ですが、これも凄く良い感じ。
あと、#6“Karzie Key”なんて、結構スピーディなテーマに加え、ヴァイオリンでのインプロなんかもあって、これはコレで、みたいな。(笑)
この頃は、まだディストーションも普通に使ってた時期だし、このテーマみたいにマンマな音が実にカッチョよろしい。
世の中のホールズワースファンの大半は、多分こういう音や、ラストの“Gattox”全般で鳴り響く歪み系のプレイにノックアウトされてるんじゃないでしょうかね。
・・かく言う俺もその一人です。(笑)
あとのボートラは、すべてアウトテイクって事で、メンバー各人の出来にバラツキがあります。
でも、聴き方によっては、こっちもアリかもみたいな部分も少しありますが、聴き比べればやはりね。
いわゆる“資料的価値”としての位置付けとして聴くべしかも、ですね。
こんな感じで、邦盤よりも安いし、お得感もあります。
てな訳で、これから聴くという方には、こちらをお勧めします。
こんなの知ってましたか?知ってますよね。
http://calyx.perso.neuf.fr/bands/chrono/holdsworth.html
また凄いのご紹介くださりありがとうございます・・不勉強で恐縮です。
全部ネット普及前の情報じゃないですか。(驚)
カンタベリー系のファンって昔から凄い方ばかりですねェ、ホント。(笑)
継続は力成り、とは申しますが、自分の非力さを、年々思い知らされるばかりです。
・・そうすね、ファイト一発!(笑)